革ジャンの修理(Schott618) | ReiLeatherブログ

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革に込める想い

革ジャンの修理を依頼されました。

Schottの618です。

 

 

ダブルの革ジャンの中ではスタンダードな形でとても人気の有るモデルですね。
私もほぼ同じ118というモデルを所有しています。

 

 

618と118の一番の違いは革に有ります。

618がステアハイド、118がカウハイドです。
私の所有する118は618に比べて若干柔らかいモデルです。

購入して既に30年以上経過していますが、なんとか着られる体型を維持しています。

 

さて、御客様の618ですが、袖のファスナーが壊れています。

ムシが幾つか外れてしまっている状態です。

 

 

 

この部分が破損している為に袖口が開きっぱなしになってしまい非常に寒い思いをされているとの事でした。

勿論、ファスナーの交換も可能なのですが、うちにはミシンが無いため袖口を分解して裏地と分離し、ファスナーを交換して再び手縫いで縫い上げるとなると結構な時間が掛かり費用も嵩みます。

そこで私から提案させて頂いたのはベルト状のパーツを設けてホック止めにしませんか?という方法でした。

裏地をばらさずに直接縫い付ける方法であれば時間も掛からず費用も抑える事が可能になります。

その案に同意して頂いたので今回着手した次第です。

 

と言ってもうちで通常扱っている黒い革、例えばアリゾナやブルガロをただ縫って合わせるだけでは余りにも質感が異なり違和感が出てしまいます。

そこで10年振り位に自分で染色した革を使う事にしました。

使用したのは国産のタンローです。

 

 

黒の単色ではなく茶系を含めて4色を塗り重ねました。

以前は良く染色していたのですが、当時はピンクやスカイブルー、ライトグリーンといった明るい色のタンニン鞣し革が入手し辛かったので自ら染めるしかありませんでした。

現在は多くの色が市場に揃っているので積極的に革を染める事は有りませが、御客様から御依頼が有れば喜んで染色します。

 

染色を数回繰り返した状態です。

 

切り出して表と裏を貼り合わせたらダメージ加工を施します。

革ジャンになるべく質感を合わせるためです。

良い感じにヤレた状態を表現出来ました。

 

ホックもそのまま使用するとあまりにも輝きが強いのでダメージ加工を施します。

革ジャンに使われているホックになるべく近づけました。

二つ並んでいるホックの左が加工後、右が加工前の状態です。

 

ダメージ感を織り込みましたが、この部分のパーツだけは手縫いで切り目磨き仕上げという存在感を狙いました。

さりげないカスタムであるという主張です。

ベルトのデザインは肩のエポレットに寄せて統一感を出せるようにしています。

 

革ジャンに装着した状態です。

 

 

 

 

他にも修理が必要な場所が有りますが、今回は取りあえずここだけでした。

着用して頂くうちにもっとこなれて馴染んでくると思います。

この度は御依頼頂き有難う御座いました。

 

革ジャンや革パンツ等でお困りの方は一度御相談下さい。

私自身もバイク乗りですので御予算に応じてツボを押さえたカスタムやリペアを御提案させて頂きます。

 

最後に、撮影していたらアピールしてきたこまちです。

すまし顔でポーズを取っていました。

 

現在オーダー品の納期は4~6週間程度です。

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