読者の皆様は、「明治維新」という言葉をご存知ですか❓
アメリカ東インド艦隊司令長官ペリーが軍艦4隻を率いて浦賀沖に現れたのが、1853(嘉永6)年。
全ての藩が廃止されて府県となった廃藩置県が断行されたのが、1871(明治4)年。
この20年間弱の時代は、明治維新という歴史用語で呼ばれています。
この明治維新期を授業で扱っていますと、必ず「中央官制」について触れることになります。
以前、ある大学の入試問題で、次のような問いに出会ったことがあります。
「版籍奉還(はんせきほうかん)に際して、太政官(だじょうかん)のもとに各省をおく組織が作られた。その時に設置された省で、現在までその名称が続いている省庁の名称を答えなさい。」
ちなみに版籍奉還とは、大久保利通らが画策して、1869(明治2)年、薩摩藩・長州藩・土佐藩・肥前藩の4藩主に、版(=土地)と籍(=人民)を天皇に返上させて、明治新政府が全国の支配権を手中におさめたことをいいます。
1885(明治18)年、内閣制度が制定されます。
この内閣制度でも、問いとされた省は同じ名称を引き継ぎます。
そして、内閣制度発足から126年…❕❕
2001(平成13)年1月、中央省庁の再編が行われました。
この時の内閣総理大臣は、森喜朗という方でした。
2001年の省庁再編では、701(大宝元)年に制定された「大宝律令」の時代からその名称があり、明治維新期・内閣制度においても同じ名称が使用された省の名称が変更されました。
結構、大きな出来事であったように思います😲
読者の皆様は、この省の名称を覚えていらっしゃいますか❓
答えは、「大蔵省」です。
現在の財務省と金融庁になります。
この大規模な省庁再編をくぐり抜け、明治維新以来、一度も名称を変更していない省庁がたった1つだけあるのです。
お分かりになりますか❓
答えは…「外務省」です❢
中央政府組織も、様々な政治判断から多様に変化しているのですが、名称の上で変化していない省庁を考える、というのもなかなか面白いと思います。
一見単なる暗記問題のようですが、授業を工夫すれば歴史を深めることができる、と私は考えております。