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赤ペ●残酷物語(1)

Reinaは某・大手通信添削講座の添削指導員をやっている。

高校生が自宅で取り組んで提出してきた教材を採点して、コメントを入れる仕事である。

結婚してすぐにこの仕事を始め、もう10年近くになるのだが。


ここ数年の答案量の減少は、ちょっとすごい。

高校生が自宅でぜんっっっぜん学習しなくなったことの反映か。はたまた少子化の影響か。

会社に返送される答案数がおそろしく減ってきているのだ。

5-6年前は「ちょっとキツいな」というぐらい忙しい時期があったのに、ここ数年めっきりそういうことがなくなった。Reinaの手元に届く答案は1週間あたりせいぜい5,6枚。


ところが今月に入ってから、突然たくさんの答案が届くようになった。

毎週20枚は必ず来る。ここ数年、ハイタイムと呼ばれる最繁期でも10枚ちょっとしか来たことがなかったから、この枚数の多さは驚異的だ。

すでに「添削の仕事は週に5,6枚しか来ないもの」だと決め込んだ上で生活設計してるから、思ってもみなかった忙しさに、このところてんてこ舞いしている。


なぜ、突然こんなに忙しくなったのか。

Reinaが思うに。


たぶん9月末をもって、大勢の添削指導員が辞めたからじゃないのかな。


これまで書類を使って行われていた会社からの連絡事項の伝達を、すべてオンラインに切り替えたい、という通達が会社からあったのは去年のことだったか。

添削指導員専用のサイトを開設し、必要な情報はWeb上でのみ公開する。

添削指導員は自分でパソコンとネット接続環境を用意し、専用サイトにこまめにアクセスできる条件を整えなければならない。


「ネット接続環境を有していることが、2005年10月以降も継続してお仕事を続けていただくための条件です」と、きわめて一方的に宣言されたのだ。


もちろんペーパーレス化が莫大な経費の節約になるってことはわかる。

全面的にオンライン化されるなら、業務上必要な情報の受け渡しに、ネット環境は必要だ。それはわかる。

だけど会社にとってのみメリットが大きくて、うちら添削指導員にとってなんにも良いことのない今回の変更。しかも一方的で有無を言わせないやり口。

ていのいいリストラなんじゃないの、という感はぬぐえない。


というのは、添削講座の会員数は減少の一途をたどっているのに、添削指導員の数は(たぶん)ほとんどと言っていいほど減らないからだ。

添削指導員のほとんどは主婦。(昔は大学生もいたけど、前回の体制変更の際にばっさりと切り捨てられた)

“空いた時間を利用して自宅でできる仕事”、“キレイで知的な仕事”。

主婦にとってはこの上ない好条件だ。辞める人なんて、ほとんどいない。


答案量が減ってきているのに、大勢の添削指導員を抱えていることは、会社にとってデメリットが大きいのだ。というのは会社と指導員との間の答案の受け渡しは宅配便で行われていて、その費用は会社が負担しているからだ。ほんの5,6枚の答案を大勢の人間に送るために多額の配送料を払わなければならないなんて、馬鹿げた話だ。それなら指導員の数を減らして、ちょっと多目の答案を送るようにすれば、配送料が節約できる。


そんなこんなが、今回の制度変更の裏にあるのかなー。


月わずかにしかならない添削の仕事を続けるために、数万円も払ってパソコンを買い、プロバイダと契約してネット環境を整えるなんて、大変なことだ。

たとえ家にパソコンがあったとしても、なんとなく苦手意識があって手を出せずにいる、という人だって少なくないだろう。

そんな人たちが、かなり大勢、仕事をあきらめることを選んだんじゃないかな。



あまりいい会社とは思えない。特にここ2,3年の迷走ぶりはひどい。

Reinaもそろそろ見切りつけ時かな。