マズローの欲求5段階説ってご存知でしょうか。

アメリカの心理学者マズローが提唱した学説で、人間の欲求を5つに分類し、それらは階層構造を持っている、と説いています。

最下層から順に、

（A）生理的欲求

（B）安全欲求

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（C）社会的欲求

（D）承認欲求

（E）自己実現欲求

の順で、ピラミッド型の序列になっていることが特徴です。

この学説のポイントは、下層の欲求が満たされると、一段階上の欲求が高まり、その欲求を満たすための行動を起こすようになる、というものです。

つまり、（B）安全欲求が満たされて初めて、（C）社会的欲求が高まる、といった具合です。

この学説が言及されるのは、大抵の場合、（C）社会的欲求より上の階層についてです。（A）生理的欲求と（B）安全欲求は既に満たされている前提で語られることがほとんどです。

今回は、あまり語られることのない最下層の（A）生理的欲求に着目してみようと思います。

生理的欲求とは、ヒトが生命を維持するために必要な基本的かつ本能的な欲求です。三大欲求（食欲・睡眠欲・性欲）が有名ですが、ここを細分化し、優先順位をつけてみます。

何をもって優先順位が高いとするのか。〈生命に関わるまでのリミット時間が短い〉順に並べてみます。

呼吸ができない状態に陥ると、数分でアウトです。最優先事項ではありますが、水中に沈んだり、火災に巻き込まれたりしない限り、日常生活ではあまり意識する必要はないかと。

外気温や運動量によって異なるでしょうが、平常時でも2～3時間に1回は水分補給をした方が良いと言われていますので、かなり優先順位は高いかと思います。全く水分を取らない場合、持ちこたえられるのは3日～1週間程度だそうです。

特に子供や高齢者の場合、炎天下の車内に閉じ込められるなどの悪条件下では、10分程度でも生命に関わります。

これも呼吸ほどではないにしても、切実な欲求ですよね。ただ、限界を突破すると、本人の意思とは無関係に自動的に満たされる欲求のため、生命に関わることは少なそうなので、水分よりは優先度を下げてみました。

社会的に死亡することはありそうですが😇

最初の2日くらいで相当な疲労感、集中力や記憶力の低下が起きます。3日くらいで幻覚や妄想などの精神障害が発生します。

私も一時期、睡眠障害が酷くて「とにかく自然に眠気が来るまで待ってみよう」とトライしたことがあるのですが、50時間を超えても眠気が全く来ず、恐怖を覚えて睡眠薬で寝たことがありました😅

排泄欲と同様、限界を突破すると意思とは無関係に寝てしまうはずですが、やはり睡眠不足や質の悪い睡眠が続くのは相当まずいと考えた方が良さそうです。

水分を摂取している前提なら、食事をしていなくても最大で2ヶ月も持ちこたえるそうです。

思ったより長いですね

三大欲求のひとつとは言われますが、極端な話、性欲が満たされなくても、その個体が死ぬことはないので一番優先度は低いと思われます。

他の欲求と並べて語るにはちょっと異質ですが、生理的なバランスを一定に保とうとする恒常性（ホメオスタシス）も重要度が高いと思います。具体的には体温・血圧や血液中の酸素レベルなどですね。

生命を維持するため、物理的・化学的な状態が一定の範囲内で維持されるようにヒトの身体は設計されているので、極端な気温・湿度などは思っている以上に心身ともにストレスになります。

場合によっては生命に関わることもありますしね。

こうやって優先順位をつけてみることで、ストレスを感じていたり、体調が悪い時など、どこから対処・改善すべきかがクリアになります。

✔︎ 深呼吸をする

✔︎ 何かを飲む

✔︎ トイレを済ませる

✔︎ 昼寝をしたり、好きなものを食べる

✔︎ 暑さや寒さを感じたら、衣類や室温の設定を調整する

✔︎ 不快な音や匂いを遮断する

✔︎ 窮屈なベルトを緩めたり、靴を脱いだり、軽くストレッチする

本能的に不快なことは、小さいことでも我慢しないで解消することが大切だと思います。まずは生理的欲求がしっかり満たされてからでないと、より高次の欲求は満たされないですもんね😊

マズローの欲求5段階説を細分化する