去年4月、弓道教本が手に入らないと
書きました。
長年印刷していた会社が3月30日に倒産したからでした。

あれからどうなったのか？
今年3月に現役が審査を受ける折でもあり、弓具店に尋ねてみました。

物は有る、というので一冊購入しました。

右が昨日買った新冊（小冊子付）右は旧冊（令和3年購入）。

弓道教本は私が現役時代から黄色の本でしたが、令和4年日本弓道連盟は突如緑の本を出しました。

記述の統一改訂などのほか、不鮮明だった写真のデジタル処理で鮮明化など図った模様。

が、大改訂の苦労の末発行していた印刷所が令和5年3月30日をもって倒産。

そのため新しく教本を購入したくても物が無い状態だったのが前回・昨年4月の状況。

弓道店では在庫が出てきたようだと仰っておられましたが、奥付を確認すると

新たに名古屋の隆文社さんが印刷を手掛けられたようです。
良かった。

更に改訂記事を読むと
えっ？第二版？

昭和28年の第一版以来細かく改訂など重ねて、令和四年に緑色になった時もも訂正増補であったが
版元変更においては遂に第二版になったようです。

ソフトウェアやアプリなら、Rev.1.0から1.1や1.12などだったものが今回Rev.2.0と画期的改版ということ。

実際には初版からページ割の変更すらないのですが。

さて今回添付されている小冊子には、記述の変更内容たる補正表および『教本の読み解き方』なる説明書があります。

一応現代文で書いてある教本も既に古典化したか、或いは経典の如くの扱い。
ま、確かに教本第三巻までは明治30以前の生まれの方々の執筆であり、他に見たことのない漢字が無理矢理な活字で刷られている箇所がありますからね…

その読み解き方を眺め始めて今更驚いた記述は

『教本』は初刊から五段以上の指導者を対象に纏めたものであることを念頭においていただきたい。

えーっ、そうだったのー！

我々弓引きにとって『弓道教本』はまさに『バイブル』。
戦後進GHQによる武道禁止ののあと、弓道界が今後の射法礼法の指標とすべく流派を超えて慎重に統一的に纏められた、他の武道にない教本となっていることが特徴です。

我々が審査を受ける際には、教本の記述に沿って回答するため、受審者には教本第一巻を買うよう指導して来ました。
正直、礼法編など半分以上は生徒・学生は使わない所でありますが、上級に進むとこんな世界があるという事を窺う縁（よすが）でもありました。

しかしながらこの教本が指導者用であるとは、今の今まで知りませんでした。

なるほど、我々学生生徒に難解な読み辛さは、そう云う訳だったか。
小学生が学習指導要領を読んで自ら学べと言われ私もそう教えていたのか。

私らが師事した先生方も多くは大正生まれ稀に明治末期の方だったから、教本の執筆者は高師であり、指導もそれに従うものであったのか。

この一筆で色々な事が諒解されて来ました。

70年前の初版の意図がやっと判った想い。

だったら、早く言ってよ…

70年目の真実