『小さい秋』いくつ見つけた?



朝晩に感じる 冷えた空気

果てしなく高いとこにある 青く澄んだ空

箒で掃いたような 流れる白い雲

道端で顔を覗かせ始めている 紫色のコスモス

野原で風に揺らぐ ススキ



『小さい秋』たくさん見つかったなら もう秋


恋しくなるのは


あなたの手の温もり



チエちゃんはまだ三歳だったんだよ


チエちゃんはいつも帽子を被ってたんだよ


チエちゃんはいつも絵本を抱えていたんだよ


チエちゃんはいつも後からついてきたんだよ


チエちゃんを捜して お母さんも看護師さんも 大変だったんだよ



夏休みのバイト明け
久しぶりに寄った病室


チエちゃん いなかったんだよ


遠い所へ たった一人で
旅立ったんだって…



ぼやける視界の中
必死に自転車漕いだのを
思い出すな



チエちゃんと初めて会ったのは 今日みたいな
暑い夏の始まりだったんだよ



チエちゃん まだ絵本持ってるかなぁ



自分が贈った
薄っぺらな絵本



同じ絵本が 自分の本棚にあるよ



悲しい想い出と
切ない時の流れが
描かれている


古ぼけた薄っぺらな絵本



なぁちゃんはきょうも
まどのそとをながめてばかりいました

まいにちまいにちあめふりばかりで
いやになっていました

あまがえるもあじさいも うれしそうなのに
なぁちゃんはちっともうれしくありません

あの まぶしくてあっかいおひさまにあいたくて

なぁちゃんは おきにいりのぴんくのながぐつとあかいかさをさして

こうえんまでおひさまをさがしにでかけました

すべりだいにも すなばにも ぶらんこにも
どこにも おひさまはみつかりません

かなしくなって なぁちゃんの めから
なみだがつぎからつぎからでてきました

まるできょうのてんきのように…

しばらくないていたら
こうえんのいりぐちで
なぁちゃんをよぶこえがきこえました

なぁちゃ~ん

おかあさ~ん

なぁちゃんは あめのなかをかけていき
おかあさんにだきつきました

おかあさんは あったかくて やさしくて
まるで おひさまのようでした

おかあさん
おひさま あったよ