はっきりとした年月は覚えてませんが、ある日先生から、
『ジャンプしてみて』
と言われ、ジャンプを試みるも飛べませんでした。
ショックでした。
何度か挑戦していくうちに、数センチだけ出来るようになりました。
筋トレばかりしていたので、自分が倒れる前には出来ていたジャンプが出来なくなっているのに愕然としました。
普通の人との違いに、改めて気づいたのです。
すっかり普通に歩けてると思っていたのに。
ジャンプはジョギングへのステップだったことを後で知ることに。
何度もジャンプの練習をしたあと、ウォーキングの途中、真っ直ぐな道で、突然、
『走ってみて。』
との指示。
麻痺があるとジャンプも難しいのです。
ましてや、ジョギング❓
指示通り、走ってみると走れていたのです。
端から見るとどういう風なジョギングになっているのか分からなかったから、スマホで録画をしてくれたのでチェックをしました。
走れてる‼
不恰好だけど。
脳出血から左麻痺。
そこから杖をとり、ウォーキングで歩き方を練習し、筋トレを毎日続けた結果のジョギング。
亀のような歩みだったけれど、小さい努力の積み重ねは大きな成果を得ると実感した出来事でした。
その後、夫と丹沢で登山にも行って、頂上の神社まで登ったという報告に感慨無量の先生の顔が嬉しかったです☺
イチロー語録のなかに、
〈夢をつかむというのは、一気にはできません。ちいさなことをつみかさねることで、いつの日か、信じられないような力を出せるようになってきます。
自分の体でたいへんな苦労をした方にはかないません。〉
という語録が頭を過りました。
誰が、脳出血を起こした人間がジョギングまで出来るようになると想像出来たでしょうか⁉
医学界の常識では、6ヶ月の壁といって麻痺は6ヶ月を過ぎるとそれ以上良くなることはないと言われています。
もし、医師のいう通り6ヶ月で諦めていたら、今日の自分は居ないでしょう。
人間の回復力は未知の可能性を秘めています。
諦めない心が大事なことだと改めて思います。