七夕がやってきました☆ミ
Pureっ子にとってとっても大事な今日!!
この日は何かしたい…!!
ということで。
雨降って地固まる のその後
雨降って地固まる(side三洲)
のその後、未来設定のシンミスです。
25、6歳くらいかな~
ショッキングな情報がありましたが…。
私の願いは、またもや相も変わらず、です…。
ともあれ、楽しんでもらえると嬉しいです!!
久しぶりなので、今回も書いておきます。
私のPure二次創作のスタンスは、
映画で表現されたことは映画の分で、
それ以外は原作のエピソードをすり合わせ、という感じです。
では、どぞ。
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「思い出すな」
「何を?」
アラタさんを駅まで迎えに行って、俺のアパートまでの道のり。
商店街には質素ながらも盛大に七夕の飾りつけがしてあった。
町内会で子ども達が作ったものらしい。
大きな笹の葉には、願い事が書かれた短冊が所狭しとつるされている。
「祠堂の、七夕だよ」
「――ああ」
祠堂の学生は、高校生にもなって、とは思いつつ、ちゃっかり願い事を笹の葉につるす。
なるべく高く、天に届けと。
愛しい過去だ。
「アラタさん、願い事書いたことあるんすか?」
ないだろうなと思いつつ尋ねれば、
「あるよ」
即答でちょっと驚いた。
「ええ?! まじっすか」
「三年生の時にな。生徒会長が行事に参加しないって、まずいだろ」
「なるほど……」
積極的に、というわけではないらしい。
アラタさんらしい――と、頬がゆるむ。
「何書いたんですか?」
大方、大学に無事受かるように、とかそんなことだろう。
軽い返答を期待してアラタさんの綺麗な横顔を見つめる。
アラタさんは、ちらりとこちらを見ると、ふいと視線を笹の葉の方に向けてしまった。
「――そういう真行寺は?」
「俺、っすか?」
てっきりこちらも即答してくれると思っていたので、俺は目をぱちくりさせてしまった。
「ないっす、けど」
「……ふうん」
そっぽを向いていたアラタさんは、またもや俺をちらりと見ると、今度は正面に顔を戻した。俺も、ならって正面を向く。
「……お前こういうの好きじゃないのか?」
「うーん。まあ、小さい頃は願い事もしましたけど」
「けど?」
「……全然、叶わなかったんですよね。嫌になるくらい」
「それは、」
アラタさんがこちらに視線を向けたのが横目に入る。
面と向かって話すことではない。
「うちの親、離婚したじゃないっすか」
「ああ」
「俺が小学生の時から不仲で、……両親の仲が良くなりますように……って、願ったんです」
「……」
「全然、ダメでしたね」
アラタさんが俺を恋人だと認めてくれて、こういう話ができるようになった。
祠堂にいた頃はこんな話、できなかった。
内面に深く触れるような話は。
「そういう、俺の意思だけじゃどうしようもない願い事は、しちゃダメなんだって、思いました」
あの時の俺の悩みは、両親のことだけだった。
今は、気にしていない。
それを証明するように、カラリと笑った。
「俺だけが願ったって、意味無いですもんね」
祠堂にいた頃、一度だけ、笹の葉に託すならと考えたこともあった。
『支えにはなれなくても、せめて邪魔にならずに傍にいさせてください』
こんな願い、アラタさんが許してくれて初めて叶うものだ。
俺だけじゃ、どうしようもない。
それがわかっているから、七夕に乗じての願い事なんて、する必要がなかったのだ。
だって俺は、いつだって、いつだって、アラタさんの傍にいる努力を、しているから。
――けれど。
歩みをゆるめることなく、アラタさんは俺に問いかける。
「いま、お前に願い事はないのか?」
「……あるっすよ」
「なんだ?」
「やだなあ、今日は笹の葉につるさないといけないじゃないですか」
「……そうだな」
「アラタさん?」
急に俺の腕をとり、くるりと方向転換。
俺はなすがまま、アラタさんの行く先についていく。
「ほら」
アラタさんが示した先は、くだんの笹の葉の前。
通行人も書けるように、短冊が用意してあるのだ。
「え、あー、……ここには書けないこと、なんすけど……」
「……どこなら書けるんだ」
「ウチ、なら」
「……わかった」
しどもどしていると、アラタさんはさっさと踵を返して、俺のアパートに向かった。
心なしか、歩みが速い。
アパートの部屋の鍵を開け、アラタさんの後を追って入り込み、しっかりと鍵をかける。
靴も脱がずにたたずむアラタさんの背中。
――間違いなく、俺を待っていた。
胸のつまる想いで、そっと、綺麗な背中を腕の中に閉じ込める。
「アラタさん……」
「真行寺、願い事は?」
笹の葉なんて、ウチにはないのに。
「俺の願いは」
ぎゅ、と腕に力を込める。
努力している――ずっと。
好きでいてもらうために。
ずっと、好きでいるように。
俺はぜったい、一生、アラタさんが好きだ。
――けれど。
今やっと、傍にいることを許してくれているアラタさんの気が、変わってしまったら……。
いや、ぜったいなんて言う俺の気だって、変わるかもしれない。
それは、そうなってしまったら、どうしようもない。
俺だけでは、どうしようもないことがあるけれど。
でもそういうことは、アラタさんと乗り越えていけばいい。
それを、許してくれるのなら。
「俺の願いは、アラタさんに逢った時から、ずっとずっと、変わってません」
「真行寺……」
だけど、できることの精一杯を努力してもダメな時は、何かに頼ったって、いいと思う。
心の拠り所は、あってもいいと思うのだ。
「好きです、アラタさん……」
強くなると決めたあの日から。
アラタさんに会ったあの日から。
心の中の笹の葉に、ずっと託してきた願い。
「ずっと、俺の隣にいてください」
アラタさんと乗り越えていけばいい。
それを、許してくれるのなら。
「真行寺」
答えは。
腕の中のアラタさんが、くれた。
いつだって、願っている。
いつだって、祈っている。
愛しい人と、永く、共にあることを。
FIN
*
プロポーズさせてしまった(笑)