レセクショナー   ~リレー小説~

交代で一話ずつつくっていった話です。もちろん作ってる間は相談なし。それがおもしろいんです!

見てくださいね。レセクショナーの意味は『復活させるもの』という意味です。


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第三話~いざ西の大陸へ~ ・・・策羅

西へ・・・


西へ・・・


そう考えながら、インパラはいつのまにか

寝てしまっていた


「うぅ~ん」

あくびをし、さらに寝癖だらけのインパラの姿が

今起きたということを物語っていた


「ふぁ~いま何時だ?」


と、時計を見る




インパラの目が点になった



12;28分



じゅうにじにじゅうはちふん!?!?



ええと。。。寝たのが11時だから・・・


1時間・・・?



いや・・・でも・・・




陽はとうに昇っていた


真っ赤に燃えた太陽は真上に行こうとしていた



あれ?こんな時間までなんでラファエルは起こさないんだ?



したにおりるとラファエルの姿はなかった



そしてラファエルのかわりに


シチューとパンがふた切れ



さめてしまったシチューを

暖めながら、インパラは考えた


ま、ラファエルのことだ心配はないだろう


どうせ競馬か古本屋で面白そうな本でも

もちかえってくるだろう

(お金を払わずにだが)



そしてインパラは昨日の出来事を

思い出していった



大賢者ラウムのこと。

七賢者のこと。

古の魔王、ラストが再び復活したこと


そして・・・


俺が世界を変えること・・・



「よし!」


意気込んで立ち上がったインパラの目には

輝くものがあった


キラキラとまるで純粋な少年のような

そんな目をしていた。


これから起こる惨劇をいまだ知らなかった


だから・・・笑えたんだと思う・・・



タタタタタタ



軽快な足取りで町外れの町までやってきた


西・・・



西には何があるんだっけ?


インパラは家にあった世界地図

(ラファエルが店から勝手に持ってきたもの)


をみた


「ふ~ん・・・西にある大陸には

 メルセデス国があるのか・・・」



メルセデス国・・・人口はシビック国の約3倍で

産業発展の途上国ではあるが、すでに

かなりの大きな国である。



「なるほどな・・・

 七賢者を見つけるのも、容易じゃないってか


 なに やってやるさ!俺が世界を変えるんだから!」



いつものようにツヴァイハンダーの飛行形態で

海岸沿いまで飛んできた



ラウスに言われた


海をツヴァイハンダーで渡るなと



まっ 途中でこの前みたいに落ちたら

しゃれにならねぇもんなぁ



近くに船乗り場がある


そこから、いけばいいさ


インパラはさっそうと歩き出した



4,5分だろうか


ついたにはついたのだが・・・




(でかい!!!)



船なんて・・・1・・2・・3・・・6!


6台もとまっている・・・


「ええと・・・すいません」


受付のような女の人に話しかける


「はい?なんでしょうか」


さわやかな営業スマイル

ベテランのようだ


「メルセデス国にいきたいのですが

 いくらかかるでしょうか?」



「そうですね。メルセデス国に一番近い船乗り場まで

 10万とんで5000円となっております。」


インパラが驚いた顔をすると女の人は


「ええ。しかし子供さんは半額の5万2500円でいいですよ」



にこっと笑ってそういった。




(はらえない・・・はらえないよ・・・)



こうなったら!



何がこうなったらなのかわからないが



インパラは密航することに決めた



すぐに荷物を発見


それに飛び入り。船に詰まれるのを待った


「ふん!」


そんな声が聞こえたかと思うと


インパラの体がふわっと持ち上がった


(わお!)


声が出そうになるのを必死で我慢し


声を押し殺してずっとまっていた



無事乗船。



これでつけばいいんだけど・・・



密航・・・



あんなことになるなんて思ってなかったんだ・・・


第二話 ~目的~  ゼロ 

・・・・北へと再度飛び始めてもう30分ぐらいたつだろうか。


あいからわず眼下には広大な森が広がっている。


「北っていってもなぁ・・・・・」


「そういえば北にだいぶ行ったところに昔町があったっておじさんがいってたな・・・・・。」


『あった』・・・・つまり今はもうない。


昔の戦争でなくなったそうだ。


その町は大きな神殿があって、


なにかの守護神をまつっていたそうだ。


その町の名は・・・・・


魔法都市 クロノス

「もしかしたら何か関係あるのかな・・・・」


その町はあまりに遠いので昨日は遅かったしその町までいくことができなかった。


「よし・・・・いってみるか!」


インパラがそう決意すると羽も心なしか少しスピードを上げたようだった・・・・・


飛び始めてからかなりの時間がたった。


「クロノスはまだかよぉ~。」


インパラの気が弱まると羽の魔方陣が点滅しはじめた。


「な、なんだ!?」


なんと空中で羽が剣の形へ戻ってしまったのだ。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


インパラは上空から一気に森へと落下する。


ばさっばさっばきっ!


いくつもの枝にぶつかりながらも何とかインパラは生きていた。


「いたたたたた、なんなんだよあの剣は!あっそういえばツヴァイハンダーは!?」


あたりを見渡したがどこにも見当たらない。


どうやらインパラとは別の場所に落ちたようだ。


「いったいどこに落ちたんだよ・・・・・」


森の中では下手に歩けない。


まっすぐ歩いてるつもりでも曲がって歩いてしまい、結果的にもとの位置にもどってしまうからだ。


インパラが座り込んで考えているとまた頭にあの声がひびいた・・・・・


「こっちだ・・・」


!?


「お、おまえはだれなんだ!?なんでおれに話しかける!!」


返事は無い。


インパラは声の主が気になったが、この声には何度も助けられている。


インパラは声を信じて進むことにした。


声のしたほうへ・・・・・・・


200メートルほど進んだところだろうか。


そこには神殿があった。


周りには崩壊した建物がある。


どれも不思議な形をしたものばかりだった。


「ここがクロノスだったのか・・・・・」


背の高い木の下にあったせいで、上空からは確認できなかったようだ。


「あっ」


神殿の前には不思議にもツヴァイハンダーが突き刺さっていた。


まるでそこの神殿に何かあるかのように・・・・・。


インパラはツヴァイハンダーを引き抜き、神殿の中へはいることにした。


中は薄暗く、しっとりとしていた。


まるで洞窟の中にいるようだ・・・・・。


あの時と同じように、ツヴァイハンダーの魔方陣が反応しはじめた。


(やっぱりなにかあるんだ・・・・)


歩き続けて一番奥へとたどり着いた。


「うわぁ・・・・・・・」


中はおもったよりも広く、大きな祭壇があった。


そしてその祭壇の真ん中にはくぼんだ床と泉があった。


インパラがその祭壇に中心へと足を運ぶとそこのくぼみに驚いた。


「こ、これはっ!?」


そのくぼみはツヴァイハンダーの形と同じものだった。


ここにツヴァイハンダーをはめれば何かが起こるに違いない・・・・


インパラはそう確信した。


そして恐る恐る剣をくぼみへとはめた。


かちゃっ


いとも簡単にはまった。


しかし、次の瞬間ツヴァイハンダーの魔方陣が激しく光り始めた。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」


・・・・・・・・・・・・・・・・


「こ・・・・・・・お・・・か!」


(なんだ?なんだかうるさいなぁ・・・)


「これっ!おきんか!」


「うわぁっ!!」


「やっとおきたか。」


インパラはどうやら祭壇の上で気を失っていたようだ。


そして今インパラの目の前には白髪の老人がいる。


とても風格があり、服装もどことなく普通ではない。


「あ、あんたはだれなんだ!?」


定番の質問である。


「わしか?わしの名は・・・・」


「大賢者ラウム、すべての賢者を束ねる者だ。」

(賢者?何を言ってるんだこのじいさんは・・・・・)


「何を言ってるかわからないという顔をしているな・・・・・」


「まぁきけ」


そのあとラウムと名乗るこの老人から長い長い話をきいた・・・・・・。


簡単に説明するとこうだ。


その昔、まだこの魔法都市クロノスが全盛期だったころ・・・・・・。この世界には魔がはこびっていた。


それを封じ込めるためここクロノスにそれぞれ自然の力をつかさどる七人の賢者、七賢者を集めた。


そして魔の中心となる存在、つまり魔王を封じ込めた。しかしその代償は大きかった・・・・・・。


魔王を封じ込めるために、七賢者の魂とこのラウムという男の肉体が必要だった。


つまり七賢者とラウムの命が必要だった。そしてこの伝説の魔剣ツヴァイハンダーに七賢者の魂を


こめてラウムが魔王に突きはなって、魔王を封印したそうだ。


かろうじて魂が残っているラウムだけがこうして祭壇に魂をやどしていきて、いや、肉体はない。


半死?ということにしておこう。そしてツヴァイハンダーはめぐりめぐってシビック国に封印されたそうだ。


そしてインパラに話しかけていた声の主・・・・・それもラウムだという。


「でもどうして俺なんだ?」


もっともな質問だ。


「おまえはたまたまわしの波長とあっていた。だからツヴァイハンダーを通してお前に語りたのだ。」


「それで・・・・おれをここに呼んだ目的は何なんだ?」


「ふむ・・・・・」


ラウムは急に顔をしかめた。


「簡単にいおう。この世界にまた魔がはこびろうとしている。」


「!?」


「魔王の封印が弱まってしまって・・・・封印が破られてしまったのだ・・・・・」


「そ、それじゃぁ!!」


「そうだ、この世界に今魔王がいる。」


「しかしまだ復活したばかりだ。本格的な活動はまだかなり後になるだろう。」


「いいか?魔王を封印するには七賢者の魂が必要だ」


「でも、七賢者の魂は昔封印するときにつかったんじゃ・・・・」


「いや・・・・大丈夫じゃ。魔王の封印が解けたなら賢者達の魂のあるべき場所へともどったはず・・・」


「おまえのこれからすべきことは二つ!。」


「一つ目はすべての七賢者の魂のもとへといってツヴァイハンダーに宿すこと。」


「二つ目は・・・・・・いわなくてもわかるだろう。」


「古(いにしえ)の魔王、ラストを倒し、永遠に復活することがないよう封印することだ!!」

「!?」


あまりの突拍子も無い言葉にインパラは声がつまった。


「お、おれにそんなことできるわけないじゃん!!」


「いや・・・おまえならできる。ツヴァイハンダーと波長のあったお前ならな。」


「魔王を封印するにはその剣が必要なのだ。そしてその剣を操れるのは・・・・・」


「世界でおまえたった一人なのだ。」


「その剣、ツヴァイハンダーは使い手の思いによって形を変化することができる。」


(おれの思い・・・・?)


「といっても限りはあるがな。おまえはすでにひとつ使えるようになっている。」


「あの翼か?」


「そうだあれはウィングモード、飛行形態だ。」


「しかしおまえはまだツヴァイハンダーの力をほとんど使えこなせていない。」


「ツヴァイハンダーにありったけの思いをそそげ!後はきっかけさえあれば新しい姿へと形を


かえるだろう・・・・」


「さぁまずは七賢者のもとへ行くのじゃ!七賢者の魂はここと同じように世界中の神殿に眠っている。」


「で、でも場所がわかんねぇよ!」


「そうだな・・・・・・まずは地の賢者のもとへといくのがよかろう。」


「西だ!西の大陸に地の賢者は眠っている!」


「ちょっとまてよ、おれはまだやるっていってねぇぞ!!」


「何?」


「おれはこの剣が願いをかなえてくれるって聞いたからここへきたんだ!!」


「願いか・・・・・・・・ふむ。おまえの願いは何だ?」


「父さんと母さんを生き返らせてくれ!」


「ふむ・・・・・・・・できないことはない。」


「本当か!?」


「しかしわしの魂と引き換えにな・・・・。しかしわしは魔王を封印するまで死ぬわけにはいかない。」


「おまえが魔王を封印したあとならおまえの両親を生き返らせてやろう。」


「本当だな!?本当に父さんと母さんをいきかえらせてくれるんだな!!」


「あぁ・・・・・。」


「よし、わかった。できるだけのことはやってやろうじゃねぇか!!」


「それでは賢者のもとへと向かうのだ!」


「あぁ!まかしとけ!!じゃぁな!」


「あっ!ちょっとまて!!」


ずるっ


インパラは階段から転げ落ちそうになった。


「なんだよぉ、人がせっかく決心つけたってのに・・・・。」


「おまえ、大陸渡るときにウイングモードを使う気だろう?」


「あたりまえんじゃんか!あの羽さえあれば海なんてひとっとびさ。」


「やめとけ。」


ラウムは冷たく言い放った。


「なんでだよっ!」


「おまえの思いの強さじゃまだ海を渡れるほど羽の姿を持続させる力は無い。」


「ここにくるときもそうだったろう。」


確かにあの時インパラの思いは飛ぶことよりも疲れたというほうに傾いていた。


(だからあの時剣の姿にもどったのか・・・・。)


「わしはここをはなれることはできないが、ツヴァイハンダーを通してできるだけおまえを支えよう。」


「よし、じゃあ今度こそほんとに行くぜ!じゃあな!!」


インパラは元気よく走り去った。


「たのむぞ・・・・・・・インパラ・・・・・・・」


(おれがそんなに偉大な人間だったなんて・・・・・最高じゃん!願いもかなうしな!!)


インパラは魔王を封印することよりも今は自分が大事な存在だということにひたっているようだ。


神殿の外へでるとインパラは、ツヴァイハンダーをウィングモードへと変えるために考えた。


「飛べっ!!」


ばさっ


大きな両翼が広がった。


「ひゃっほぅ~♪」


今日はもう遅いのでインパラはいったん帰ることにした。


(魔王ラストか・・・・・。絶対にぶったおしてやるぜ!!)


インパラは硬く心に刻んだ。


しかし魔王ラストを封印するということはインパラが考えていることよりもずっと厳しいことだった・・・・・・












第一話 北へ!北へ! ・・・策羅

「お~い!!インパラ~おきろお!!

 お前の飯が無くなっちまうぞ!!

 はよ降りてこいや~~」


朝の8;30 ラファエルの

低い声が家中に響き渡る・・・


(なんでラファエルがうちに・・・)


(あっ!そうか・・・昨日から一緒に

暮らすことになったんだったな)


(俺一人でもさびしくないけど・・・)


そんな強がりは言っても、

インパラはまだ子供


そんな時両親をなくした悲しみなんて

一生忘れないだろう・・・


ましてや・・・昨日の夜・・・



ツヴァイハンダー


城に保管されたし伝説の剣



インパラは昨日の夜・・・

こいつを盗み出した・・・


そして挟み撃ちになってどうしようもない

そんな時・・・こいつは翼になった


俺が飛べる・・・


まさか・・・昨日のは夢!?


単調にもベッドの下に隠してある

合体した剣を見て、インパラは思った


(夢なんかじゃない・・・)



わからないことが多すぎた・・・


言い伝え・・・夢に出てきたこと・・・

謎の剣・・・そして・・・謎の声・・・!



そうだ!例の声!!!


ツヴァイハンダーが翼になったとき

俺だけに聞こえた、あの声・・・



『北にいけ』



あいつは確かにそういった・・・



もちろんそれには従った


北へ・・・北へ・・・北へ・・・


ない!


なにもない!



眼下に広がるのは、見渡す限りの森


ジャングルといったほうがいいかもしれない

その深い深い森は

子供に悪魔がいるといって信じさせるには

絶好の場所である


なにもなかった・・・


でもきこえたんだ


北にいけと


夢の中で聞こえた


あの声が・・・そう言った・・・


インパラはなぜか急に怖くなって

ツヴァイハンダーを見る


相変わらず、妖しい光を放っている


剣に埋め込まれている宝石も


今にも輝きだして割れそうだ


吸い込まれそうな・・・その光・・・


インパラはあわてて目をそらす


こいつに・・・喰われる・・・

そう思ったからだった



「くらぁ!!!

 インパラてめぇ

 さっさとおきんかい!!!

 はりたおすぞ!!!」



耳がどうかしてしまいそうなインパラは

あわてて返事をする


「う~ん すぐいくよ~ おじさん」



下に下りていくと

椅子にラファエルが座って紅茶を飲んでいた


こんなゴツイ顔をしてコーヒーが飲めないらしい

なんだかほほえましい

ニヤリと笑ってしまったところをみたラファエルは


「何を笑ってる さぁスープが冷めちまうぞ

 ラファエル様特製、コンソメコーンスープ(イチゴ味)だ!

 たんとくえよ!」


(うへぇ)


(今なんていった!? コンソメにコーン!?

 んでイチゴ味!?

 バカな・・・そんなものを食べ物と認めろというのか!)


スプーンでほんの少しだけすくって下の先だけで味わう



(おお!これは・・・!

コンソメの渋さにコーンの甘さ・・・そしてイチゴの上品さ!

合わさるとこんなにおいしいのか!!!



って


そんなわけあるかぁ!!!)



「まずい」



「なに!?」

ラファエルは本当に驚いているようだった


「イチゴに失礼だぞ」


そういいのこして

インパラは席を立つ


「おいおい、どこへいく」


「台所」

簡単に言い残して

台所へ向かう ラファエルもついてきていた


「料理って言うのはな、食べるためにあるんだ」


フライパンに油をしき、卵、ベーコン、ケチャップ・・・


手馴れている、無駄がない・・・


オムライスの完成だ


「くってみろよ。これが料理だ」


ラファエルは不満足そうに眉間にしわを寄せながら

スプーンですくう。



「う・・・うめぇ!!!!!」

「なんなんだこれは!」

「本当にオムライスか!?」

「隠し味は何なんだ!?」

「わかった卵だろ!」



次々と飛んでくる質問は無視して

二階へ駆け上がる


もう一度・・・北へ!!



ラファエルに剣がばれないように


左側に隠して

部屋の前を通る


「ん?どこいくんだ~?」


オムライスにたいそう満足した様子のラファエルは


どことなく上機嫌だ。


「ちょっと出かけてくるよ」


「わかった~いってこい」



町人に見つからないように

そっと森へ入る


あたりをきょろきょろと見渡し

誰もいないことを確認してから


ツヴァイハンダーを取り出す


相変わらずきれいだ・・・


飛ぶ!


そんな自分を強く心にイメージしながら


ツヴァイハンダーを背中のほうに近づける


ばさっ

と剣が翼になった



俺は飛べる!!!


地面を強くけって


インパラは飛んだ。

相変わらずの高揚感


緊張感は前よりも幾分か少ない気がする


さぁ・・・


北へ!


何があるかはわからないけれど

今の自分にできることはそれだけだ


絶対見つけてやるから!

プロローグ

プロローグ ~旅立ちの日~


「ふぁ~あ、あぁ眠ぃ・・・・・・」


ここはこの世界、テクノティカの東に位置する国、シビック国である。


そして今大あくびしているこの青年こそこの話の主人公となる人物である・・・・・


「あ~ぁ・・・腹減った、かぁさ~ん飯は?」


階段を降りながら青年は言った。


「あっ。そうだった・・・・・母さんはもういないんだ・・・・。」


ここにいる青年、インパラの母はつい先日病気で死んでしまったのだ。


父親はインパラがうまれてすぐに戦争で亡くなった。


「母さん・・・・」


インパラは泣き明かしたのか目がはれぼったくなっている。


朝食も食べる気にならずただぼ~っしていた。


30分ぐらいたっただろうか・・・・・


インパラは知らない間に寝てしまっていた。


そしてインパラは夢をみた・・・・・・・


真っ暗な世界の中に自分だけが一人ポツリと立っていて、周りには何も無い孤独な世界。


「お~い、だれかいないのかぁ~?」


返事は無い。


インパラはとりあえず歩き始めた。


歩いて、歩いて、歩き続けると遠くがなにやらぼんやりと光り始めた・・・・


インパラはその光めがけて走った。


インパラが光のもとへたどりつくと、そこにあるものに驚いた。


光っていたのはきれいな石で作られた台座に突き刺さったとても立派な両手持ちの剣だった。


インパラは手を近づけてみた・・・・・。


すると光が一層強くなり、あたりの闇を吹き飛ばして光がインパラをつつみこんだ。


光の中で意識がとぎれそうになりながらインパラの耳にひとつの声が届いた。


「見つけてくれ」 と。


「はぁっ!はぁはぁ・・・・」


「なんだったんだ今の夢は・・・・」


インパラは頭を冷やすべく町へと出た。


シビック国はとてもにぎやかな国だ。


毎日お祭りのように人々が騒ぎ、踊り、歌っていた。


そんな街中をあるいてもインパラは今ひとつ気持ちがうかれない。


母をなくしたせいではなかった。


今朝の夢だ。


「見つけてくれって一体なにをだ?」


考えれば考えるほど頭が混乱する。


どんっ


誰かにぶつかった。


「いたたたた・・・・・・。一体だれだよ。あれっ?インパラじゃねぇか。」


ぶつかったのはインパラの母親の弟、つまりおじのラファエルだった。


「あっおじさん。」


正直インパラはこの人があまり好きではなかった。


いつもぐうたらで酒ばかりのんで、ガセネタばかりきかせてくる。


自分の姉が死んだというのにショックはないのだろうか・・・・。


「インパラ!ちょっとこっちこいや!」


ラファエルがインパラの腕をつかんで路地裏に引き込んだ。


「何するんだよ、ラファエル!」


「いいか?よーくきけ、インパラ・・・・おれはすごいものを手に入れたぞ!」


どーせまたガセネタだろうと思っていたが、しぶしぶ話しを聞く事にした。


「こいつをみろ!」


ラファエルは懐から古臭い本を取り出すと器用にページをめくってインパラに見せた。


「こ、これは!?」


そこにかかれていたのは、古い伝説の話だった。


そこにはこう書かれていた・・・・・


『太古から伝えられし伝説の剣手にいれたならば、そのものの願いひとつだけかなえられたり』


そしてその文字の横に描かれていた剣こそ、インパラが夢で見た剣と同じものだった。


「おじさん!これどこで手に入れたの!?」


インパラはひどく興奮していた。


「いやぁ、そこの街角に本屋があるだろ?あそこからくすねてきたのさ!」


ラファエルは得意げだった。


インパラは盗んだことをせめるよりも今はその剣が気になってしかたなかった。


「そういやぁそこにのってる剣だが・・・・・」


「何か知ってるの!?」


「どうやらこの国の国宝の中にある秘宝中の秘宝の剣がその剣だってもっぱらの噂だぜ。


しかしそいつはどうやら城の中でも一番奥の開かずの間にあるらしいぜ。ま、入手は難しいな。」


「ありがとうおじさん!」


そういいながらインパラはその場を走り去った。


一人その場に残されたラファエルは


「なんだぁ?」


と不思議そうに首をかしげていた・・・・。


(やった!もしこの伝説が本当なら母さんを、父さんを生き返らせれる!)


インパラは一目散に家に帰って、倉庫を探った。


「確か母さんが昔父さんが使ってた剣が倉庫にあるっていってたんだけど・・・・」


倉庫は暗く、ひどくほこりだらけだった。


「これか!」


倉庫の一番奥に布をかぶせておいてあった剣をインパラは見つけた。


布をとりはらうと昔のものとは思えぬほどきれいな剣とさやがでてきた。


しかし刀身が長く、インパラの慎重と同じくらいあるものだった。


ためしにふってみた。


ひゅんっ


心地よい音が響く。


どうやら特殊な金属でできているらしく、羽のように軽い。


つかには宝石が埋め込んであり、なにやら字が刻まれている。


インパラは父の形見の剣を胸にあて固く誓った。


(必ず父さんと母さんを生き返らせて見せる)


インパラは城に忍び込んで秘宝の剣を盗み出すつもりだった。


罪の意識は無い。  ただ父と母にもう一度会いたかっただけなのだ。


その夜・・・・・・・・


インパラはシビック城の手前まできて計画を練った。


「どこからはいろうか・・・・・」


城の周りは堀がしてあって高い外壁に覆われている。入れるのは正門しかない。


「やっぱり門から入るしかないか・・・・。でも一体どうすれば・・・・。」


インパラが悩んでいると近くで物音がする。


「ちっくしょ~っ!!やってられるってかよ!!あんな城こっちかやめれやらぁ!!」


さけんでいたのはどうやら城での仕事を首になった者らしい。


「ぐがぁ~・・・・ぐがぁ~・・・・。」


そうやら寝てしまったようだ。


(そうだ!)


インパラはそ~っと男に近づき、


(ごめんっ!)


頭を思いっきりたたいた。


ばきっ


鈍い音が走る。


「う~~~ん・・・・・・・」


男は完全にきを失ってしまった。


(よし!)


インパラはその男の着ていた鎧をはぎとって、着てみた。


幸いにも慎重はインパラとおなじくらいなのでどうにかきることができた。


その男の剣を男の横において、代わりに形見の剣を腰にさした。


そして城の門の前まできた。


「待て。」


当然衛兵に止められる。


「町まで使いに出てたものだ。任務を終えて帰ってきた。」


「そうか、よし通れ。」


ぎぎー・・・・・・・


門が開いた。インパラは城内へはいるとあたりに誰もいないのを確認して一目散に走った。


夜にきたのが幸いした。


門番以外の兵士は皆寝ているようで、城内は人気がない。


(おじさんが城の一番おくっていってたけど一体どこなんだ?)


インパラが走りながら考えているとまたあの声が響いた・・・・


「こっちだ」


耳にではない。


脳に直接語りかけてくるような感じだ。


インパラが声のするほうへ走った。


どんどん声が大きくなる。


やがてひとつの扉の前にたどり着いた。


どうやらだいぶあけてられない様子で、ひどく古臭かった。


(ここか・・・)


インパラが扉に手をかけると扉は難なく開いた。


(あれっ?おじさんは開かずの間っていってのに・・・・)


インパラは部屋へ入った。


中はうすぐらく、足元もみずらい。


部屋の中心にはラファエルの言ったとおり。きれいな装飾のほどこされたさやにはいった剣があった。


しかし夢で見たものとは違うものだった。


「この剣が伝説の剣?」


インパラはその剣をつかんで、さやから引き抜いた。


するとなんとその剣は形見の剣と似たものだった。


しかしつかの宝石の字が違う。


「これはどういうことなんだ?」


形見の剣を引き抜き、見比べてみた。


「なんでこの剣と同じ形なんだろう?」


ふいにインパラが刃先をつけた瞬間、両の剣が光り始めた。


「うわぁ!」


光の中から現れたもの・・・・・・。それは夢で、本で見たあの伝説の剣だったのだ。


インパラはその剣を手に取った。


やはりインパラの慎重並みの大きな両手持ちの剣だったが羽のように軽い。


長い刀身の先のほうには文字が刻んであった。


「なんだこれ?ツヴァイ・・・ハン・・・ダー。」


「へぇ、この剣ツヴァイハンダーっていうのかぁ。」


つかのところには魔方陣が描かれており、怪しく光っていた。


インパラは試しに振ってみた。


ひゅんっ


空気をも切り裂くような感覚にインパラの体はふるえた。


インパラがその剣によいしれてると城の中が急に騒がしくなった。


「おいっ扉が開いてるぞ!!」


(やっば!!)


インパラはすぐさま3人の兵士に囲まれた。


「おまえは誰なんだ鎧をはずせ!」


インパラは鎧をはずした。


「おまえ!城のものじゃないな、捕まえろ!!」


(冗談じゃない!こんなとこで捕まったらせっかく剣を手に入れたのにパーじゃないか!!)


(おれは誓ったんだ!父さんを母さん生き返らせると!!)


インパラはツヴァイハンダーをかまえた。


「抵抗する気か!」


3人の兵士も剣をぬいた。


インパラめがけて突っ込んでくる。


「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


兵士たちがインパラに切りかかろうとした瞬間、


ヒュッ


インパラが兵士たちの視界から消えた。


と思ったらインパラは兵士たちの後ろにいた。


バタンッ


なんと兵士達が気絶してしまった。


インパラは兵士達の間を駆け抜けながら一撃づつ加えていったのである。


しかし不思議と兵士達に切り傷は無い。


(す、すごい身体が勝ってに動く!)


インパラは剣術など心得ていない。


ただ捕まりたくなかった。


そのことだけ考えていたらいつの間にか身体が勝ってに動いていたのである。


インパラは開かずの部屋をあとにした。


城の廊下へでるとすでにたくさんの兵士があつまっていた。


「いたぞ!あそこだ!!」


(やべっ)


インパラはすばやく近くの階段を駆け上った。


「まてーっ!!」


階段を駆け上ると上からも声がする。


「こっちだ!!したからあがってくるぞ!!」


(くそっはさまれちまった。一体どうすれば・・・・)


ふとインパラは近くの窓に目をやった。


(ちくしょう、おれに翼があればここから脱出できるのに・・・・)


インパラが強く願うとツヴァイハンダーの魔方陣が光り始めた。


「な、何だ!?」


なんと剣が形を変えて翼のように自分の背中にくっついていた。


「と、飛べるのかなぁ・・・・・」


ちょっと怖かったが今はそれにかけるしかない。


インパラは勢いよく窓を破った。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


当然落ちる。


インパラが死を覚悟したそのとき。


頭の中をまたあの声がよぎった。


「考えろ!羽を、自分が飛んでる姿をイメージするんだ!」


(自分が飛ぶ姿?)


インパラはわけがわからなかったが、イメージした。


(飛ぶ・・・・飛ぶ・・・・・飛ぶ!!)


次の瞬間。


インパラは中を飛んでいた。


背中の羽らしきものが空を切る。


「やった!ははっ!やったぞ!!」


インパラはふと声の主が気になったが、今は考えるのをやめにした。


今はそんなことより空を飛んでいるということを楽しみたい。


しかしそうもいかなかった。


またあの声だ。


「北へ飛べ。」


インパラはまたわけがわからないが、願いをかなえてもらうためだろうと北をめざした。


・・・・これがインパラと伝説の魔剣ツヴァイハンダーとの出会い、そして旅立ちだった。