キ83の「取説」

キ83そのものの話からは少しそれる。

先日紫電改の取扱説明書復刻版なるものを手に入れた。
今日現在まだAMAZONで取り扱っている。

ミリタリー エアクラフトや世界の傑作機に出ている図は、どうやら「取説」が元になっているようだ。

下はFocke Wulf Ta152 H/C Werkzeichnungenの表紙。
Werkzeichnungenは施工図の意味だそうだ。


この本は104ページあり、
機体構造、エンジン、降着装置など機体すべてにわたり機体製造に必要な詳細が書かれている。
私が一番驚いたのは胴体曲面の線図がついていたこと。(原本で線図は1/1で書かれているらしい)


この本、実はドイツ公文書館のWeb siteから手に入った。
ほかにもFW190関係の文書もあった。

何が言いたいかというと、日本機の「取説」もどこかには残っているんではないかということ。
試しに国会図書館で検索すると確かに三菱の金星エンジンの「取説」は所蔵リストにあった。
つまり、旧軍で発注した機材の「取説」は(全部ではないにしても)国の「書庫」に残っているということだ。

またWikiのMU-2の記事に
参考として役立ったのが、三菱が保管してきた戦前および戦中の軍用機図面で、若手技術者は陸軍の「キ83」試作遠距離双発戦闘機を参考にした[3]ほか、アメリカの航空雑誌の断片記事のコピーで勉強したという。
[3]中村光男 編『日本傑作機開発ドキュメント 設計者の証言』 下、酣燈社、1994年。
とあるので、三菱重工(多分)の「書庫」には、キ83の図面や開発資料一式が残っているのだろう。

有料でもいいから見せてほしいものだ。