ようやく購入したDVDで再見！

映画「シベールの日曜日」

1962年に公開されたフランス映画。白黒です。

有名な映画ではありませんが、この映画を「好き」という人にとっては、ものすごく特別な作品になっていると思います。

私は映画が大好き。

好きな映画は何度でも見ます。

大好きな作品はたくさんあって、「どれが一番？」と聞かれても返答に困るほどなのですが。

でも、たぶん。

この「シベールの日曜日」がNo,1です。

好き。というか、観た時の衝撃度が凄まじく、いつまでも心に残る映画という感じです。

この映画を最初に見たのは、、、、もう30年以上前ですねぇ。

高校生の頃だったと思います。

深夜にたまたまつけていたテレビで始まり、なんとなく惹かれるものがあり、最後まで見たら。。。

どうしよう、すごい映画を観てしまった

そんな感じで、数日はドキドキがおさまらなかったぐらい。

この映画を好きな方には、その衝撃をお分かりいただけますよね。

この映画が好き過ぎて。

5年ほど前は、ロケ地であるパリ郊外Ville d'Avrayまで行きました。

長くモノクロだった映画の中の世界が、目の前でカラーとなり現実に広がった時の感動を、今も鮮明に覚えています。

（50年ほど前に撮影された作品ですが、周囲の建物などがほとんど変わっていなかったあたり、ヨーロッパのすごさ！）

＊写真上が2015年撮影、下が1962年公開の映画から。

同じアングルから撮影したものです。右にある建物なんて、まんま同じですよね。

この作品は、長いこと私の中で「純愛」の「悲劇」の物語でした。

作品説明にもそのように書いてあるし、レビューしている方達もそのように書いています。

ただ。不思議ではありました。

ストーリーとしては複雑なことはなく、極めてシンプル。

登場人物も少なく、何か大きな事件が起きるわけでも無い。
↑
ラストのラストで大きな事件はありますが

それなのに、こんなにも見る人の魂に入り込んでくるのはなぜなのだろう？

確かに、すごいカメラワーク。

幻想的なモノクロの冬の景色。

60年代の映画としては斬新な音楽。

そしてなにより。シベール役のパトリシア・ゴッジの演技力。

セリフ回しも、ちょっとした表情1つ仕草1つも、凄すぎてワケわからない（笑）

とはいえ。

「至高の愛の物語」なんて作品はいくらでもあるのに、なぜに「シベールの日曜日」はこんなにもマニアックなファンを持つのか。

そして、私も。なぜここまでこの作品に惹かれるのだろうか。。。。

そんな疑問と、変わらぬ作品への想いを持ち続けて来ました。

そして、昨年末。

自分へのクリスマスプレゼントとして、「シベールの日曜日」のDVDを購入しました～✨

なぜ今まで購入していなかったかと言うと。

日本で販売されているDVDがすごく高かったんですよ。

ブルーレイ版は英語字幕しかないという話も聞いたし。

そして、公開当時にあったラストシーンの一部がカットされている、ということもあり。

この作品は、映画ファンの間では本当に「幻の映画」扱いなんですよね。

さて、そんなこちらのDVD。

さすが本国フランスでは簡単にネットで購入できました！！

さっそく鑑賞♪と、再生したら・・・・

まさかの字幕無し💦

ストーリー全把握しているからこそ、フランス語字幕で観てフランス語の勉強にもしたかったんだけどなあ。

こ

まあ仕方ない。。。。続けて観ます。

で。観ているうちに、これまで全く気付かなかった新しい視点で、

これ。純愛映画じゃないよね？？？？

いや、ある意味純愛なんだけども。

と、ドキドキしはじめました。

途中で
L'EMPIRE DES SENS（大島渚監督「愛のコリーダ」）

を思い出してしまった・・・・・

ちょ。この映画。

めちゃくちゃ怖いーーーーーーっ

30年前には気づかなかった、色んなものが見えたり感じたり。

何度も観た作品というのもあるし、大人になって見え方が変わったというのもあるし、

そして、前より少しはフランス語の表現やニュアンスが理解できるようになったというのもあるかかも知れない。

何より、『シベール=キュベレー』で、私がキュベレ―についてちょっと知ってる状態で見たから、というのが一番大きなことかも知れない。

主人公2人が木に魔法の剣を差して抜いた後の幹から白い樹液がポタポタと落ちるシーン。

今まで、このシーンを気に留めたことなんて無かったけれど。。。。

これ、めちゃくちゃ意味深で怖いんですけど

シベールが、暖炉の前で魔法の剣に頬ずりしたりナデナデするシーンも・・・・

こんな小さいな女の子にこんなことさせていいんかい

ラスト、ピエールの表情も、

えーーーーー💦怖いーーーー💦

昔、この作品が「ロリコン映画の金字塔」みたいな扱いになっているという話を聞いた時は

失礼な！

と怒り心頭だったんだけど。。。

これ。なぜラストシーンの一部をカットしたかって。

もしかしたら、もしかする。

昔は知らなかった、教会の風見鶏が「魔除け」を意味しているという事実。

それを欲しがるシベール（キュベレ―）。意味深過ぎる。

ラストのラスト。

エンドクレジットの間に流れる音楽が、シュルパンティエの「真夜中のミサ曲」という、クリスマスのミサの曲。

しかも、その中の「グローリア」の部分を使っているのも、これまた意味深。

ああ、監督に直接会って聞いてみたい。

この作品の本当の意味を！

30年前。

はじめてこの作品を見た時の、あの胸のざわめきは、きっとこの「本当の意味」を感じ取っていたからなのかも知れない。

そんな風に思いました。

30年分の謎が解けたような、もっと謎が深まってしまったような。

とても奇妙な感覚です。

それでも、この作品が「生涯No,1映画」なことに変わりなく、むしろ熱が上がりました。

5年前にこのロケ地を訪れたのは初夏だったけど、映画と同じように冬に行ってみたいな～と思っています♥

“純愛”または・・・映画「シベールの日曜日」