八雲で仕事を終え、今度は江差町に移動です。
江差町といえば、800有余年の歴史があり、北海道文化発祥の地といわれている町です。
江戸時代からニシン漁とニシンの取引で繁栄を築いたこの町のご当地グルメといえばやっぱり、ニシン。
ホテルに置いてあった「江差ぐるめマップ」を見ると、にしん丼やにしんそばが食べられる店がたくさん載っていました。
その中の一軒、この店もにしんそばのおいしいお店として紹介されていました。
歴史の香り漂う街並みに整備された「いにしえ街道」を歩くと、この店があります。
店は、明治後期に建てられた土蔵を改装したもので、天井が高く、趣があります。
さて、僕は同僚と二人で、奥の小上がり席に座り、メニューを見ますが、もちろん「にしんそば」で確定です。
僕らは、注文をとりにきた店員に、声をそろえて、「にしんそば、二つ」と注文します。
すると、店員は申し訳なさそうな表情で、
「申し訳ございません。今日は、にしんが切れていまして・・・。」とのこと。
そうですか、それは残念。
僕らはすぐに気を取り直して、これを注文。
写真に納まりきらない、大きなえび天は食べ応え十分です。
手打ちのそばは、しっかりとコシがあり、ツユもちょうどいい味わいです。
にしんそばが食べられなかったのは少し残念ですが、このそばも十分旨いそばでした。
なぜ、にしんが切れていたのか分かりませんが、おそらく地元の人は、そんなに、にしんそばを食べないんだと思います。
食べるのは、僕らのような出張者や観光客なので、観光シーズンではないこの時期には、にしんを切らしている日もあって当然かもしれません。
僕らが食べ終わって、席を立とうとすると、少し離れた席から、「申し訳ございません。」という声が聞こえてきました。
さっきの店員の声です。
その席のお客さんは、やはり僕らのような、いかにも出張で来ているようなサラリーマンでした。
僕は、心の中で、「にしんそばじゃなくても十分美味しかったですよ。」と呟いて、会計へ向かいました。
ちなみに、この日の夜、僕らは江差の居酒屋で、酒の肴に、にしん料理をいただいたということは言うまでもありません。
そば蔵 やまげん 檜山郡江差町中歌町70-1