Dr.Zが苦笑しながら、話してくれた矯正界の内情

前回でも触れましたが、矯正というのは、取りかかった最初に「初期費用」なるものが発生します。ブレイス・オン/オフの費用、リテイナーの費用がここに含まれています。
その後は、トリートメント(調整)のたびに、決まった金額を支払っていきます。

私がDr.Zで矯正を始めたとします。2年の矯正期間が必要として、途中で日本へ帰国することになったら、おそらくDr.Zに日本での矯正医を紹介してもらって引き続き治療を受けることになるでしょう。
この時、私の初期費用はDr.Vに支払い済みなので、私を引き受けた日本の矯正医は初期費用を取れない、と言うのです。
(ただ、これはその矯正医によると思われます。いくら、転院してきた患者だからと言って初期費用を取れないのでは、「貧乏くじ」に等しいでしょう。あくまで私の推測ですが、ブレイス・オフ費用とリテイナー費用ぐらいは転院してきた患者から取るのではないですか? もし、私が矯正医だったら取るなあ。)
Dr.Zだけが、おいしいとこ取りしたように思われると今後の仕事に差し障る、というようなことをおっしゃいました。

Dr.Zは、日本人医師で、アメリカで矯正を始めて途中で日本に帰任が決まってしまった患者さんに、日本の矯正医を紹介できることも売りにしているようです。
だから、私もこの矯正医に決めたのに・・・。

上記の論理で考えると、Dr.Zが手がけている患者さんが、帰任してDr.Zの紹介で日本の矯正医にかかると、そのお医者さんは引き受けた患者さんみんなから初期費用は取れないってことになるんじゃないですか?
私のケースだけに限ったことではないと思うんですよね。

なんだか、こう考えているとDr.Zに対する不信感がますます高まってきました

これ以上このドクターと話していてもしょうがない、と感じた私は、「分かりました。じゃあ、矯正はここでは出来ないってことですね。
Dr.Zはちょっとほっとしたような顔をして、「あなたの歯茎のコンディションはすごく良いので、そのままの状態を保てば50代になっても矯正は出来ますよ。」
これはもう、別れの言葉、そう私には感じられました。

最後に、抜歯までしたことについて聞くと、こんな答えが返ってきました
「抜いた4本の歯は、親知らず2本と修復不可能な歯、それに矯正には使えない歯列から著しく外れた歯。これらは、どこの歯医者に行っても抜くことをすすめられる。」

まあ、確かに目立った場所の歯を抜いたわけではないけど・・・。

こういう事情で、私の矯正への道は、なんとも中途半端なところで止まってしまったのです。