失楽園神話 | 歴史エッセイ集「今昔玉手箱」

歴史エッセイ集「今昔玉手箱」

本格的歴史エンターテイメント・エッセイ集。深くて渋い歴史的エピソード満載!! 意外性のショットガン!!

神が最初の人間アダムとイブを
つくった。しかし2人は悪魔である
蛇の誘惑に乗って禁断の木の実を
食べ、罰として楽園を追放されて
しまう。楽園に帰還するためには、
神に対して犯した罪を消すために
牛や羊を屠り、償いの生け贄として
捧げなければいけない。牧畜民である
ユダヤの伝統的宗教と言っていい
だろう。過越の祭の犠牲子羊は、
その年に生まれた子羊に限られた。
これが、ユダヤの救世主はあくまでも
犠牲の子羊でなければならない理由
だった。


失楽園神話はメソポタミア神話を
原型にして、さまざまなバリエー
ションがあるが、旧約聖書のエデン
の園が書かれたのはBC850年頃と
されている。ヨシュアがモーゼの
後継としてカナンの地に入った頃で
ある。カナンは乳と蜜の流れる沃野
であり、ペリシテ人やフェニキア人
などが農業と商業で高水準の生活を
営んでいた。宗教は地母神イシュタル
やバール神を信仰する多神教で、その
シンボルが蛇だった。ユダヤの流浪
牧畜民は、ジェリコの民を殺戮・破壊
し、唯一神ヤハウエ信仰を確立する
ために、蛇を悪魔に貶める必要が
あった。こうして蛇に属する「大地・
女・自然」は、最も忌むべき敵対勢力
となったのである。


キリスト教徒もこの思想を継承する。
パウロは霊であるキリストを善とし、
肉・地母神(堕落した自然)を悪とした。
人間は肉体という牢獄に閉じ込め
られた霊と定義された。キリスト教徒
は「この世は牢獄だ」という信念を
強めていった。実際のキリスト教世界
も牢獄であった。リーディングで前世は
欧米と言われた人の多くが、無意識の
中に、「この世は牢獄だ」という信念を
抱えている。


近代科学の基礎を築いたとされる
フランシス・ベーコンやデカルトなどの
思想家でさえ、堕落した自然・魔女で
ある地球という思想に変化はなかった。
欧米キリスト教文明の本質は、自然
からの徹底した搾取であり、それが
悪魔との戦いでもあった。かくして
ヨーロッパから森が消えていった。


神の子羊として預言の通り刑死した
イエスを神の子と信じる者は、
反キリストである悪魔と戦い続けな
ければならない。戦い続けていると、
最終戦争ハルマゲドンが起こり、
再臨のキリストによって最後の審判が
下され、神を信じる者は永遠の命を
得て、悪魔は地獄の業火に焼かれる。
というのが、キリスト教信仰の粗筋
だろう。だからキリスト教徒にとって
終末の兆候は、キリストの再臨を
知らせる「吉兆」なのだ。というより、
絶対に終末が必要なのである。


「1999年7の月」というノストラ
ダムスの大予言が全世界的にブームと
なり、世界が滅びるのではないかと
いう噂が乱れ飛んだ背景には、
キリスト教徒たちの「潜在的願望」と
実際の情報操作があったのは確かで
ある。


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