岩手県安比市に名門Harrowがいよいよ来月開校する。

Harrowといえば、英ロンドン郊外にあるパブリック・スクール※で
450年の歴史を誇り、
英国の名門私立校グループ「ザ・ナイン」※の一角をなす伝統校だ。
卒業生には、ウィンストン・チャーチル元英首相や
ジャワハルラール・ネルー初代インド首相などが居り、
世界的な指導者を輩出している。


パブリック・スクール※とは、
公立学校の意味ではなく、親や出自に関係なくとも入学できる開かれた主旨の学校で、
実態は私立学校。この門戸が開かれているというのが特徴。華族・皇族でしか入れない学校はなり得ない。
 

ザ・ナイン」※とは、
Westminster School , Winchester College , Eton College, Harrow School, Rugby School, 
Merchant Taylors' School、St Paul's School、Shrewsbury School、Charterhouse School

 

日本でのインター校は、
従来、英語等日本語以外の母国語を第一言語とする国が

日本に居住する自国民の為に設立した学校が主体であった。

 

しかし、ISAK -International School of Asia Karuizawa-が

2014に軽井沢にできて以降、民間資本が主体となった開設が続いている。


資本において、和製インター校が目立つが、

今回のHarrowは(「ハロウ安比」と表現させていただく)外資系インター校だ。

 

殊、学校や教育に関しては、あまりに多くの利害関係者が存在し、
私自身も友人・家族の出身・就学・考え方が

それぞれ異なることを強く認識している。
当該コメントは、私個人の見解であり、

特定の人物・団体など
に対する配慮もしくは意見をするものではない点を

明確にさせていただきたい。

 

まず、この「ハロウ安比」の資本は、

和製ではないものの驚くべきことに1527年に創立した本家英国製ではない

 

中国資本のAsia International School Limitedの

香港子会社Harrow International Management Service Limited

通称HIMSの資本である。

 

アルファベットの並びだけ見れば、

王立海軍Royal NavyのHMS(Her/His Majesty Ship)

の様だが、全く異なる。

 

ハロウ安比」は、

Harrowが1998年に初めてタイ王国バンコクに提携して

語学学校としてのハロウバンコクに端を発する。

 

以降、提携相手であるハロウはバンコクを起点に

増殖を繰り返し香港を含む中国本土まで合計9校を展開するに至った。

 

安比への進出は、随分前から計画されていたものの、

本年2022年には中国本土において

中国籍の生徒が通う場合は、

①グローバルやインターナショナルなどの名称禁止、

②共産党教育の実施が義務化され、

少なくとも中国本土の8校舎は、「ハロウ」を名乗れなくなってしまった。

 

偶然にも本年8月より「ハロウ安比」が開校することで、
中国から生徒を中心に生徒数を確保できているようだ。

 

中国本土の友人曰く、
将来稀少な経験をしたものが優遇されるはずなので

時差が少なく、本場Harlowに比べれば圧倒的に入りやすい

ハロウ安比」は極めて人気が高い

とのことだ。

 

外国からのインター校の進出は今後も継続すると思われ

2023年9月には東京都小平市にMalvern College Tokyo
https://www.malverncollegetokyo.jp/ja

ラグビー校ジャパン

https://www.clarenceeducation.asia

が予定されている。

 

安心と安全というインフラが、

世界でも稀有なことに
全土において

無料で提供されている日本をぜひ味わってほしいものだ。

 

願わくば、滞在中に

全人教育である「財産、権力、社会的地位の保持には義務が伴う」ということを

是非修めていただきたい。

 

その前提には、

「何よりもまず、害をなすなかれ」を

基盤にしてもらえると嬉しいが

希望的観測すぎるだろうか・・・

 

アーメン。