私も北米在住期間が長かったのですが、まず、異言語及び異文化間のギャップを埋めるには、移民して三世代はかかると言われています。ですから、移民した世代を日系一世とすれば、完全に北米の人間になりきるのは日系三世ということになります。
 
ですから、日本の職場で貴女と外国人上司との間に「気配りの深度であったり、プライベートの関わり方への考え、小さなところでは笑いのセンスなど」に関する感覚に違いがあるのは当然です。ところが、全体的に同質的な日本社会に住んでいると、違いがあることが異常に思え、違いを完全になくそうと努力します。しかしながら、これは世界の現実からはかけ離れています(世界には多民族・多文化国家の方が多い)。
 
次に、言語ですが、微妙な意味の違いは辞書からは読み取れません。ある英単語の意味を的確に表現する日本語の意味が存在しない場合があります。この場合、無理にその英単語を日本語訳すると不正確な意味になります。例えば、「大学受験浪人」又は「浪人」といえば、日本では直に意味が通じます。ところが、これを英訳すると、“a high-school graduate who has failed to enter a college and is waiting for another chance”となります。学校制度や文化的背景の違いから、英米には「浪人」を一語で的確に表現する単語がないからです。
 
そこで、貴女と外国人上司との間の差異を完全に埋めようと努力するよりもむしろ、違いはあって当然であると認め、お互いの違いを尊重しながら、協調して職場で働くことが賢明であると考えます。もっとも、日本の職場である以上は、その外国人上司が従うべき日本の習慣や法律があります。ですから、その外国人上司が従うべき日本の習慣や法律があることを気づかせてあげることも必要であると思います。