*この記事はDivert 2の続編です。

大連空港でのイミグレを済ませ、
到着ロビーへ向かう。

雪でのクローズのせいで
大連空港は人でごった返していた。

到着ロビーで待っていた、現地のドライバーに
連れられ、迎えにきていたハイヤーの停車場まで歩く。

「な、なんだこの寒さは・・」

大連の昼の気温は、-6℃だった。
昨夜、15度だった上海との気温差は
実に20℃以上である。
中国大陸は恐ろしい。

想像してもらいたい。
-6度の中、スーツだけでコートが
ないのである。

早くハイヤーに乗り込みたいが、
道はツルツルに凍っている。
しかも革靴である。

滑って転んで怪我をするか、
凍死するか。
滑らないように足元に気をつけながら
小走りで、ハイヤーに乗り込む。

この日のハイヤーは、運が悪いことに
古びたフォルックスワーゲンのセダンだった。

「ベンツじゃない。。はぁ」

社用車が使えればよかったのだが、
あいにくこの日は、社用車は都合がつかず
お抱えのハイヤー会社に、手配をお願いしていた。

案の定、暖房の効きが悪く、
高速道路に乗ると、ドアの隙間から
氷点下の隙間風邪が車内に入り込んでくる。

$31才 東京で働く商社マンのブログ


僕は、大連の工場地帯にある顧客に到着する
一時間ものあいだ、荷物から薄手のニットを
とりだし、死んだように後部座席でうずくまっていた。

「死ぬ。。」

この日ほど、暖房の効いた
革張りのメルセデスベンツが恋しいと
思ったことはなかった。


続く。


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