USBといえば…かのデジタル大臣でない限りはパソコンやスマホに付いている口、くらいご存知。

このインタフェースの元々の主目的はパソコンと周辺機器のデータやりとりの為の規格で、
通電しながらの抜き差しが出来る事が第一の特徴で、
機器への給電は当初のUSB1.0では5V100mAまで。

USB2.1では5V500mAになって、今世紀はじめ頃携帯電話器の充電のような電源供給主眼の利用がされ始めました。

電子回路の電源やリチウムバッテリーの充電に使いやすい5Vが簡単に得られるのでUSB電源を利用する機器の発展は目覚ましく
当ブログでも2012年にUSB電源機器を幾つか取り上げました。
それから時々技術屋として規格の拡張と製品を取り上げております。

一昨年頃PD（Power Delivery 2.0）準拠製品があるのを知ってスマホの高速充電に活躍しております。

この4月にUSBで給電を受ける側のデバイス、PD寝具コントローラーなるICを知って、欲しかった電圧を充電器に要求する使い方を知りました。

パソコンの電源として20Vを受け取る事が出来るのは便利。
（多分想定外だが）鉄道模型の12Vも一応取れる。

ただ充電器の仕様が結構色々。
12V取り出そうとしたが5,9,15,20Vは出るのに12Vが出ない。

よく定格を見たらその4種しか出ない仕様でした。（PD2.0の要求規格がその4種で12Vは機器依存だった模様）

で、12V含めた5種の電圧を出せる充電器にして、スマホを充電したら

あれ？5.22V？？

これはPD3.0にオプション実装されたPPS（Programmable Power Supply）機能だそうで、規格上3.3〜21Vまで20mVステップの供給をサポートするそうです。

いま市販の充電器（またはモバイルバッテリー）では5〜11Vの範囲でPPS充電を行える物が増えているようです。
例えば写真のキューブ型の定格は

PDの5,9,12,15,20VとPPSの5〜11Vを供給でき、USBポート二口合計45Wまで供給可能。
二口の分配は接続機器とやりとりで充電器が考える、と非常に賢く進化しております。

モバイルバッテリーも同様に賢い。

コンセント挿したら黙って100V 流れる、みたいな単純な物でないんですね。

凄えプロトコルだなー、エンジニア現役でなくてよかった…

ただ急速充電で9V供給してきたのとくらべ、電圧が低めな分電流が多いような…充電器もすぐ熱くなるし…

なので猛暑の時とかスマホのバッテリーの寿命を考えると時間があればPDでない充電器でゆっくり充電するのが良いのかも。

あーまたつい長くなってしまった