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第13話

『自動手記人形と「 愛してる」』

 

 

 

 

 

【あらすじ】

 

ヴァイオレットは銃弾からディートフリートを守った。
不敵な笑みを浮かべ機関車から飛び降りたメルクロフ准将。
その真意に気づいたディートフリートは機関車の緊急停止を試みる。
仕掛けられた爆弾の撤去に向かうヴァイオレット。
和平反対派の思惑は彼らの手によって阻まれた。

 

そして、ライデンシャフトリヒとガルダリク帝国の和平調印式が行われ、戦争は終わった。
ヴァイオレットたちはライデンへ帰り、いつもの仕事に戻る。

 

飛行機で空から手紙を届ける航空祭を前にして、
C.H郵便社には代筆の依頼人がひっきりなしに訪れていた。
代筆に追われるドールたち。
カトレアとホッジンズは、ヴァイオレットにも自分の手紙を書くように勧める。
「今のあなたが思う通りに書けばいいのよ、心のままにね」
初めて書く自分の手紙―――

 

そこへ、ディートフリートがヴァイオレットを訪ねて来た。
連れて行かれたのは、ライデンのブーゲンビリア邸。
ヴァイオレットは、そこで初めてギルベルトの母親であるブーゲンビリア夫人と対面する。
息子を心から愛している夫人は、ヴァイオレットに語りかける。
「あの子は、生きてる。心の中で。だから決して忘れない。
思い出す度につらくても、ずっと想って生きていくわ。だって、今も愛しているんだもの」
「はい」―――。夫人の言葉に、ヴァイオレットは強くうなずいた。

 

航空祭当日。
たくさんの想いがつまった手紙は、空から風に乗って大陸中へ旅立った。
ヴァイオレットも手紙を書いて空から飛ばす。
「親愛なるギルベルト少佐――」
その手紙が届くと信じて――。

 

C.H郵便社に依頼をすれば、大陸のどこへでも彼女はやって来る。
水色の日傘を差して、エメラルドのブローチをつけた、義手の自動手記人形が。

 

「お客様がお望みなら、どこでも駆けつけます。
自動手記人形サービス、ヴァイオレット・エヴァーガーデンです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一粒の麦もし死なずば


違和感のあった列車活劇を迅速に収束させ、本来のテーマである「手紙」に立ち戻って、

静かな感動の裡に終劇(カーテンフォール)を迎えた最終話。


たった1話分にして伏線を綺麗に回収し、微笑ましいエピソードまでも点綴。

脚本の腕の冴えを感じました。

 

ギルベルト少佐への想いと「愛してる」の昇華。

それは、「届かなくていい手紙なんてない」というテーマの達成を通じて為されました。
死者への手紙は届かない。でも、魂には届けることができる。

魂は何処に在るのか。それは大地。
一粒の麦もし死なずば。
新約聖書のイエス・キリストの言葉です。

「一粒の麦もし地に落ちて死なずば、ただ一つにてあらん。死なば多くの実を結ぶべし」
人の生とは、永劫回帰。

個に過ぎなかった一つの生は、めぐり逢いを通じて、永遠の生命を得る。

そんな真理を説いた言葉です。

 

戦争が終わり、平和が戻ってきたけれど、戦地に赴いた息子は二度と帰ってきません。

遺された家族がいくら手紙を書いても、想いを伝えることは不可能なのです。
そんな届かない筈の手紙を届けるための、鎮魂の儀式。

それが航空祭。

戦場から帰らぬ死者たちに手向ける、慰霊のための儀式。
航空機から撒かれた手紙たちは、大地に還りました。

そして、大地こそは死者たちの魂が眠る場所。
手紙とは、一粒の麦。愛する人たちに送る、家族からの無限の想い。
そこに込められた愛の心は、今はまだ一粒だけなのかもしれない。

大地に埋もれてしまうのかもしれない。
でもやがて、一粒にしか過ぎなかった愛の心は大地から芽吹き、新たな無限の愛を育んでいく。

そのようにして、想いは行き場を見つけ、永遠の回帰を通じて人の心を潤していくのでしょう。


ヴァイオレットが生まれて初めて書いた手紙もまた、

ギルベルトの魂が宿る大地に還されました。
「愛してる、が、少しは分るようになりました」
ヴァイオレットの笑顔が喩えようもなく爽やかだったのも、

無限の生の連環を通じて想いが伝えられたという満足感ゆえなのかもしれません。

 

ディートフリートとの和解。
和平調印式を見届けて、郵便社に戻ったヴァイオレットを訪れたのは、

ディートフリートその人でした。
彼に導かれ、初めて訪問したブーゲンビリア家。

そこには、少佐の母であるブーゲンビリア老夫人が。
彼女は齎してくれました。

ギルベルトを護れなかった自分を責め続けていたヴァイオレットの心を救う、赦しの言葉を。
「あなたのせいじゃない」
慈愛に満ちた夫人の声を当てているのは、高島雅羅さんです。

洋画の吹替えで著名な声優さんですが、

高島さんが若き頃に演じた、アニメ「赤毛のアン」のダイアナが大好きな私です。

 

前回の、ディートフリートの乱暴な台詞

「死んでしまえ!」を巧みに援用した演出もありました。
「あいつの分も、おまえは生きろ。生きて、生きて生きて、そして死ね。

これが、おれからの最後の命令だ」
精一杯生きろ。それから死ね。

これは、ディートフリートによるヴァイオレットの肯定そのものです。
そして、ヴァイオレットの返事は。
「もう、命令はいりません」
戦場よさらば。
ギルベルトの二重像であるディートフリートに、

ヴァイオレットは自立の賦を伝えることができました。
ディートフリートもまた、

弟の悲願だったヴァイオレットの自立を目の当たりにすることにより、

戦場にさよならを云うことができたのかもしれません。

 

そして、微笑を誘うエピソードとは、もちろんエリカ様。
「最近、好きな人ができた」という彼女の意中の人は、あきらかにベネディクトです。

彼のことが気になって仕方がないエリカ様のしぐさが可愛いです。
「俺の書いた手紙、知りたい?」
「知りたい…」
「実はさ、ホッジンズあてに書いたんだ」
「ええ!?」
エリカ様、驚き過ぎですw
やっぱり腐女子の素質も備えていらっしゃったのですね(笑)

 

まだ見ぬ我が子に宛てた「パパの手紙」を書いたホッジンズは、

カトレアさんにいいように弄ばれました。

彼女のどっしりとした尻に敷かれる将来が、眼にみえるようです。

彼の命運いま尽きたって感じです。お幸せに。

 

Cパート。
風光明媚な丘を上って行くヴァイオレット。
「お客さまがお望みなら、どこでも駆けつけます。
自動手記人形サービス、ヴァイオレット・エヴァーガーデンです」
扉の向こうの相手を認めて、ヴァイオレットが見せた、軽い驚きの表情。
まさか、少佐が?
ブーゲンビリア老夫人も「まだ諦めていない」と語っていたし、

何とも含蓄に富んだ含みを残して、物語は大団円を迎えました。

心憎い演出です。

 

 

「氷菓」と同じく、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という美しい物語もまた、

京アニの里程標作品としての地位を確立したと思います。


新作決定という嬉しいサプライズもありましたね。

ヴァイオレットの旅路から、まだまだ眼が離せません。

 


スタッフの皆さん、美しい季節をありがとう!

お疲れさまでした!