先月末、韓国ソウルの西江(ソガン)大学で、「有神論的進化論批判」をテーマにしたシンポジウムが開かれたので、青年たちと共に参加した。有神論的進化論とは、神が宇宙法則を設定したことを支持するが、生物の進化には神が関与せず、偶然の過程に任せたというもの。2017年にアメリカのID理論科学者たちが『有神論的進化論――その科学的、哲学的、神学的批判』という本を出版したが、このほど韓国語訳を出版。同シンポジウムでは内容の紹介とディスカッションが行われたのである。
日韓政府間の対立という最中だが、シンポジウムを主宰した西江大学のイー・スンヨプ教授(機械工学<生物医学工学>)は私たちを歓迎してくださり、インタビューにも丁寧に答えてくださった。イー教授とは、進化論が道徳的衰退の根っこにあるとの認識を共有するとともに、日韓両国が進化論を克服してID理論的な価値観を人々が受け入れていくなら道徳回復に寄与し、日韓関係が改善する道が開けるだろうとの考えで一致した。
韓国のイー・スンヨプ西江大学教授(左から二番目)とともに。中央が筆者。
インタビューの一問一答は以下の通り。
――こういうテーマでシンポジウムをされているのは素晴らしい。日本ではこういう機会は稀です。日本は国立大学が強いですが、ほとんどの大学教授たちは進化論を信奉しています。では、最初の質問ですが、有神論的進化論を批判する本を翻訳された狙いは?
韓国と日本を比較してお話されましたが、韓国ではキリスト教が日本より多いですよね。
1980年代に創造科学の運動が始まって、クリスチャンの科学者たちがたくさん参加するようになりました。その時からこういう風に関心をもってくださる方たちが日本よりたくさんいたし、知的設計論(ID理論)を研究する方々も出てきて、「若い地球」創造論者など今、いろいろな考えを持っている方がこられました。
5年くらい前から韓国に有神論的進化論を話す学者が出てきました。それを信じる人も増えてきました。それは私たちと方向が違うので、有神論的進化論をもっとよく知ったら批判もできるので、紹介できるようなこの本の翻訳をしようと思いました。今回は有神論的進化論批判というテーマでシンポジウムをしました。
韓国ソウルの西江大学で開かれた「有神論的進化論批判」シンポジウム
――有神論的進化論が広がりを見せているということは、キリスト教が進化論によって悪影響を受けているということなんでしょうか?
5年ほど前にソウル大の天文学科の教授になったウージョンハク氏は、クリスチャンなんですけれども、有神論的進化論を信じて、紹介しセミナーなどをしています。
――有名な方なんですか?
テレビに出たり、活動をたくさんしていて、多くの人がその影響を受けました。
――この本を出した意味は大きいですね。
そうです。本を出して、特集のシンポジウムをし、動画もとって、ユーチューブにあげようと思っています。
――生物が偶然の過程で進化してきたのではないなら、真実はどのようにイメージされていますか?
私はクリスチャンで神様を信じているけれども、知的設計論のほうでは、それを前提として話すのではない。設計者という言及だけし、科学的には自然選択の進化論ではなく、設計されたというさまざまな証拠を探すのです。
――アメリカでは進化論、創造論、ID理論のどれを信じますかという世論調査が行われています。韓国ではどうですか?
何年か前に行われたことがあります。韓国では進化論への批判が他の国より多いです。創造論を受け入れる人が30%くらいいます。
日本では?
――日本では進化論支持が80、90%いるのでは。というのは、ほとんどの大学教授が進化論支持ですし、NHKが進化論を宣伝する番組をよく放送します。問題です。
韓国でも言論やマスメディアは、進化論を主に放送をしています。EBSは教育放送ですが、そこでは討論をしたり、私にインタビューをしたりしたことがありました。
――私がブログで一貫して主張しているのは、進化論と進化論を中心とした価値観が今の道徳的衰退の根っこにあるんじゃないかと。例えば、学校でのいじめ、児童虐待。家庭倫理が衰退している。進化論が日本の文化、価値観に根付いていて、神様から遠くなり、愛の乏しい生存闘争の世界に、そういう方向に人々を誘導していると書いています。
進化論がそういう風に悪い影響を与えるのは事実だと思います。闘争と適者生存の理論ですので、政治や社会や教育に悪い影響があります。
私はネガティブな面よりもポジティブなほうで代案を出すことに中心を置いています。進化論の悪い点にフォーカスを置くのではなく科学的な研究に中心をおいています。韓国は研究者や教授たちがたくさん参加しています。
――先生の夢、ゴールは進化論の代替理論をつくることですか?科学者、神学者、哲学者が結集してそういうものを作って教科書を変えることを目指していますか?
教科書を変えることができたらいいんですが、それは目標ではない。
生物のところで進化論だけ教えています。間違っている内容がとても多いですから。
代案があればそこで討論ができるのに、それが今まだできていない。討論できるような知的設計の理論をまず出すのがアメリカでも目標になっていると思うんですが、私たちもそういう目標をもってやっています。それをするには科学者がメーンですが、哲学的な闘いもしなくてはならないと思います。私たちのグループには哲学、神学をされる方もいて一緒にやっています。
――先生が発表の中で取りあげたバクテリアのモーターの説明を聞けば、これは偶然の積み重ねでできたとは思えず、素直にみれば設計されたと考えるのでは。
バクテリアのモーターは、ID理論の最初の議論で出てきたものの一つで、私の専攻と重なるのでよく研究しています。
――今の機械の技術をはるかに超えていますか?
複雑で私たちの技術ではつくることができない。驚くべき技術が入っています。
下等な生物でさえもこうですから、人間はもっとですね。
――進化論を克服しID理論を提示して人々が受け入れていくならモラルにいい影響を与えると思います。私たちも努力し、韓国の先生方の活動もさらに発展するなら、日本と韓国がもっと仲良くなれるのではないでしょうか?
(その通りです。)拍手。

