さあ
親父殿の運命やいかに
朝から鳴り響いた1本の電話
あわてて出る母
うなづきとともに
蒼白だった顔に
やや紅味が戻っていく
『お父さんね
大丈夫だったみたい』
ほっと胸をなでおろす
事故の経緯は以下
いつも通りの夜の運行
名古屋あたりのサービスエリアで休憩し
充分な睡眠を取り
翌早朝から東京へ向かう
そんなルーティンのはずだった
片側2車線
前にも後ろにも車はいない
『
』
対向車線の様子がおかしい
何かが中央分離帯を乗り越えてくる![]()
『![]()
』
大型トラックだ![]()
慌ててブレーキ
しかし前方のトラックは
分離帯を乗り越えた後に横転
そのまま全車線を塞いだまま滑ってくる![]()
10トン以上の物体が
数10kmの加速度を得て向かってくる![]()
![]()
逃げ場はどこにもない
刹那
凄まじい衝撃💥
さすがの親父殿も
そのまま気を失う
気付けば病院のベッドの上
手は![]()
ついてる
足は![]()
ついてる
そこへ先生がやって来た
『いや〰
大変でしたなぁ
救急からの連絡で状況を聞く限りは
瀕死の重体かと思ってたんですがねぇ
昨夜ひと通り検査しましたが
どこにも異常はありません
なので
もう帰っていいですよ』
とのこと
へ〜、と思いながら
ふと着ていた作業着に目をやると
胸から腹の部分は血で真っ赤![]()
『先生
あれは俺の血じゃないと?
えらいいっぱい出とるけど
頭かどっか切れたんじゃないの?』
『あ〜
あれはですなぁ
ただの鼻血です![]()
大量に出たようですが
まあ元気だし大丈夫でしょ』
言い残してさっさと出ていく先生
残された親父殿は
仕方なくひとりで退院の準備
少し腫れた顔で
血だらけの作業着を身に着け
退院の手続きを終わらせ
会社に電話
他のトラックも近くは走っていないので
新幹線で帰って来いとの事
血だらけの
パンチパーマのおじさんが
朝から名古屋駅内をウロウロ![]()
度重なる職質を乗り越え
北九州に帰還
念の為入院したのですが
その話はまた次回に
