===> オイラー 角 回転 行列 <=== 最終更新: 2019年12月31日 物体を座標系とともに z 軸、y 軸、z 軸まわりの順にそれぞれ角度 ϕ、θ、ψ だけ回転させたときに、物体の位置の変換を表す回転行列は、と表される。 3つの角度 ϕ、θ、ψ をオイラー角と呼ぶ。  解説   座標系 C をデカルト座標系とし、それぞれの座標軸を x,y,z と表す。また、それぞれの座標軸を向いた単位ベクトルを{ex,ey,ez} とすると、これらは正規直交基底を成す。 ある物体の位置 r が座標系 C の正規直交基底 によって、以下のように表されている。この物体を次の順序で回転させる。(1)   z 軸回転: 物体を座標系 C の z 軸まわりに角度 ϕ だけ回転させる。このとき、物体だけでなく座標系 C も同様に回転させ、新しい座標系 C′ を定義する。 よって、回転後の座標系 C′ は座標系 C を z 軸まわりに角度 ϕ だけ回転させて得られる座標系であり、座標軸を x′, y′, z′ と表すことにする (下図)。座標系 C (点線) と C′ (オレンジ)C′ のそれぞれの座標軸を向く単位ベクトルを {ex′,ey′,ez′} とすると、これらは正規直交基底を成す。 物体と座標系が同様に回転するので、回転後における座標系 C′ と 位置 r′ の間の相対位置関係は、回転前における座標系 C と 位置 r の間の相対位置関係と変わらない(下図)。従って、回転後の物体の位置 r′ を座標系 C′ によって表すと、回転前の物体の位置 r を座標系 C で表したとき(上の式)と同じ座標値を持つ。 すなわち、r′ はと表される。z 軸の真上から見た図。回転後の座標系 C′ と位置 r′ の間の相対位置関係は、回転前の座標系 C と位置 r の間の相対位置関係と変わらない。また、回転後の正規直交基底 {ex′,ey′,ez′} は、回転前の正規直交基底 {ex,ey,ez} によって、と表される。(2)   y 軸回転: 物体を座標系 C′ の y′ 軸まわりに角度 θ だけ回転させる。このとき、物体だけでなく座標系 C′ も同様に回転させ、新しい座標系 C″ を定義する。 よって、回転後の座標系 C″ は座標系 C′ を y 軸まわりに角度 θ だけ回転させて得られる座標系であり、座標軸を x″, y″, z″ と表すことにする (下図)。座標系 C と C′ (点線) と C″ (オレンジ)C″ のそれぞれの座標軸を向く単位ベクトルを {ex″,ey″,ez″} とすると、これらは正規直交基底を成す。 物体と座標系が同様に回転するので、回転後における座標系 C″ と 位置 r″ の間の相対位置関係は、回転前における座標系 C′ と 位置 r′ の間の相対位置関係と変わらない(下図)。従って、回転後の物体の位置 r″ を座標系 C″ によって表すと、回転前の物体の位置 r′ を座標系 C′ で表したとき(上の式)と同じ座標値を持つ。 すなわち、r″ はと表される。y′ 軸の真上から見た図。回転後の座標系 C″ と位置 r″ の間の相対位置関係は、回転前の座標系 C′ と位置 r′ の間の相対位置関係と変わらない。また、回転後の正規直交基底 {ex″,ey″,ez″} は、回転前の正規直交基底 {ex′,ey′,ez′} によって、と表される。(3)   z 軸回転: 最後に物体を座標系 C″ の z″ 軸まわりに角度 ψ だけ回転させる。このとき、物体だけでなく座標系 C″ も同様に回転させ、新しい座標系 C‴ を定義する。 よって、回転後の座標系 C‴ は座標系 C″ を z 軸まわりに角度 ψ だけ回転させて得られる座標系であり、座標軸を x‴, y‴, z‴ と表すことにする (下図)。座標系 C と C′ と C″ (点線) と C‴ (オレンジ)C‴ のそれぞれの座標軸を向く単位ベクトルを {ex‴,ey‴,ez‴} とすると、これらは正規直交基底を成す。 回転後の物体の位置を r‴ とし、回転後の座標系 C‴ の正規直交基底を {ex‴,ey‴,ez‴} と表す。 物体と座標系が同様に回転するので、回転後における座標系 C‴ と 位置 r‴ の間の相対位置関係は、回転前における座標系 C″ と 位置 r″ の間の相対位置関係と変わらない(下図)。従って、回転後の物体の位置 r‴ を座標系 C‴ によって表すと、回転前の物体の位置 r″ を座標系 C″ で表したとき(上の式)と同じ座標値を持つ。 すなわち、r″ はと表される。y′ 軸の真上から見た図。回転後の座標系 C″ と位置 r″ の間の相対位置関係は、回転前の座標系 C′ と位置 r′ の間の相対位置関係と変わらない。また、回転後の正規直交基底 {ex″,ey″,ez″} は、回転前の正規直交基底 {ex′,ey′,ez′} によって、と表される。 以上の 3 つの回転の結果として現れた正規直交基底 {ex‴,ey‴,ez‴} は、基底間の関係(∗) (∗∗) (∗∗∗) を用いると、最初の正規直交基底 {ex,ey,ez} によってと表すことができる。これらより、3つの回転後の物体の位置 r‴ は、と表される。 ここで3つの回転後の物体の位置 r‴ をと表すと、これが(∗4) と等しいことから、の関係があることが分かる。この関係を行列によって表すと、である。 rx‴,ry‴,rz‴は、3 つの回転後の物体の位置であり、一方、rx,ry,rzは物体の初期位置を座標値である。従って、上の変換式は、3 つの回転後の物体の位置が初期位置に対して回転行列を作用することによって得られることを表している。  3つの回転角 ϕ,θ,ψ をオイラー角という。