みなさんは、「執権政治」と呼ばれる政治体制を知っていますか😊

 

 

 

 

鎌倉幕府の政治体制を3期に区分した際の2番目の政治体制で、将軍独裁(親政)体制に次ぎ、得宗専制(とくそうせんせい)体制の前段階に位置しています。

 

 

 

 

ある大学の入試問題で、この「執権政治」確立に北条時政北条義時が果たした役割について論述させる出題がありました。

 

 

 

 

今回は、「執権政治」の歴史について深めてみたいと思います☻

 

 

 

 

 

まず北条氏についてですが、北条氏桓武平氏(かんむへいし)の流れをくむ伊豆国(現:静岡県)の武士です。

 

 

 

 

桓武平氏は、桓武天皇の皇子に姓を与えて臣下としたことに始まります。

 

 

 

 

つまり桓武天皇の子孫で姓を名乗った人々なのです。

 

 

 

 

 

ではなぜ「」なのでしょうか❓

 

 

 

 

様々な説があるようなのですが、桓武天皇が都とした「安京」にちなんで名づけられたとも言われています。

 

 

 

 

北条氏は、伊豆国田方郡北条の地名を名とした地方武士でした。

 

 

 

 

平時方(ときかた)の子である北条時政を祖とした北条氏は、伊豆に配流(はいる)された源頼朝の監視を命じられています。

 

 

 

 

監視を命じられた北条氏ではありましたが、源頼朝を保護し、北条時政の娘である北条政子源頼朝に嫁いだ関係から、鎌倉幕府成立当初よりその中枢に位置することになります。

 

 

 

 

 

極めて優秀な指導者とされた源頼朝が、1199(正治元)年正月に53歳で死去します。

 

 

 

 

原因は、死去する前年、相模川の橋供養の帰りに落馬したこととされていますが、詳細は不明のままです。

 

 

 

 

源頼朝の跡を継いだのは子の源頼家でしたが、18歳の将軍が源頼朝と同様に権力を持つことを、将軍を支える立場の御家人たちは歓迎していませんでした😓

 

 

 

 

こうして、源頼朝に従っていた有力御家人らによって訴訟(裁判)の裁決権を奪われた源頼家の活動は制限されていったのです。

 

 

 

 

北条時政らの有力御家人は、「13人の合議制」と呼ばれる話し合いによる政治運営を開始します。

 

 

 

 

この「13人の合議制」の構成員に、梶原景時(かじわら かげとき)という武士がいます。

 

 

 

 

弁舌巧みで京都的教養を持つ梶原景時は、源頼朝源頼家から厚い信任を受けていましたが、御家人66名から弾劾(だんがい:不正をはっきりさせて責任をとるように求めること)を受けて失脚(しっきゃく:地位や立場を失うこと)します。

 

 

 

 

そして、1200(正治2)年正月、梶原景時の一族は駿河国(現:静岡県)で武士による襲撃を受け滅んでしまうのです。

 

 

 

 

駿河国守護北条時政であり、彼の指令を受けて駿河国の武士が梶原景時を襲撃したものと考えられています。

 

 

 

 

北条時政は有力御家人の1人だった人物を排除することに成功したのです。

 

 

 

 

 

北条氏にとって大変に脅威な存在だった有力御家人はまだ存在していました。

 

 

 

 

それが、比企能員(ひき よしかず)です。

 

 

 

 

比企氏は、武蔵国(現:埼玉県)比企郡に領地を有した武士です。

 

 

 

 

比企氏の一族である比企尼(ひきのあま)が源頼朝乳母(めのと:母親に代わって子育てをする女性)であった関係で、比企氏源氏の関係には密接なものがありました。

 

 

 

 

この比企尼の娘は、源頼家乳母になっていますし、比企尼の甥(おい)でのちに養子となる比企能員の娘【若狭局(わかさのつぼね)】は源頼家の側室(そくしつ:正妻以外の女性)となり、一幡(いちまん)という子を産んでいます。

 

 

 

 

一幡は男の子👦であり、将軍源頼家の長男です。

 

 

 

 

一幡源頼家の跡を継いで将軍となった場合、一幡の母親である若狭局の父、比企能員外祖父(がいそふ:母方の祖父)として絶大なる権力を握ることになるのです。

 

 

 

 

こうした状況に北条氏はどのような手段をとるのでしょうか❓

 

 

 

 

北条時政にとって源頼家は、時政の娘である政子の子供です。

 

 

 

 

つまり北条時政源頼家外祖父にあたるわけです。

 

 

 

 

源頼朝の血をひく源氏を軸に、北条氏比企氏がともに外戚(がいせき:母方の親類)として権力を争う構図が出来ているのです。

 

 

 

 

 

この続きは、次回にしたいと思います😊