デンデラ | From Rabbit House

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昨日、映画『デンデラ』を観ました(学生の頃(ネットのない時代)から2日に1本ペースで映画を観ているけれど、筆が遅いのでブログでは映画に関してスルーしている)

 

いわゆる姥捨ての話なんだけれども『楢山節考』的なやつじゃなくて、姥捨てで山に置いて行かれた老人のその後の架空の世界の物語。

 

(ちなみに さっきWiki見たら、『楢山節考』の今村昌平 監督の息子さんが この作品の監督してた)

 

 

捨てられた老婆たち(70~100歳!)が山奥でひっそり(というか、獣を狩ったり木の実を採ったり、割と楽しそうに)生き延びて集落(デンデラと呼んでいる)を作っていて、「自分達を捨てた村人に復讐しよう」と計画。

 

 

主人公カユ(浅丘ルリ子)が来て、ちょうど50人。

 

「機は熟した」と計画を実行するもののに襲われ雪崩に巻き込まれ、どんどん老婆たちは死んでいく(デンデラが出来て30年、熊など現れなかったのに・・・カユは疫病神なのか?)

 

 

 

残った人数も数えるほどになり村人への復讐は人数で圧倒的不利ということで中止に。

 

 

(元々デンデラの長であるメイ(草笛光子)が執拗に「村人を殺す」と言っていたけれど、他の者はそれに のせられていたように思える。

 

明らかに反対していたのは「いくじなし」と見なされたマサリ(倍賞美津子)たち数名だったけど。

 

倍賞美津子は『楢山節考』の時の生い立ち設定が今作で活かされてるんだな)

 

 

かといって、そこにも住めず(熊に大勢が殺され、熊にとって かっこうの餌場になってしまったから)

 

「ここは地獄だ!」とカユは新天地を目指そうとする。

 

 

 

その前に「熊だけは倒す」(それは山で暮らす自分のためでもあり、残った者たちのためでもある)と熊を見つけて おびき寄せ、へと誘導していく。

 

熊は村人数名を襲ったので、結果として当初の計画は多少実行できたのかな?(元々カユは村人たちを襲うのに反対していたんだけれども)

 

ラストはカユと熊が対峙した場面で終わる。

カユが勝ったのか・・?熊が勝ったのか・・・?

 

 

 

原作は小説のようで未読。

だいぶ前に漫画で似た設定の(現代風にアレンジした)物を読んだけど、それはこの作品を元に描いたものだったのかな?

 

映画自体はとても楽しめました。

思ってたのと、だいぶ違ったけど。

 

女は逞しいなぁと思い知らされました(私も女だけどw)

 

 

日本の名だたる女優が出ているけれども皆ボロボロの着物を着て、髪もバサバサ、顔も汚れて、誰が誰か分からないような状態でした(後から山本陽子が出てるって知った)

 

ロケ地も雪山で極寒だったろうし、そんな中 走り回ったり血まみれになったり本当に撮影は過酷だっただろうなと、そっちばかり気になってしまいましたあせる

 

 

 

で、最近 3.11 関連の記事を目にすることが多いのですが、東北の復興が進まないのは「住んでいた町(家)を(そっくりそのまま)元に戻してほしい」という意見があるから。

 

 

正直、津波で流された土地を嵩上げしたところで、地盤は緩いし また流されるのに・・。

 

原発で放射線量の低い土地に新たに町を形成して人を呼び込もうったって、誰も行くわけないのに・・・。

 

 

その土地に こだわり続ける人って何なんだろう?

田舎の人に多くみられる(染みついた)感情。執着心。

土着気質というか。

 

 

もちろん農業漁業をしてきた人が、先祖から受け継いだその土地に居続けたいという気持ちも解らんでもない(町に残っている人は、そういった人なのだろう。変革を好まざる人々)

 

しかし元々人が住むに適さない町(昔から津波の被害に遭っていたり、今でも頻繁に地震が起こっている)に住んでいたのに、まだそこに同じように住み続けたいというのはわがままなんじゃないかな?

 

(↑酷い言い草かもしれない。どこで災害が起こるか分からないという意味では日本全国同じだろうから。

 

でも例えば水害がある所は何年経っても起こる場所なんだから、やっぱり そこには家は建てちゃいけないんだと思う)

 

 

 

元の土地に住みたいという人は、そこでまた地震が起きて津波に遭ったとしても「死んでもいい」とさえ言っている。

 

だったら何のために巨額のお金を使って復興なんてやってるんだろう?と、いささか疑問に思ってしまいました。

 

 

実際9年も経つと新たな土地へ移住した人達は、そこで生活の基盤ができて「前の町には戻りたくない」という意見も多いそう。

 

(アンケートでは移住した人の6割がそう思っているらしく、意外と多いなと感じた。

 

もっと戻りたいのかと思ったけれど、住めば都。

 

まぁ、よそへ移住する人は「前へ進もう」って決めた人達だから、当然っちゃ当然なんだろう)

 

 

 

デンデラに熊が出没し、たくさん人が殺され、家も壊され、その中の一部住民は「歳をとっているから、よそへは行けない。デンデラを立て直す(再建する)」と言って残りました。

 

一方、主人公カユは「新しい土地に新たにデンデラを作る」と言って、元のデンデラを去って行きました。

 

どちらが正しかったのかは分かりません。

 

 

 

もしかしたら、熊対策(地震・津波対策)が出来てデンデラ(東北の町)が再建できるかもしれない!?

 

もしかしたら、新天地(移住)で楽しく暮らせるかもしれないし、とても苦労するかもしれない!?

 

それは正直分からない(だから難しい問題なんだ)けれども、でも、一歩踏み出す勇気が必要なんじゃないのかな?

 

 

それまでの凝り固まった考えを改めないと、今後も復興は進まないと思います。

 

来年で十年

今一度、考え直す時期なのかもしれません。