何を隠そう、実はピアノを習い始めて4ヶ月くらいになります。

えっ?何でって?ふふふ。笑わば笑え。

これでも、高校時代はバンドを組んでなどもしていた僕で、その時はドラム担当でした。まぁ、クラス内に既に佐野元春を中心にコピーする先行バンドがあって、「おまえらも集めてやれば?」などとそそのかされた影響で組まれた寄せ集め。文化祭の本番で彼らの前座をやらされた事からして、「自分らの格を上げるために利用されたのでは?」とあとで悟ったけども、ヘタクソなんだからそれはそれでしょうがない。

僕らがやったのは浜田省吾のコピー。そのくせサザンの「いとしのエリー」をはさんだり、ジャーニーの「セパレイトウエイズ」もかましたりという節操のない僕ら。なんでそんな外国の曲だったか?それは、当時は稲垣潤一の「ドラマチックレイン」がバカ売れしていて、ドラムを叩きながら歌うというのに憧れてた面があり、僕がドラムだった事で「歌えよ!絶対カッコいいよ!」ってな話しになった。が、ボーカルをやりたいやつはちゃんと他にいて、そのボーカルが「かすむといけないから」と僕が歌うのはキワモノ的な洋楽になったのだ。まぁいいや。ドラム叩きながらでは歌に集中できないし、そのくらいの半分裏方の方が気が楽。文化祭が終わると、みな目標がなくなって自然消滅。


その後はまた別のバンドから声をかけられて、今度はボーカルとして誘われた。エレキとドラムと僕だけのシンプルなバンドだったけども、やるのが洋楽専門という、僕としては「いや、そんなつもりではないんだが・・・」という展開。レッド・ツェッペリンとかいうやたらとシャウトする外人。僕は聴いたことなかったんで。「天国の階段」や「ユーギヴミーオールアイニード」はなかなか味わいのある曲だと感じたが、「ロックンロール」にはちょっと違和感があった。なんせヘビメタだそうで、スコーピオンズとかもやった。ヘビメタって何?と聞いたら「ほら、キッスみたいなやつ」と説明され、「あぁ中指つき立ててアカンベーするのかぁ。まさかメイクはないよなぁ」と気が重かったけど、「あの高さが出るのはおまえしかいない」と肩を叩かれて持ち上げられるから引き受けた。卒業式の日に、学校への惜別を兼ねて催しを開くんだと言って何曲か練習した。今あげたのに加えて、もうあと2曲は増やさないとと練習してはいたけど結果的には「仕上がらず」本番はやってこなかった。エレキ君とドラム君が言うには「声はしっかり出とるとばってん、なんか演歌っぽく聴こえるっちゃんねぇ」とボーカルにやや不満があったらしい。いやいや、洋楽なんてシーナイーストンとエアサプライくらいしか知らない僕にヘビメタをノリノリで歌わせようってのが無理な話だった。


社会に出てからは、音楽はもっぱら聴いて楽しむのと時々カラオケに行く程度。その環境がないからドラムはそれっきり叩くことはなかったし、中古のギターを購入したこともあったけど、弦が切れたら気持ちも切れた。


40をとうに越えてから、今更なんて思いつつ、何気にピアノを習い始めたのがこないだの4月。練習は週に1回、30分だけ。5月は体調を崩して全休。ただ、家に鍵盤がないからちっとも上達せず、先週やったのをまたやってるうちに時間になって、「はい、また来週」にいらいらするからとうとう自宅に練習用キーボードを購入した。3000円のスタンドと13800円の本体で計16800円ナリ。

やるんならそれくらいは当然だが、思い切ってそこまでやったというのは「速くはなくても、継続すればそれは力になる」と10曲程度のレパートリーは持てるようになりたいと思ったから。最初に鍵盤を触った時に、「あれ?この音・・・これでいいんですか?」と端っこ近くの音をなにげに訊いたら先生が「そこ、音が狂ってます。調律しなきゃいけないんですよ。よくわかりましたね」なんてほめられたのに気をよくしたのもある。


バイエルというやつを今やってるけど、右手と左手がシンクロしちまって困る。正直言って、自宅でどれだけ自主練習できるかが上達の鍵。レパートリーは「なんか曲を覚えたいです」とわがまま言ってやらせてもらった「星に願いを」の1曲だけ。だってメロディーだけで、やはり退屈なんでね。

いつのことか知らないけど、「自在に弾けるようになったら」その次は作曲にでも挑戦して、そんでもって有線のヒットチャートを駆け上がっちゃルぞ!


ふ。