産後ドゥーラ養成講座(基礎編)も折り返し地点にきた。本日の学びをメモ。

 

父親もすくすく育つ親支援

 

子育て世代の働く環境

 

日本国民であれば周知の事実、日本は超高齢化社会へものすごいスピードで進んでいる。

※日本は1970年に「高齢化社会」、1995年に高齢社会、2010年に超高齢化社会(65歳以上の人口の割合が全人口の21%を占めている社会)へと突入。

 

団塊世代が75歳を超える2025年には大介護時代へ突入し、労働人口の7割が仕事以外の育児や介護などを抱えることになる。当然、従来の会社に全てをコミットするような働き方は成立せず、企業は働き方改革を進め誰もがもっと働きやすい環境を作ろうとしている。(とはいえ、企業に何かしてもらおうという発想は危ないと思っているので、この辺は掘り下げない。「仕事2.0」佐藤留美著などを参照くださいませ)。

 

企業は労働力確保のためにも社員が働きやすい環境を作るのは喫緊の課題。夫が育児に参加する上でどういったサポートがあるのか企業の取り組みを知ることも重要。

 

ドゥーラはママやパパの仕事や会社についてアドバイスをしたり結論を言うことはないけれど、一般論として世の中がどうなっているかを把握しておくことは大切。ドゥーラになっても企業とは何らか関わりを持ち、そういった情報をキャッチアップしたいと思う。必要に応じて適切な相談窓口を紹介するとかナレッジは蓄積しておこう。

 

子育て世代の夫婦関係を知る

 

結婚したらいつまでも仲良しで居たいと思うのは当たり前のことだと思うが、この母親の愛情曲線のグラフは面白い。

 

引用元:パパとママが描くみらい手帳

 

妻のパートナーへの愛情は乳児期の過ごし方にある。一緒に育児をしたかどうかでパートナー・夫への愛情が回復・低迷の分かれ道になるそうだ。日本もイクメンという言葉が聞かれるように昔に比べれば育児に参加する働くパパも増えている。しかし男性の家事育児参画が進んでいるフィンランドと比べると雲泥の差。育児休暇を取るのも5%程度で、取得日数も2、3日程度が大方、育児に積極的に参画しているとは言い難い。もちろんパパ一人で解決できる環境ではないことは理解しているので責めてはいけないが日本の社会全体としてまだまだ変わっていかなければいけない。

 

ではどうすればいいのか。ママとパパ二人で解決するのではなくチームで育児をする環境を作れば良い。家族・親戚、ご近所さん、保育園などの先生、産後ドゥーラなど民間サービス、さらにはテクノロジーもある。テクノロジーと言うのはお掃除ロボットや食洗機、IoT家電など。使えるリソースは使えば良い。

 

そうして夫婦の時間が持てるようになると夫婦間のコミュニケーションが増えて、夫婦円満、二人から幸せホルモン(オキシトシン)が出ると赤ちゃんや子供にもプラスの影響が出る。家庭内業務連絡だけだなく雑談ができる夫婦になれるようドゥーラとしてサポートしていきたい。それからママは助けてもらってばかりになるので「自分は何も出来ない」と自信を無くす人もいるかもしれない。そんなママには、そもそも出産できたことが凄いことだし、ドゥーラもママから教えてもらっていることを伝えたい。

 

上の子の対応

 

松が丘助産院、宗先生のお姉さんである宮川明子先生。科学的な知見から話をしてくれてとても興味深かった。私は機会があればこれから出産・育児をすることになるが、今のうちに聞いておいて良かった!と思う内容が盛りだくさんだった。幼児期の過ごし方が大人になった時に影響することは多く、改めて乳児期の教育の大切さを痛感した。以下は資料にないことをメモ。

 

・乳児の扱いについてはいろんな勉強があるけれど、赤ちゃんが嬉しそうに母乳を飲んでくれてママが赤ちゃんを可愛い!と思えたら育児は大変ではない。美味しい母乳を出せる食事・身体になることが基本。

 

・子供は9歳くらいまでお母さんのことが大好き。その時期に愛情を受けていると自己肯定感が生まれて自己主張ができる。反抗期も「反抗しても大丈夫」と言う気持ちがあるからこそ。反抗期は過去に愛情をもらってきた証拠なのでママは自信を持って良い。

 

自立できる人は過去に依存が出来た(愛された)証拠。根拠のない自信は大事。

 

・2歳児。何かをやろうとして失敗した場合、チャレンジしたことを褒める。子供は自分のやりたいと言う気持ちと実際にできるスキルのギャップを認識出来ないので失敗してしまう。失敗するのは当たり前。

 

・3歳児。反抗期の始まり、自分に注意を引きたい「見てみて攻撃」開始。周囲への関心が高まり疑問が増える。よくわからない質問をされて面倒でも対応する。回答出来ない質問は「何でだろうね」と共感するだけでも良い。

 

・早期教育はあまり役に立たない。本人が楽しんでやりたいなら話は別だが、幼児期は本人が楽しくて仕方がないことをやらせる(楽しくて仕方がないことを大人になるまで続けると天才になることもある)。語学CDなどデジタル音では聴覚は育たない。自然の中でアナログな音(人の生声含む)を聞いた方が聴覚の発達には効果があることが脳生理学で証明されている。楽しんで夢中になることで脳の回路が繋がる

 

・自分には居場所があると言う感覚が持てないと犯罪者になりやすい。親や周囲の人は子供たちに傾聴し、誠意ある対応をしなくてはいけない。子供だからといって雑に扱わない。

 

特別なサポートが必要な家族への対応

 

特別なサポートが必要な家族とは虐待、障がい児、医療ケア児、貧困、一人親、外国籍、ステップファミリーなど多岐にわたる。しつけと虐待の境目は「子供が耐え難い苦痛を感じれば虐待」となる。子供の虐待の加害者の6割は母親と言う現実。

 

ドゥーラはお宅に訪問するので、そこから得られる情報はたくさんある。あえて聞かなくても家の中の雰囲気や赤ちゃん・幼児の見た目(清潔感・怪我がないか等)から察することができる。

 

「叩かない・怒らない」子育てをするには、子供の気持ちをまずは受け止めること。ママの気持ちで動くと「やめなさい!」となってしまうが、子供の気持ちを一旦考えてみると「なるほど、そう言う事情があったのか」と気づき、次に発する言葉も変わってくる。子育てには母性=ありのままを受けれ、父性=規律・役割・義務・責任を教える。母性→父性の順番で接する

 

何か問題を抱えている家庭の場合、ドゥーラ自身が解決しようとするのではなく専門家の力を借りること。ドゥーラは地域の相談先をあらかじめリストアップしておくと良い。