始めに「原発労働者は被害者だ」と言う答えありきのもの。労働者側の問題点を全く指摘せず、国や東京電力の問題点ばかりを挙げつらう。
また、「~だろう」と言う推測、いや、思い込みが多い。更に、久々に論理的矛盾(理論的ではない)を見た 。
それは、ステンレス管に関してだが、ある処では「導入しろ」と言い、別の処ではひび割れを指摘している。まっ、仮設の管だからそれでも良いと言う事なのかも知れないが、だったらステンレスにする必要は無いのではないのか。
しかし、この程度の矛盾は序の口で、最大の矛盾、いや、問題点は、支払われる金銭などに不満を持った労働者が、原子炉等にいろいろな物を落とす。煙草の吸殻やボールペンの様な小物に止まらず、机や椅子やはしご等までも落とすが、それをはらいせや怨念とし、「投げた本人はさぞやスカッとしたことだろう」と擁護どころか推奨とも取れる記述をしている事である。しかしこれは、テロに匹敵、いや、それ以上の行為で、明らかに犯罪である。とんでもない話である。当然ながら、こんな無責任な奴等を、まともな企業が雇う筈は無い。

だが、これを書いた者の本当の問題点は、こうした労働者と国や東京電力等の雇用者側との二項対立を固定化した事である。それにより、より上位の考察を否定してしまった事である。よって、「あとがき」で「それぞれの「表現」を誘発するものになっていたら嬉しい」とあるが、無理だろう。

なお、「長らく被曝者を診察してきた肥田舜太郎…」とあるが、被爆者の間違いだろ。
後、何でもかんでも「放射能」だったな。呆れる。//