「しない善より、する偽善」

初めに誰が言い出したか知らないがとても含蓄のある言葉だと思う。

世界には未だ貧困にあえぐ人々がいる。
我々がどれだけ頭の中で恵まれない人たちを心配しても、
可哀想に思っても、心を痛めても、同情しても、彼らのお腹は一杯にならない。

明日を生きるための食料が必要な人達からすれば
「同情するなら金をくれ。」これが本心だろう。
お金に限らず、彼らに必要なのは同情ではなく我々のアクションだ。

奇麗事をいうつもりはないし、貧困問題を本当に真剣に考えたことが
あるかといえばノーだ。だがアクションを起こしてみることにした。

私なりの「偽善活動」である。

先日書いたマイクロクレジットの発展形として
1年ほど前から「Kiva」というサイト(プロジェクト)が気になっていた。

アメリカ西海岸で産まれたプロジェクトだ。
簡単に特徴をまとめると以下の通り。

・Kivaには融資を受けたい途上国の人の写真と希望金額・事業の内容などが並んでいてる。
・貸し手はその中から企画・事業を見て融資先(グループ)を自分で選ぶ。
・一口、$25からの小口融資を行う。
・借り手は複数の小口融資を集めて目標金額を集める。
・目標金額が集まればそれを利用してビジネスをスタートする。
・スタート後は、借り手の近況報告が写真と一緒に見られる。
・金利は平均21%。但し貸し手への金利のリターンは0%。
・金利分は、現地で実務を行う人たちのコストにあてる。
・返済率は97.4%(2.6%がデフォルト)


もっと詳しい説明はこのあたりで。

ご覧のように貸し手には金銭的リターンは無い。
だがかなりワクワクする。こういった仕組みは最近までなかったものだし
P2Pなマイクロファイナンスはとても画期的なアイデアだと思う。

他に興味をもった理由としては常日頃から思っていた以下のような理由もある。

■機会の平等
生まれた環境が違ったという理由で機会が与えられないのは非常に良くないと
常々思っている。結果が平等である必要はないが機会の平等は絶対に必要だ。

■支援の形
例えば国内であっても貧しい人たちに対してセーフティーネットはある。
だがそれは生活保護のようなものが殆どだ。緊急避難的には必要だろうが
もっと意欲を高め根本的に現状を打破するための支援策があればいいと思っていた。
Kivaには何かヒントがあるのではないか?

■ビジネスつながり?
自分自身がささやかながらビジネスを行っているため、ビジネスをしたいという
遠い異国の人に対しても親近感がわく。
施しを受けようという姿勢でなく自分で何とかしようというスタンスが好きだ。

■誰かの役に立っている実感
コンビニの募金箱にお金を入れてもその先の顔が見えない。
だがKivaだと誰かの役に立っているという実感がはっきりと得られそうだ。

■仕組み自体がエキサイティング
Kivaが今後どうなるのか興味津々だし、こういう新しい仕組みとか
考え方を見て・参加することが楽しい。

というわけで、実際にKivaを通じて融資をした結果などを
今後ちょこちょこレポートして行きたいと思う。