2007年の冬に始まり、正月を挟んで年明けに終了(1月26日)するという、通常の連ドラクールからはずれた、しかも深夜11時台に放送されたこの作品のスペシャルが4月(5日の9時~)に放送される。楽しみにしている。
本格的なアクションや、めいっぱい溜めに溜めて展開されるストーリーに手に汗握った。脚本が金城一紀、監督が「躍る大捜査線シリーズ」の本広克行という事で、3本くらい筋の通ったシブイ作品。深夜枠にも関わらず、平均で15%もの視聴率を叩き出すというドラマファンも納得の出来だった。
連ドラでは明かされなかった部分が描かれるらしい。岡田准一演じる井上薫の(いくつかの意味で)強力な味方と目されていた堤真一(尾形総一郎)が、実は数々のテロを裏で操っていた?ともとれるショッキングなラストが気になるところ。が、僕はそれはあまり気にならない。ハリウッド映画あたりでも、ラストにおけるどんでん返しはよくあって、善と悪は表裏一体、裏切りはどこにでも潜んでいるものだ。
僕はこの作品を見ていて、主演の井上の動向が気になるのは当然だが、もうひとつ、常に気になる存在がいた。それは真木ようこ演じる笹本絵里だ。最初に、本広克行が監督だからか僕の頭にはあの「躍るシリーズ」の深津絵里(恩田すみれ役)が浮かんでいたのだ。役名が「絵里」というのもなんか匂った。
ただ、笹本刑事と恩田刑事にはかなり差があったと思っている。
恩田刑事は僕に言わせるとOL的な存在だった。青島刑事とラーメンをすすり、保護対象者がリッチな弁当(確かどこだかのしょうかどう弁当?で3000円とかした気がする)を食べるのに嫉妬し、ヘボなヤツ(同僚など)の頭をよくはたいた。刑事というよりは、職場のおつぼねOL(失礼)に近い。ストーキング被害に遭った過去を持ち、自分の後ろに男が立つ事に恐怖を覚える。映画版だったと思うが、拳銃で撃たれて負傷する。が、彼女がアクションを立ち回るシーンは殆んど記憶がない。それよりも、スリーアミーゴス(北村総一郎演じる署長以下の3人組)に説教たれてる姿の方が多かったと思う。
あれから約10年経った。
笹本刑事は常に不機嫌で、メガネの3枚目役の山本隆文?の頭をはたく事に生きがいを感じている模様。恩田はドラマの中で見合いをやっている。着物で日本庭園のある場所(目白の椿山荘かも)でおしとやかを演じた。確かスチュワーデスと偽っていたはず。もちろん事件が起きて、それを優先させたから破談しているが、笹本の方はそんな女性らしい場面など全くない。ドラマの中で合コンには行ったみたいだが、手応え云々というよりも、全くその気がなさそうだった。そういう風に描かれていた。
そうして、最も笹本が生き生きしていたのはあのエピソードⅡだと思う。全エピソードの中で、あの病院内におけるテロ制圧が最も緊張したし、あのエピソードだけは何度でも見たい気がする。北村有起哉が出ていた。僕はどんな人か知らないが、俳優・北村和夫の息子だそうだ。何をやるかわからない不気味なテロ集団のボスを淡々とやってて光っていた。その中で、笹本はアクションをきっちり演じ、そうしてしかしやられてしまう。悔しそうに口から血を滲ませてうつむくあの表情は完全に女を捨てていたものだ。(それなのにめちゃくちゃ色っぽい!!)「女だからやられてもしょうがない」ではなく、「女でなかったらやられやしないのに」という無念の表情だった。最終的には、井上が超人的な活躍と頭脳作戦の末にテロを制圧するが、笹本は「助けてくれてありがとう」みたいなセリフは一切言わない。任務の遂行しか頭にはない。警護業務のみに集中する姿勢。実に男っぽい。
超色っぽい男っぽい女である・・・どっちだ?
笹本は人員における「紅一点」というより、業務の内容によっては女性(である事)の方が何かと都合がいいから、それだけの為に配置されているといった風情の、単なるコマとなっている。にも関わらず、だからこそひときわ『女性性』が際立つのだ。
「女性的な描かれ方をしているのに色気のない(むしろ食い気の)恩田」と「男性的にのみ立ち回っているのに女性の匂い立つ笹本」だ。
むろん、「童顔の深津絵理」と「フェロモン漂う真木ようこ」だから、だからこそその役柄が対比としてもぴったりくるという、キャスティングの勝利である事は間違いない。
スペシャルは、たぶん彼女に釘付け。出番が少しでも多い事を願う。
実生活において、深津絵理は「大竹しのぶと浮き名を流した事のある野田秀樹」と付き合っているとかいないとか週刊誌に書かれたはず。だいぶ前だが。女優業に没頭するあまりに婚期を逃すお方は多いが、彼女もその一人かもしれない。
それから、グータンヌーボに出演した時に真木ようこは「私、もうどっろどろですよ」と言っていた。恋愛に落ちたら最後、「24時間あなたしかいない」状態に陥り、「24時間あなたを想って24時間あなたを離さない」極めてヘビーな女になるのだという。
実生活の恋愛は二人揃ってどろどろだそうで、そこは共通点なのかもしれない。
