「デズモッド・モリス著/裸のサル(角川書店)」
動物行動学である。その第5章・闘い。動物は2つの理由
で闘う。
1・順位制のもとで自分の優位を確立するため
2・ある一定地域に自分のなわばりを確保するため
人間はなわばりの中で順位をつくり、両方の型の攻撃と
闘わなければならない。
作家・コリン・ウィルソンは「すべての戦争は縄張り
争いである」という。攘夷とは、日本民族のなわばり感情
である。帝国主義などの植民地侵略は、自己優位性の表現と
いえる。自己優位性という以上、そこには強者と弱者、
優勢と劣勢などの差別・選別・いじめが存在するという
事になる。
「うちの学校に限って、いじめはありません」とか
「いじめはあったかもしれないけれど自殺とは関係ない」
とか言っているおめでたい教育関係者にこそ学んでほしい
と願っている。
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