息子がオルソケラトロジーを開始して2週間弱が経過した。

 

 最初の1週間はレンズ装着後に再度付け直しが必要なこともあったが、ここ最近はほとんど1発で装着ができている。心配していた目やにも体が慣れたのか日を追うごとに減ってきてて何より。近視抑制に最も効果のありそうなオルソケラトロジーと低濃度アトロピンの併用については今後もなんとか継続できそうである。

 

 

 オルソと低濃度アトロピンを併用した場合の近視抑制効果がどれほどかということについて、ある程度のサンプル数かつ年単位で経過を追った論文は、ざっと探した感じでは2018年以降に出たものしかなかった。本当に最先端の研究領域なんだな〜ということを実感する。

 今後の治療の参考にするためにできるだけ最新の情報は集めておきたいと思う一方で、論文読むのめんどくさいので放置していたところ、これらの研究成果をまとめて下さった良さそうな記事を発見。

 

 

 ↑こちらの記事の真ん中らへんに表があり、それを見ればなんとなく各論文の考察がわかるようになっている。非常にありがたい。

 

 

 記事を読み、個人的には「オルソケラトロジーと0.01%アトロピンの併用効果は開始後6ヶ月or1年以内が最大っぽく、それ以降はオルソ&低濃度アトロピンの近視抑制率はオルソ単独のそれにだいぶ近くなっていく可能性がある」という情報がなかなか興味深かった。つまり併用を続けたらそのうちアトロピンの効果が落ちるかもしれない、ということ。

 アトロピンの近視抑制効果を調べた有名な研究(ATOM1)では、0.01%アトロピンの近視抑制効果はむしろ開始8ヶ月以降から発揮されているように見えたのでちょっと意外。この差はなんなのかな。

 

 表中にあった日本の論文を見てみたが、確かに併用群は治療開始1年目以降に進行抑制効果の低下がありそうだった。その一方で、低下があると言いつつも1年目以降も併用群の眼軸伸長量はオルソ単独群よりごくわずかに少ないので、効果低下後もアトロピンを併用していくことは全く無意味というわけではなさそう?

 

 まだまだ研究事例が少ないので妄想だけど、将来的には①オルソと低濃度アトロピンは(近視の進行が早いであろう)治療開始初期から積極的に併用することが望ましい,②治療開始から半年または1年経過後は0.01%より高濃度のアトロピンを使用しないと併用効果が得にくくなるかも、みたいな考察が出てくるのかなぁ?

 まぁそこら辺はLAMPの研究が完了してからさらに後の話となりそうなので、まとまった情報出てくるとしても5年以上は先になる予感。

 

 

 他には記事中でアトロピン点眼薬中の防腐剤の影響についても考察してるけど、こちらは事例数があまりにも少ないので個人的にはなんとも評価できないような。というかとりあえず防腐剤の影響かどうかは置いておいて、「2年間の研究で併用群の43人中の2人が角膜炎でオルソを中断した」というのは、やはりそれなりにトラブルは起きてもおかしくないということで理解した。

 一般的にハードコンタクトはソフトと違って防腐剤入っている目薬を使用しても問題は少ないというのが一派的な見解みたいだけど、夜中の寝る直前に付けるオルソレンズの場合は多少影響を受けやすくなるのかな。

 

 今子供が使っているのは防腐剤フリーの低濃度アトロピンなので多少は安心かもしれないが、こちらにも細菌増殖のリスクがある。改めてレンズのケアと目薬の取り扱いには気を付けたいと思った次第。うちの子はメガネをまだ作ってないので、オルソが装用できなくなると少々不便な事態に陥りそうだ。

 

 

 …以上、低濃度アトロピンとオルソ併用について半年〜1年目以降の効果減退と、防腐剤の長期間暴露リスクが少々気になったということをだらだらと書いた。

 ちょっと遠くの眼科まで自家調剤アトロピンをもらいにいくのが手間なので、近くの眼科でマイオピン買った方が楽なのかな〜と思ったことがあったが、長期使用の費用対効果とか防腐剤の懸念を考えるとまぁしばらくはこのままでも良いような気がする。