前回のブログにて実学志向は本当に合理的な判断なのか?という問題提起を致しましたが、今回はその続きです。
IT分野の移り変わりの速さを揶揄した言葉に「ドッグイヤー」、「マウスイヤー」というものがあります。
犬は人間の7倍、ネズミは人間の18倍の早さで年を重ねることに因んで生まれた言葉です。
技術革新が人の暮らしを変えるのは、遠く縄文、弥生から続く時代の常なのではないでしょうか。
人々は大陸、朝鮮半島から稲作技術が伝わるとともに、それまでの狩猟生活から定住生活へとその暮らしを変えてきました。
書きながら思いつきましたが、人々の暮らしを最も変えた技術革新は産業革命かもしれません。
技術革新はこのように大昔から人々の暮らし方を劇的に変化させてきました。
前述した「ドッグイヤー」、「マウスイヤー」という言葉が表すように、技術革新のスピードは昔の比ではありません。
サッカーの試合で、ボールの後を追いかけまわす人が、決定的チャンスに遭遇することが難しいように、実学志向で時代を後追いする人がその恩恵に与れることはあまり期待できないのではないか?
私が実学志向に疑問を呈する理由の一番目です。
バライティー番組で芸人さんやアイドルが自分のギャラの安さを自虐的に語っているのを見たことがあります。
なぜ芸人さんやアイドルはギャラがそんなにも安いのでしょうか?
需要に対して供給が過剰になれば、雇用主から見て代替要員はいくらでもいるので、その雇用条件はどんどん引き下げられてしまいます。
専門学校や大学で、資格を取得し社会に出てみたけれど、供給過剰な状態になって職を得られない、思うような給与を得られない。
そのような事態は現に法科大学院を卒業し司法の道に進んだ人たちに起きている事態です。
このような事態が今後ほかの分野で起きらないとも限りません。
これが実学志向に疑問を呈する二つ目の理由です。
大人でさえも5年先、10年先の時代の変化が読み切れない時代。
そういう時代を今、私たちは生きています。
大量生産大量消費大量廃棄に支えられ経済が右肩上がりだった時代ならば、良い大学に進学し大きな会社に入ることが、人生の定石となり得ました。
実学志向という考え方はその名残なのだと思います。
それではこの移り変わりの早い時代を私たちはどのように生きていけばよいのか?
実学志向についての批判を述べるだけでは、何の生産性もありません。
次回、私の考えを書いてみたいと思います。
次回に続きます。