以下のウェブサイトを参照してください。
ノーベル賞受賞者略歴(1)(http://blogs.yahoo.co.jp/marvellous157/16854677.html
ノーベル賞受賞者略歴(2)(http://blogs.yahoo.co.jp/marvellous157/16854686.html
ノーベル賞受賞者略歴(3)(http://blogs.yahoo.co.jp/marvellous157/16854691.html
ノーベル賞受賞者略歴(4)(http://blogs.yahoo.co.jp/marvellous157/16854704.html)
国別ノーベル賞受賞者数(http://blogs.yahoo.co.jp/marvellous157/16862333.html
 
(注釈)
ノーベル賞受賞者の略歴を考察すると幾つかの明確な特徴を認めることができます。(1)日本人ノーベル賞受賞者の出身大学は、国立大学のみで私立大学は1つもないこと、及び在籍大学・大学院及び在籍研究機関に関しても私立大学との関係は極めて希薄なこと。ちなみに、ノーベル文学賞及び平和賞を含めて、2000年に東京工業大学出身の白川英樹氏がノーベル化学賞を受賞するまでは、京都大学及び東京大学出身者以外のノーベル賞受賞者は皆無でした。(2)ノーベル文学賞及び平和賞受賞者を除けば、日本人ノーベル賞受賞者は、欧米の世界的に認知されている大学・大学院に在籍するか、欧米の世界的に認知されている研究機関に相当期間に渡り在籍又は所属していたか、欧米の学会で研究成果が認められ権威のある賞を受賞するかのいずれかの要素、あるいは複数の要素を満たしていたこと(圧倒的に米国関係が多い)。ちなみに、日本初のノーベル賞受賞者で1949年にノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹氏は、1948年米国プリンストン高等研究所客員教授、1949年米国コロンビア大学客員教授でした(ノーベル賞受賞年に米国の最優秀な大学の教授だったことは偶然とは思えない)。また、今年(2012年)のノーベル医学生理学賞受賞者である山中伸弥教授は、1993年から数年間と2007年にカリフォルニア大学サンフランシスコ校グラッドストーン研究所博士研究員及び同上級研究員でした。(3)研究論文は、英語で発表されなければ、世界の権威ある学者や研究機関に認知されないこと。これはノーベル文学賞受賞者も例外ではなく、かれらの文学作品は英訳され世界に普及しています。ちなみに、ノーベル物理学賞受賞者である益川敏英氏は、外国語が不得手なので英語で発表する論文もミススペリングが多かったと言われていますが、それでも論文は英語で発表せざるを得なかったと言われています(一説には、益川氏は研究発表に必要な場合には大学院生に不得手な英語を手伝ってもらっていたとのことです)。
       
以上のことを考察すると、ノーベル賞受賞者が受賞のために満たさなければならない重要な要素を推定できます。まず、ノーベル賞受賞者の選考は「物理学賞」、「化学賞」、「経済学賞」についてはスウェーデン王立科学アカデミーが、「医学生理学賞」はカロリンスカ研究所が、「平和賞」はノルウェー・ノーベル委員会が、「文学賞」はスウェーデン・アカデミーがそれぞれ行っています。しかしながら、同選考は、世界中にいる過去のノーベル賞受賞者及び有名な研究者の推薦に基づいています(一説には3000名以上)。過去のノーベル賞の国別受賞者は、2008年までに米国が302、英国が106、カナダが11、南アフリカが7、オーストラリアが6ですから、302+106+11+7+6=432、432/816=ノーベル賞受賞者総数の約53%が英語圏国籍です。したがって、推薦者も約53%は英語圏国籍であり、世界中の権威ある研究者も英語で論文を発表し権威ある研究者たちにとって事実上英語が公用語となっていることから、研究者がノーベル賞を受賞するには、英語で研究論文を発表することが重要な要素となっています(英語の学術用語の蓄積が最も多い)。そこで、日本人ノーベル賞受賞者も、例外なく、米国または英国の大学・大学院あるいは権威ある研究機関で研究実績を残し、英国又は米国の権威ある賞を受賞し、英国又は米国の学会及び推薦者に認知された後に受賞を果たしています。
       
次に、ノーベル賞受賞には、純粋に学術的な要素だけではなく政治的影響力も関係していると言われています。第二次大戦以前は、ヨーロッパ、特に英国及びドイツのノーベル賞受賞者が最も多かったですが、ナチス・ドイツが崩壊し政治学上覇権が英国から米国に移ったと言われる1945年以降は、米国のノーベル賞受賞者が画期的に増加します。これには幾つかの理由があると思われますが、1つは、米国の世界各国に対する政治的影響力の増大があると考えられます。もう1つには、ナチス・ドイツやソビエト連邦の支配圏内からの多数の優秀な科学者が米国へ亡命したことが挙げられます。従来から移民政策を採る米国は、世界中の優秀な科学者や研究者を移民や亡命を介して吸収してきました。
       
ところで、1説には、湯川秀樹氏のノーベル物理学賞受賞も、佐藤栄作氏のノーベル賞受賞も、2000年に東京工業大学出身の白川英樹氏がノーベル化学賞を受賞するまでは京都大学及び東京大学出身者以外のノーベル賞受賞者が皆無だったのも、当時ソビエト連邦と冷戦状態にあった米国が日本を対共産圏の陣営として強化するために政治的影響力を駆使した結果だとも言われています。ちなみに、湯川秀樹氏がノーベル物理学賞を受賞した1949年は中国共産党が勝利し冷戦がグローバル化した年であり、佐藤栄作氏がノーベル平和賞を受賞したのは米国のベトナム戦遂行を支持する政策を採ったからだとも言われ、利根川進氏がノーベル医学生理学賞を受賞した1987年と白川英樹氏がノーベル化学賞を受賞した2000年の間には冷戦が終結しました(冷戦上の日本の立場に画期的な変化があった)。
       
最後に、米国の大学・大学院及び権威ある研究機関は研究資金が潤沢にあり研究施設も充実しており窮屈な人間関係に縛られないのに対して、日本の大学・大学院(特に私立大学)及び研究機関は研究資金が不足しており研究施設も不十分であり先輩後輩や師弟関係のような窮屈な人間関係に縛られ新進の画期的な研究の妨げになる(先輩や師の研究と対立する研究は困難、日本人お得意のいわゆる「人の和」の弊害)と言われています。これでは日本の優秀な頭脳が海外、特に米国に流出する最大の原因になっていると言われています(ある統計によれば、ハーバード大学の寄付基金は2008年6月末で369億ドル(約3.5兆円)、一方、2004年開設の東京大学基金が2009年3月末で200億円弱、多いといわれる慶應義塾大学でも基金総額は約400億円, また、日本の教育機関に対する公財政支出の対GDP比は、2008年には3.3%。OECD加盟国31か国中最下位でした「図表で見る教育2008年度版」)。なお、以上の現実からすれば、「日本人に英語は必要ない」という方々は、全く問題外であるということがわかります。ちなみに、収集された情報によれば、日本の大学教授、特に文科系の大学教授の大半がまともな英語論文も英文レポートも書けないというのは必ずしも嘘とは思えません