2009年5月28日のロンドンは、
希にみる快晴だった。

仕事を終えた後、
あてもなくロンドンの町を歩いた。

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ジャーミンストリートや ボンドストリートに面する
お店に入る。

「今日は本当に素晴らしい天気だと思わない?
あなたはついてるわね。」

店員は、決まり文句のように
僕にこう言った。


そう、
一年中、雲に覆われているロンドンが
こんなに晴れているなど
本当に珍しいことなのだ。

しかし、店に入るたびに、
何度もそのように言われると


「そうか。俺はついてるんだな。」


なんて、本当にそう思えてしまうから、単純なものである。



タワーブリッジを横目に
テムズ川沿いを歩く。


天気のおかげなのだろうか、
すれ違う人々は、みんな
さわやかな笑顔を浮かべている。



しばらく歩くと
一人の女性が、川沿いで
オイスターを売っていた。

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無造作に置かれた木製の椅子に座り、
テムズ川を眺めながら、オイスターを注文し、
一杯だけ白ワインを飲んだ。



昨日の今頃は、ブダペストの鎖橋から
ドナウ川を眺めていたと思うと
何とも不思議な気持ちになる。



初夏の爽やかな風を感じながら、
眩しい空を眺めた。


ロンドンにしては珍しいという
特別な青空が広がっている。


フランクフルト、ミュンヘン、ブダペスト、
そしてロンドン。

出張の最後を締めくくる
シチュエーションとしては
このロンドンの青空は
僕にはもったいなすぎる程だった。


女性がオイスターをテーブルに
運んできて、こう言った。


「Sir..今日は素晴らしい天気だと思わない?」


もう一度、空を眺める。


「そう思うよ。僕はついている男だからね。」


空をみつめ、ニコリと笑う彼女を
テムズの風がやわらかく包んだ。


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