
この丸福は昭島にも暖簾分けした店があってそれが俺にとって子供の頃から慣れ親しんだ手打ちそばの味。
学生の時分には出前のアルバイトもさせてもらって大変世話になりもした。
この丸福があったればこそ今でも俺が蕎麦好きである理由の一つで、出先で「手打ちそば」の暖簾を見ればついつい入ってしまうのだ。
そして蕎麦の美味い不味いを分かつのはお袋の味と同じで世間一般の良し悪しに左右される事なく、いかに「丸福」の味に近いかどうかが俺の判断基準。
故に俺にとって「丸福の手打ちそば」は世界中の蕎麦のピラミッドの頂点に君臨する唯一無二の蕎麦なのである。
ちなみにこれまで数え切れない蕎麦を食べたけど忘れ難いほど美味かった丸福以外の蕎麦となると千葉県の松尾にある蕎麦屋くらいしか思いあたらない。
そんな俺の心の味である昭島丸福は何年か前に店のおじさんが亡くなってお店も失くなってしまった。
あの味を食することが無くなって久しい。
ただ、店内に中野新橋に本店がある事を知らせるポスターがあったのはずっと憶えてて引っかかっていた。
そして今日行ってきた。
懐かしいおじさんの味だった。
きっと暖簾を分けてから亡くなるまでずっと本店の味を守ってたのだと食べながら感じた。
また中野新橋まで蕎麦を食べに行こうと思う。

