みなさんこんにちは。

第10回は「LARS GULLIN  ~BLUESPORT~」にさせていただきます。

 

このところ仕事が忙しくてなかなか投稿できません。

 

●ODEON 062-35141

 

 

 

●SIDE A

  1.PONTUS

  2.MAZURKA

  3.BLUESPORT

 

●SIDE B

  1.OMERICANO

  2.HOLY GRAIL

  3.MOTORCYKELN

 

 

1974年のレコードですね。

でもこれコードが話題になったのはヨーロッパ・ジャズのブームのときでしょうか。

 

この本の表紙にも写真が載ってます。

 

(表紙に載っていると欲しくなりますね!)

 

 ラーシュ・グリンはこのレコードを出すまでも、遡ると結構古くから活動していて、一番最初のリーダー作は「metronome」で51年の発表だそう。54年には米国ダウンビート誌のニュー・スター部門でポール・ウィナーを受賞しているので、活躍したのは母国スウェーデンだけではなく、ほかヨーロッパ・ツアーも敢行したりして、職業ミュージシャンとしてはとても成功していたようです。もともとはマイルスのようなクール志向でしたが、このアルバムはなんといいますか・・・うん、熱くて深いものが感じられます。この時期にグリンがどのようなサウンドをイメージしていたのでしょうか、つかみにくいのですが、このレコードに限っていいますと、サヒブ・シハブの「THE DANISH RADIO JAZZ GROUPE」のようなニュアンスに近いかなと思います。もちろん「THE DANISH RADIO JAZZ GROUPE」の方がシリアスだし、「THE DANISH RADIO JAZZ GROUPE」については1965年の演奏なので、グリンがあえて1974年にその延長線上のものを作ろうとしたわけではないでしょう。この辺がデンマークとスウェーデンというお国の違いがあれど、ラジオ番組用の録音としての背景が共通点になっているのかもしれません。

 

 またA2「MAZURKA」のイントロ部なんかは、いかにもクラシック音楽の要素も含んだような整えられた美しさのある導入部で、アメリカのジャズっぽい雰囲気がなく、良い意味で巷でイメージされるようなヨーロッパらしさ(森林浴が合いそうな)です。またA3「BLUEPORT」はグリンが1961年に作っている曲なので、手垢のついた自身のある一曲なのでしょう、リラックス感のある演奏です。B1「OMERICANO」が11分と一番長尺で、たぶんこのアルバムの目玉曲なんでしょう。ラテンのリズムで次々とソロが交代していく標準的パターンなので、ずっと座って聴くには少し冗長かもしれません。ちなみにこの曲は組曲の一部らしいですので、アイデアとしての全貌としてはもっと長いのでしょう。それとこの曲は特にエレキ・ベースを目立たせているので「アコースティック・ジャズが命」の方には向かないかもしれません。だからそのあたりがこのレコードとしては、少し人気が落ちるポイントではないかと思われます。B3「MOTORCYKELN」以外の曲は、グリンがすべて作曲しており、彼の一区切り的な意思を持ったアルバムではないかと思われます。

 

 

 このレコードは、今となってはブームが去ってしまって価格的には落ち着いてしまっていますが、音は柔らかでとてもアナログ的です。まだまだ蒐集的価値はあると思います。たぶん再発なんてされる機会は、メディアがレコードにしてもCDにしてもこの先はほとんどないでしょう。(うずもれていくのでしょうか?)スモール・コンボのジャズが好きな人にとってはあまり関心がないかもしれませんが、バカ騒ぎするだけのビッグ・バンド・レコードでは決してありません。それどころかとても大人びていて涼しく感じるし、この酷暑の夏にこそ時間をかけて、ゆっくり聞いてほしいレコードと思います。