ワタシはあまり苦い食べ物は好きではない。
あと香草系や🐏🐐などが特に苦手だ。
ワタシが好きなのは蕎麦や天ぷらや酒である。

最近、実家に帰るたびに母が毎回必ず聞いてくることがある。それは、「ねえ、ふきを煮たんだけど要る?」だ。
いらないよ、と言ってもそんなことは聞こえてないのかそういう回答は関係ないのか、帰る頃になるともう容器やラップに包まれてあって「持っていきなさいね、美味しいんだから」と渡される。仕方なく持ち帰り夫の酒のツマミに出して食べてもらっていた。

母の日の今日も例外ではない、また包みが用意されていた。
夕方帰るとき、母は牛乳を切らしたから買いに行くと言って一緒に出たのだが、歩いている途中でじゃあここで、といいスーパーとは違う方へ向かおうとしている。どこへ行くのか?と聞くと近くの公園に蕗がたくさん生えており、こっそり採りに行くのだという。
ついて行くという申し出も断り、人数が多いと目立つから駄目だという。他の人には生えているスポットを知られないようにしたい、それは今まで見た蕗の中でもすごく色が綺麗で特別なの、と話す母。別れてから振り返ると、母は誰も知らない秘密の花園にでも向かうかのように楽しそうで少女のようだった。
だから今度行ったらまた蕗の煮物を断れないような気がする。初夏が過ぎるまで。