【1】膝と股関節の使い方の違い:階段の上り動作
登りの動作では、「膝重心」か「股関節重心」かによって、体への負担や動きの質が大きく変わります。
膝重心の場合:段差を登るときに「膝のお皿がグッと沈み込む」感覚があります。この時、骨盤の位置は足に対して後ろすぎたり、逆に前に出すぎたりする傾向があります。どちらも膝関節に過剰な負荷がかかり、結果的に痛みや疲労の原因になります。
股関節重心の場合:膝が沈むような動きは見られません。体を支えているのは膝ではなく、股関節に重心が乗っている状態です。このとき骨盤は自然な前傾を保ち、動きもスムーズで安定しています。
この違いを体感するには、実際に段差や階段で試してみると分かりやすいです。「膝が曲がってグッと沈むか」「膝が沈まずにスッと登れるか」が判断基準になります。
【2】膝と股関節の違い:階段の下り動作
階段を下るときも、重心の位置で大きな違いが出ます。
膝重心だと、段差を降りるたびに「膝がグッと沈み込む」ような動きになります。この状態では体重が膝に集中してかかってしまうため、痛みや関節の故障を引き起こすリスクがあります。
反対に、股関節重心では膝がほとんど沈みません。体の重さはしっかりと股関節で支えられているため、膝関節が必要以上に動かず、安定した重心移動が可能になります。
ポイントは、体の上半身をほんの少し前傾させる意識を持つこと。膝を過剰に曲げるのではなく、股関節から「体を折る」感覚で下ることで、膝の負担を大幅に軽減できます。
【3】膝と股関節の動き方の根本的な違い
膝は「伸びる・曲がる」という単純な関節ですが、股関節は「回す・折る・前傾する」など多方向に動かせる自由度の高い関節です。
そのため、膝で体を支えようとするとすぐに限界がきて、負担が一点に集中してしまいます。逆に、股関節を使うことで全身のバランスを取りやすく、足だけに負担がかかりにくくなります。
また、股関節重心にすることで骨盤が自然な前傾を保てるようになり、姿勢全体が整っていきます。骨盤の角度、背骨のライン、重心の位置などが整うことで、体が「土台から安定」します。
【4】股関節重心のメリットと効果
正しい股関節重心ができると、以下のような効果が得られます:
膝や足首、筋肉への負担が激減し、痛みや不調が根本から解消されやすくなる
骨盤前傾による体幹安定で、深い呼吸が可能に
胸郭が広がり、肺や横隔膜がしっかり働く
呼吸の質が上がり、代謝や睡眠の質も向上
自然と痩せる体質に近づく可能性(エネルギー効率の改善、代謝アップ)
スポーツ動作や日常の動きも安定し、パフォーマンスが上がる
股関節の安定性が全身の動きに好影響を与える
これらの効果は、意識的に行うのではなく、「立ち方」と「重心の取り方」が整えば、自然と体に備わります。結果として、「疲れにくく、動きやすく、体に負担がかからない体」へと変わっていきます。
【5】膝重心のリスクと姿勢の崩れ
逆に、膝重心のままで生活していると、以下のような悪影響があります:
膝、腰、足首などに慢性的な痛みが生じやすい
姿勢が前のめりまたは猫背になりやすく、呼吸が浅くなる
→ 酸素供給が落ち、慢性的な疲労や代謝低下につながる可能性
肩が上がりやすく、首こり・肩こりの原因、さらには背中や腰への負担増加につながる
重力に逆らった姿勢をとり続けることで、体全体が疲れやすく、日常動作でも「無駄な力み」がクセになる
つまり、多くの人が無意識にこの「膝に乗った立ち方・歩き方」をしています。特に子供のころはできていた動きが、大人になると教育や生活習慣により崩れてしまっているのです。
【6】まず始めるべき実践方法:あなたがおすすめする基本アプローチ
股関節重心を身につけるためのファーストステップとして、以下の方法が効果的です。
バランスボードに乗る
→ 重心の位置を体で感じる練習ができます。立ち方・姿勢を「感覚」で捉えるのが目的です。
腸腰筋を動かす体操
→ 胴体、特に背骨まわり・骨盤まわりの筋肉をほぐすことで、骨格のバランスを整え、可動性を取り戻します。これは体を「固めず、柔らかく保つ」ための土台作り。
内転筋トレーニング(ペットボトル挟みなど)
→ 膝が開かない、ブレない体を作る基礎トレーニング。膝と股関節のバランスを整え、立ち姿勢や歩きが安定するようになります。
このようなアプローチを継続することで、徐々に「股関節重心」が体に染みつき、無意識のうちに正しい姿勢や動きができるようになります。そして、体がリセットされ、負担の少ない体の使い方が当たり前になります。
【7】日常生活・デスクワーク・睡眠での姿勢のコツ
✔ デスクワーク・座るとき
骨盤を立てて座る(後ろに倒さない)
背筋を伸ばし、胸を少し開くように意識する
長時間同じ姿勢にならないよう、時々軽く体の位置を整える
こうすることで、猫背や背中の丸まり、肩や首の負担を防ぎ、深い呼吸を維持しやすくなります。
✔ 重い荷物を持つとき・立ち上がるとき
膝を伸ばすのではなく、股関節を使って立ち上がる・持ち上げる
上半身を無理に反らず、体全体をバランスよく使う
持ち運び中は前傾を意識し、重心を股関節に乗せる
こうすることで、腰や膝への負担を避けられます。
✔ 睡眠時の姿勢
仰向けで寝るのが基本。できるだけ体が安定する硬めの寝具がおすすめ
胸郭が開き、自然と呼吸が深くなる姿勢で眠ることで、睡眠の質が上がり、翌朝の疲労感やこわばりが軽減されやすくなります。
【8】子供の姿勢を見直すことで分かる、本来の体の使い方
子供(たとえば3〜6歳あたり)の自然な姿勢・歩き・立ち方は、ほとんどが股関節重心。
大人になると、学校教育や生活習慣、デスクワーク、スマホの普及などにより、「膝が伸びた立ち方」「膝重心の歩き方」が当たり前になってしまうことが多いです。
本来の動きを取り戻すには、まず「違和感を受け入れる」こと。そして、上記のような土台作り(バランスボード、体操、内転筋トレーニングなど)を継続して、「股関節重心」を体に染み込ませることが必要です。
【9】正しい姿勢がもたらす健康と生活の質の向上
正しい姿勢は「見た目」だけではなく、「機能性」と「健康」に直結します。具体的には以下のような恩恵があります:
肩こり、首こり、腰痛、膝や足首の痛みなど、慢性的な不調の予防・改善
深い呼吸による酸素供給の改善 → 疲れにくくなり、代謝や免疫力が上がる可能性
血行促進による冷え性・むくみ改善、基礎代謝の向上
姿勢が整うことで、自信や見た目の印象向上。メンタル面や集中力、仕事効率にも良い影響があるとされています。
つまり、姿勢改善は「快適な生活」「健康」「パフォーマンスの向上」「見た目」
すべてに関係する全身的な投資だと言えます。
【10】 「股関節重心」は人生を変える土台
あなたが目指すのは、ただ「見た目が良い姿勢」ではありません。
「体に負担のかからない姿勢」「自然な動き」「一生使える体の使い方」を手に入れること。
それを可能にするのが「股関節重心」と「胴体の柔軟性」「重心の正しい取り方」です。
日々の小さな実践(バランスボード、体操、歩き方・立ち方の意識、座り方や寝姿勢)を積み重ねることで、体は確実に変わっていきます。
「痛みや不調の出にくい体」「呼吸・代謝・免疫の整った体」「動きやすくしなやかな体」
それがこの姿勢矯正がもたらす未来です。
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