昨日は気力体力が回復したので、ちょっと避けていた鬱映画(ドラマ)を3本ほど観ました。
精神的にズシンとくるものは元気な時じゃないと しんどいので
『惡の華』(映画版)と『タロウのバカ』と『イノセント・デイズ』(WOWOWドラマ)
『惡の華』は原作試し読みとアニメ版(アニメだけど役者さんが演じている映像をトレースしたロトスコープなので、半分実写みたいなもの)を以前に観ていたんだけれど、
田舎特有の閉塞感は すごく解って私自身も「向こう側に行きたい」人間でした。
主演(伊藤健太郎・玉城ティナ)の演技は拙くて ちょっとアレだったけれども、
お祭りの櫓の上で仲村さん(玉城ティナ)が父親に取り押さえられて
死ねなくて泣き叫んでいるシーンはグッとくるものがありました(ちゃんと生きられない もどかしさと、死ぬことすらできない悔しさと)。
中二(厨二)の世界で『ライチ☆光クラブ』の時も書いたけれど
子どもの世界って本当に狭いので(学校と家庭での生活が基本だし、その場所から出ていきたくてもお金もないし働くこともできない。義務教育が終われば、まだ稼ぐ手立てはあるんだろうけれど)
行きつく先は「死」しかないんだよね。
『惡の華』は最後少し救いがある?ような終わり方で良かったけれど(皆、高校生になって少しだけ大人になった(視野が広くなった)からだろうけど)
全く救いがないのが『タロウのバカ』と『イノセント・デイズ』
『タロウのバカ』はバイオレンス映画。
主演タロウ役を演じたYOSHIが一時期少し話題になっていたけれど、
演技と思えない狂った(幼稚で無邪気な)感じが凄かったです(無知な子どもゆえの狂気)。
本当に怖かった。
後先考えない、善悪の区別のつかない、失うものが何もない人間って本当に恐ろしい。
一切、言葉も常識も通じないような怖さがある。
無戸籍で学校に通ったことがないタロウ(仮名)と一緒につるんでいる高校生のエージ(菅田将暉)とスギオ(仲野太賀)。
チンピラを襲って拳銃を手に入れたことから始まる「破滅への道」。
エージはスポーツ推薦で高校に入ったけれど怪我で柔道ができなくなったことで学校にいる意味をなくし、
また出来の良い兄と比べられることによる劣等感からも自暴自棄になって悪事に手を染めている感じ。
スギオはエージと普通に友達として付き合いたかったんだろうけど、
一緒にいることで つられて悪いことをしてしまう(本当はそんなに悪い人間じゃないのに)。
友人は選ばなきゃ人生狂うぞって教訓。
じゃなければ最期、あんなことにはならなかったのに。
つい最近、篠栗町でおこった「5歳児 虐待死」の洗脳事件も同様。
この映画は仲野太賀がすごく良かったな(演技が良かったのもあるけど、ビジュアル的にかっこよかった。好きな顔なのかも)
タロウは誰からも教えてもらえないから自分で経験して知るしかないんだけど
「好き」も「死ぬ」ってことも解らなかったけど
(障がい者の女の子が明るくて可愛らしかったな。友達の男の子が川に浮かんでいる時に歌っているのも切なかった)
自分の身近な人がそうなったことで、だんだん理解して成長していくんだろうな。
でもこの先、どうなるんだろう。
このままだと将来ヤクザ(鉄砲玉)になっている姿しか想像できないんだけど・・。
長くなったので『イノセント・デイズ』はまた次回。