前回の続きになります。
摂政・関白に就任し、朝廷の中で権力を掌握するためには、天皇家との血縁が何よりも重視されたのですが、この常識が時代とともに変化していきます。
一体どういうことなのでしょうか❓
ということでした。
このことを考える前に、藤原道長が摂政に就任した期間が「たったの１年間」だった理由について考えてみたいと思います😊
結論から言えば、摂政という官職にこだわる必要がなかった、ということになります。
外戚としての地位が確立していたことを示しています。
摂政を辞しても、権力を掌握し続けることができる状況にあったということです。
藤原道長は「御堂（みどう）関白」という異名を持っています。
藤原道長が法成寺（ほうじょうじ：京都）という寺院を建立していることに由来しています。
ちなみに、藤原道長は「関白」には就任していません😅
この「御堂」にちなんで、藤原道長の子孫を「御堂流」と称しています。
そしてこの「御堂流」の子孫が代々、摂関の地位を独占していくことになるのです。
日本史の教科書には、「藤原道長は３０年にわたって、そして子の藤原頼通は５０年にわたって朝廷で権勢をふるい、摂関家の勢力は安定していた。」
と記述されています。
藤原道長・頼通父子は計８０年間にわたって、朝廷内における権力を独占することで、御堂流による朝廷支配を完成させたのです😲
この御堂流は途絶えることなく、現代にも受け継がれています。
第７９代内閣総理大臣に就任した細川護熙（ほそかわ もりひろ）元衆議院議員の母方の祖父は、戦前の日本で内閣総理大臣にも就任した近衛文麿（このえ ふみまろ）です。
藤原道長の子孫である「御堂流」はのちに５つの家にわかれます。
これが「五摂家」です。
この「五摂家」の筆頭の地位にあったのが近衛家で、この近衛家の血を引いているのが、細川護熙元衆議院議員なのです。
話が少しそれましたので、元に戻します😊
白河・鳥羽・後白河、この３人が上皇として権勢をふるった時代が院政期です。
白河天皇
┃子
堀河天皇
┃子
鳥羽天皇
┃子
後白河天皇
白河上皇の子である堀河天皇の没後、鳥羽天皇が即位するのですが、堀河天皇の妻である藤原苡子（ふじわらのいし）の兄公実（きんざね）は、鳥羽天皇の祖父である白河上皇に自らを摂政にするよう要求しています。
藤原公実の妹が堀河天皇と結婚し、子（鳥羽天皇）が天皇として即位しているのですから、公実は天皇の母方の親戚、つまり外戚の立場にあります。
外戚の立場にいる人間として、天皇の摂政就任を白河上皇に要求したのは、当然といえば当然なのかもしれません。
藤原公実の要求に対して、白河上皇は迷った結果、この要求を拒否しました。
調べてみると白河上皇が藤原公実の要求を拒否した理由は様々考えられるようですが、大切なのは要するに摂政・関白を輩出する家がすでに定まっていた、ということです。
藤原道長の子孫である「御堂流」のみが摂政・関白に就任することが許され、「御堂流」ではない家は摂政・関白を輩出することができない慣例となっていたのです❢
摂政・関白であっても天皇の外戚でなければ権力を掌握できなかった摂関期。
藤原道長の子孫「御堂流」が摂関家という家を確立し、例え天皇の外戚であっても摂関家出身でなければ摂政・関白に就任して権力を掌握できない院政期。
平安時代中期（摂関政治期）と末期（院政期）とでは、摂政・関白に就任できる条件が全く異なっていたのです。
今までお話した内容は、ある大学の入試問題に題材を得ていますが、時代の流れや変化を読み解くことは実に大切なことであると気づかされます。
やはり歴史は、小学生・中学生・高校生が学ぶ価値のあるものだと思います。
過去を学ぶことで、「今」を生きるヒントを見出すことが重要なのだと私は思います😊
みなさんは、どう思いますか❓❓