積み重ね。
小さなことからコツコツと。
昭和29年生まれの同居人(夫または配偶者、亭主とも言う)は、暗黙の了解が分からない。
仕方ないのよ?自閉クンなんだから。
今月の始め高校の同窓会があった…らしい。
(出かける時に家の者に一声かける習慣がない家庭に育ったようで、何をするにも自分の行動を伝えることは皆無)
たまたま同居人が出かけるときに、アタシが玄関の前を通り掛かったので訊いてみた。
「どちらへ?」
どちらって何が?
そうそう!
自分がしている行動が、周囲にどんなメッセージを与えているか見当もつかない人だったな…
「あなたはこれからどちらへお出かけですか?」
うん
「あなたが出かける目的は何ですか?」
一分ほどたってから…
同窓会
「ほう!同窓会ですか?じゃ、今夜は夕食いりませんよね?いってらっしゃーい!」
日曜日だったので、息子がアタシに訊いてきた。
「大丈夫ですかね…?(笑)」
えっ?なんで?
「友達…いますかね?(笑)」
3時間ほど経って同居人は帰ってきた。
まだ、午後5時だ。
「あれ?早かったですね?久しぶりに会ったご友人たちとワイワイは?」
…?
「夕食…ないんですけど…?」
なんで…?
息子がニヤニヤ笑いで訪ねる。
「同窓会って内容は?」
あぁ、今日は活動報告。
「…で?」
…で?って何だ!
「71歳の同窓会なら、お前、まだ元気だったか?!良かった!良かった!だよね?」
なんだそれ?
そんなもんはない。活動報告だから。
「じゃ、その報告が終わった後、他の人達にはどうしたの?」
あぁ、みんな帰る方向が同じみたいで、駅のほうに向かって歩いていったな。オレは方向が違うから、そのまま帰ってきた。
アタシと息子は顔を見合わせて苦笑。
71歳の同窓会。
これから何回会えるか分からない。昔の思い出話も何度できるか分からない。活動報告なんて建前で、その後の食事会や飲み会が本当の目的なはずだ。
息子が、同窓会の意味を丁寧に説明すると…
えっ?!違うだろ!を連発。
アタシは言ってみた。
「同窓会の前にメールやSNSで、仲のいい者同士が打ち合わ済みなんですよ。どこで飲もうとか、誰かがレストランを予約しておくとか。それが楽しいんですよ、若い時からの友達どうしなんだから!」
息子も続ける。
「活動報告って何分くらい?」
うーん…15分くらいだったな…
「それだけで何人くらい集まったの?」
40人くらいか…?
「アッハッハ!」
えっ…?そうなのか?!同窓会はそういうことなのか?!…へっ!なんだ!…そうなのか?!…へぇ…
たぶん同居人は同窓会で、誰とも話さず、誰からも誘われず、報告に耳を傾け納得して帰ってきたのだろう。
(そうか!それで白髪染めしたのか?!)
ちょっと不思議そうな顔をしながら自室へ行った同居人の後ろ姿を見ながら、アタシと息子は声を出さずに大笑い。
むすこが呟いた。
「今まで、誰も説明してくれなかったんどろうなぁ…かわいそうになぁ…」
自閉クンの行動の特徴を聞いていると、自分の行動を周りに報告したり話したりすることが少ないまたは全くないってことが多くある。
でも、家族や理解者にはたまにでも言ってみたほうがいいと思いますよ?
その行動を否定されるからとか、笑われるからとか、恥ずかしいからとかではなく、暗黙の了解に気づくキッカケになることあると思うんですよ?
暗黙の了解ってめんどうくさいですけど、知ってると便利ってこともあるんですから…。
さらに当たり前のことを説明しくれる人ってなかなかいないものですからね!
さいなら!