これは、兄の大学入試の前日に起きた本当の話です。
私が小学校を卒業した時なので、かなり前にはなるのですが、兄はそのタイミングで京都の大学に行く事が決まってました。
その大学の合格が決まった時、当時34歳だった母親の姉は白血病で入院していたんだけど、お兄ちゃんの大学の合格が決まった事を凄く喜んでいて、
』病院に言って、入学式だけは必ず行くねっ』
て言ってたんです。
母親の姉は、結婚する気は無かったみたいで、独身でずっと実家で暮らしてました。
それもあって、母親に子供が出来た時は自分の子供のように可愛がってくれてたんですよね。
その中でも、長男の兄は特に母親の姉とは仲良かったから、病気でしんどかっただろうけど、会う度に
『絶対、入学式に行くね(*^^*)』
『それが今の楽しみっ(*ˊ˘ˋ*)』
っていつも言ってたんです。
でもね、後1週間で入学式って時に、母親の姉は天国に行ってしまいました(;_;)
兄も凄く悲しかったと思うけど、入学式があるから、京都に行かないといけなくて、母親も辛かったと思うけど、入学式に参加する為に、京都に行きました。
ただ、その時お父さんは海外に出張してて居なかったし、妹は友達の所にお泊まりに行きたいって言ってて、誰も家に居ないから、私も京都について行く事になりました。
その日の夜は、入学式の前日だから、楽しみもあったはずなのに、兄もあまり元気が無くて、みんな早めに寝る事になりました。
その夜の事、
何時だったのか分からないけど、お母さんが凄くうなされてて、その声に気がついて、私と兄は起きて、
『お母さん大丈夫!?』
って何回も声をかけて、お母さんを起こそうとしてたんだけど、
『う゛ぅー』
みたいな苦しそうな声を出して、全く起きてくれなかったんです。
その時、
『入学式に行けなくてごめんねっ』
って、母親が言いました。
でもその声は、間違えなく、母親の姉の声で、私も兄も訳も分からず泣いてしまいました。
私達が泣いてる声を聞いて、母親は目が覚めたようで、
『どうしたの?何かあったの?』
って言ってて、何も覚えてない感じでした。
多分、母親の姉は、入学式に行けなかった事が、凄く心残りだったんだと思います。
どうしても、お兄ちゃんに『ごめんね』を伝えたくて、母親の身体を借りたんだと思います。
その時の事は、今も忘れられません。。。
