いやいや、57年ぶりの夏連覇とはっ!

駒沢苫小牧高校、おめでとうございます!!

全国制覇自体がとんでもない事なのに、それを2年連続でやってのけるとは、もんのすごいはなれわざですよ、これは。

僕は個人的には京都外大西の本田投手が可愛かったせいもあって、何せ、あれで1年生なんだからと思って見ておりました。ま~だ、あと2年あるんだからという意見もあるでしょうが、すごい伸びのある球を投げてたし、1年生で甲子園優勝投手って、現巨人の桑田がそうなのかな?あんまりいないから期待してたんですが。いやいや、すごい結末になってしまいました。駒苫に改めて拍手です。君たちはすごいことをやった!


さてさて。


僕は高校野球の熱烈なファンというわけでなし、全く詳しくもありません。実際、例年それほど見ていません。でも今年の夏は、母校が生まれて(創設して)初めて(50年目にして)甲子園の土を踏むという、晴天の霹靂のおかげで、感動と興奮の日々を送ることができました。本当に後輩たちに感謝しています。


ところで。


清峰が大阪桐蔭に敗れてからは、あぁとため息をつきながら、大阪桐蔭に優勝してほしいなぁなんて見ていましたが、ちょっと思ったことがあります。

横浜貴公子さんのブログ を見て、僕もコメントをしていますが、連戦と連投で、選手はほとほと疲れているんですよね?準決勝に残っていた4校は、それが象徴的に出ていたと思うのです。ご承知のように、4校のうち決勝に残った駒苫と京都外大西は、いずれも投手を複数使って勝ち進んできています。大阪桐蔭の辻内君は150キロ超の球を投げる今大会屈指の左腕。また、宇部商の好永君も切れ味鋭いスライダーを持つ(清峰・古川君に似た)好投手でした。しかし、準決勝では球が走らず、(試合を全部見ていたわけではないけど)辻内君はピッチャー前の小フライを取り損ねるなど、身体そのものの切れも落ちていました。両投手、共に全試合を完投してきた大黒柱で、はっきり言ってへとへとだったはずです。

ここにきて、これはもう、野球というゲームの名を借りた「疲労の我慢比べ」になっているんではないかと。僕は7月12日 に橋本真也氏の突然の訃報に記事を寄せているのですが、あの「痛みをこらえあうのがプロレス」という状況にかなり近いんじゃないかと思うのです。そう考えた場合、或いはこれは飛躍に過ぎるでしょうか?

汗まみれ、泥まみれで灼熱の太陽の下、打球の伸びや風を測りながら駆ける外野手。グランドの状態を注視しながらイレギュラーを警戒してゴロをさばく内野手。握力の落ちた己(おのれ)の利き腕をじっと見つめて「スライダーよ抜けるなよ」と念じながらふぅと息を吐くマウンドの大黒柱。

観衆は自軍の攻撃の時はこう思います。お互いにそれを願います。

「悪送球しろ」「そこでこけろ、足よもつれろ」「ほら、ワイルドピッチだ」

ある意味、残酷だよなぁ。

これが、お互いベストコンディションであれば「ミスをした方が負けに傾く」のは当たり前ですが、こうも連戦が続くようだと「ミスをするのはお互い当然」で、どちらがより「ミスをかばえるか」の争いになってしまっている。


それを、「本人の気合い」や「声援や祈り」を「力に変えた方」が勝つのが高校野球だと言ってしまえばしまいですが、少し時代錯誤な気もしてきます。彼らの何割かは、間違いなくプロの道に進むわけで、高校生といえば発展途上であって、才能が未開花の選手もいて、あまりにも短期間に肉体を酷使するのは決していいことではないでしょう。

プロ選手でも、特にリリーフ投手なんかは連投連投で大活躍しても、翌年はさっぱりダメで、結局肘や肩にメスを入れて1シーズンを棒に振るというケースがあるはずです。先発投手も登板間隔を適度に開けるのが今や常識。横浜ベイスターズの元監督で現役時代に投手だった権藤氏は、(僕は小さかったから知りませんが)かつてこんな風に言われたと聞いています。

「権藤・権藤・雨・権藤」

雨さえ降らなければ、毎試合投げていたというわけです。


少なくとも、日程はもう少し調整すべきだと思います。

準決勝、決勝の試合は、どうにも「コロシアム」の様相を呈していると、僕にはそう見えたのです。