ぽの子について6


ぽの子の発達の遅れの原因であろう事が染色体異常だと主治医から宣告され、何らかの障がいを抱えて生きていくだろうと言われました。初めての言葉ばかりで私達夫婦は全く理解が追いつかない状態でした。


とりあえず夫は長女の預かりの交代のため先に帰ったので、夫婦でどうすればいいのかの話しもしてません。先生の話しをすべて自分で受け止めている状態です。これは夫も同じです。


私は面会時間ギリギリまで病院に居ましたが、頭の中はぽの子の障がいの事が(この時はまだ障がいであると認めてなかったが…)ぐるぐると回っていました。


帰りの車でも、その思考回路はおさまりません、病院では他の人の目もあり涙なんて出さなかったのが、車で1人になった途端に涙が溢れてしまいました。

自分でも何に涙を流しているのかわからず、この涙に理由をつけてしまうとぽの子の存在を否定してしまうのではないかという恐怖もありました。


そんな情緒不安定な状態で運転なんかするものではありません。

夜道でしかも涙でちゃんと前が見えていません、危うく対向車と正面衝突しそうになりました。


その時、一瞬で色々な事が頭をよぎります。よく言う死ぬ前の走馬灯のように思い出が写しだされるのとは違います。


私は何をしているのだ!

私が死んだら子ども達はどうなる?

私が悩んでどうする?

一体何に悩んでいるの?

ぽの子は生きてる。

私達の家族。


ただ、今の私と未来の私への叱責でした。

一瞬で現実に戻されました。それと同時に私達家族がこれからどう生きるかがわかったのでした。