今週もまた一週間スタートです。
もう暫らく頑張れば、シルバーウィークの到来。
みなさん、予定は立てられましたでしょうか?
さて、前回のブログでも少し触れましたが、
自分が30歳になって、
環境の変化のキーワードとして、
「引越し」と「ハーレー」の2つを挙げました。
今日はこの「ハーレー」について
少しお話を。
"Harley Davidson"
1903年に誕生した、米国ミルウォーキーの
バイクメーカーです。
バイクに興味の無い人でも
「ハーレー」という言葉は一度くらい
耳にしたことがあるのではないでしょうか?
そして、「ハーレー」と聞くと
「デカイバイク」をイメージされるかもしれません。
確かに「デカイ」です。
車体も、もちろんデカいのですが、
エンジンの排気量もデカイんです。
「エンジンの排気量」といってもピンとこないかも
しれませんが、分かりやすく表現するのならば
「エンジンの大きさ」と考えてもらっていいと思います。
ハーレーの排気量は、883ccから1500cc超まで。
一般的な軽自動車(ワゴンRとかライフとか)は
700cc弱程度なんで、軽自動車の2倍程度の
大きさのエンジンをバイクのフレームに
積んでいるわけです。
この大きなエンジンを積んだハーレーに乗るには
(400ccを超える大排気量バイクに乗るには)
「大型自動二輪」という免許が必要になります。
本場アメリカでは、ハーレーは
「アイアンホース」とも呼ばれ、
エンジンに火をいれた瞬間に目覚める
その鉄の馬のような、独特のエンジンサウンド、
鼓動感は、多くのバイク乗りを魅了してやみません。
日本でも、ハーレー乗りがハーレーを
「鉄馬」と呼ぶのは、
この「アイアンホース」に由来しています。
10年以上前に遡りますが、
Charがバイクに乗り始めたのは、大学2年生で
まだ19歳のとき。
400ccまでのバイクに乗車可能な
いわゆる「中免」といわれる
「普通自動二輪免許」を取得しました。
きっかけは、真夜中に見た
1本のアメリカ映画。
"EASY RIDER"

1969年に公開された、ハーレー乗りにとっては
バイブルとされる映画です。
デニス・ホッパーとジャック・ニコルソンが共演するなど
俳優陣も実に豪華。
1969年といえば、Charが生まれる
ちょうど10年前。
今から40年前に製作された映画です。
アポロ11号が月に着陸し、
日本では、東大で安田講堂事件が起きた年です。
物語のストーリーですが、
キャプテン・アメリカこと「ワイアット」と
「ビリー」の二人が
チョッパースタイルにカスタムされた
2台のハーレーで、LAからニューオリンズまで
旅をするというもの。
星条旗柄のヘルメットにサングラス、ライダースジャケットを
身にまとった、最高にクールなキャプテン・アメリカのポスターを
一度くらいは目にしたことが、ある人は多いんじゃないでしょうか?
二人は、いわゆる「アウト・ロー」な自由人です。
僕らは、アメリカ人というと
「自由を愛する人種」というイメージを持ちがちです。
しかし、この映画では、自由人である二人が行く先々で、
奇異の目で見られ、疎まれ、
最後には悲劇的な結末を迎える様子がリアルに
描かれています。
「アメリカ人は自由を証明するためなら殺人も平気だ。
個人の自由についてはいくらでもしゃべるが、
自由な奴を見るのは怖いんだ・・・」
劇中に出てくる、この印象的なセリフが
当時のアメリカを表現してたのかもしれません。
ステッペンウルフの"Born to Be Wild"を
バックミュージックに
2台のカスタムされたハーレーが
広大な荒野を駆けていく。
この映画の冒頭にある有名なシーンに
すっかり、やられてしまった、若かりしCharは
その一週間後には、教習所に通い始めていました。
しかし、悲しいかな
学生の身分では、高価なハーレーなんて、
とてもとても買えるものではありません。
ましてや、大型自動二輪の免許も
取得できるスキルはありませんでした。
(ほとんどの場合は、普通自動二輪免許取得後、
数年間バイクに慣れてから、大型自動二輪にチャレンジ
するケースが多い。
教習所でも、普通自動二輪を持っていないと
大型自動二輪の教習を受け付けてもらえないケースが
ほとんど。)
そんなわけで、免許を取得後、どうしても
キャプテンアメリカになりたかった、若かりしCharは
ハーレーを模してつくられた
「アメリカン」といわれるカテゴリーの
国産バイクを、上野の中古バイクショップで買いました。
中古のカワサキの「バルカン」という400ccのバイクで、
当時、40万円くらいをローンを組んで買いました

↑
これがその「バルカン」というバイクです。
そこからは、CharのEASY RIDERな生活がスタート。
毎月、バイト代は、バイクのカスタム代に(笑)
タンクやフェンダーをペイントしたり、
マフラーやウインカー、シートをチョッパースタイルに交換したり。
所詮はいくらカスタムしたところで、ハーレーではないんですが、
それでも、すごく毎日が楽しかったんです。
もちろん、Char自身も気分はEASY RIDER。
髪を伸ばし、ヒゲをのばし、
知人に頼み込んで譲ってもらった、VANSONの
ホースハイドのシングルライダースを着込み、
キャンディレッドに塗装したジェットヘルに
レイバンのサングラスをして、、
キャプテンアメリカのように、地図も持たず
タンデムシートに、シュラフと着替えをを縛り付けて
何日も、あてのない旅にでたりしました。
学生の特権ですね。
今考えると、Charの一人キャンプ好きは、
このときから始まったのかもしれません(笑)
オトナ達からは、奇異な目で見られたりもしましたが、
人にどう思われようが、その頃のCharは
全く、お構いなし。
だって、自分はキャプテン・アメリカですから(笑)
かなり恥ずかしい学生ですが、
それでも、そのときは、それが
自分の中では、最高にクールだったんです。
そんな中でも、旅先のインターなどでは
EASY RIDER世代の、ハーレー乗りのおじさん達に、
良く声をかけてもらい、
「いつかは、ハーレー」という気持ちが
どんどん強くなっていきました。
渋谷に行くと、東急ハンズ前にある
ハーレーダビッドソンに立ち寄り、
買えないとわかっているのに
いかつい、ハーレー乗りのお兄様方にまじって、
ピカピカに磨かれた、たくさんのハーレーを
観察しては、妄想にふけっていました(笑)
「いつかは、渋谷でハーレーを買う!」
バイク乗りの友人達には、良くこんな話をしてました。
20世紀は最後の年。、
そんなCharも、大学4年生に。
世の中は2000年就職氷河期といわれる真っ只中。
まわりは就職活動をとっくにスタートさせている中、
Charは、相変わらず愛車と
EASY RIDERな生活を続けてました。
就職活動って、髪切らないといけないでしょ?
Charの中では、
自由のシンボルだった長髪を断髪??
なんか、受け入れられなれなかったんだよね。
(かなりお子様です)
とは言え、人生の大きな流れには逆らえず、
大学4年生の4月の終わりには髪を切り、
就職活動を開始しました。
セミナーを聞きにいったのが2社。
面接をうけたのが4社。
少なすぎ(笑)
不況だったんで、会社の就職セミナーなんて
ほとんどなかったしね。
幸い、ある会社が僕を拾ってくれて、
Charは5月の終わりに就職活動を終えて、
また、髪を伸ばし、バイク生活を再開しました。
そして、社会人になり、
いろいろと考えるところがあり
Charはバイクを降りることに。
会社の寮の近くにあったバイク屋に
買取を依頼しました。
買取金額は、わずか14万円。
バイク屋から歩いて帰りながら
熱い思い出がこみ上げました。
愛情を注いだ愛車と別れる際、
青春を、自由を、
売り渡してしまったような気持ち
になってしまったんですよね。
そのあと、車を買って、
Charはキャプテン・アメリカから
普通のサラリーマンになりました。
その後も、たまに、
どうしてもバイクに乗りたくなることがあり、
何度か友達にバイクを借りてツーリングに
出かけたりしました。
でも、何かが違う。
もうキャプテン・アメリカには
戻ることができませんでした。
そして、月日は流れて
今年の7月の終わり。
渋谷に行く用事があり、たまたま、
あの渋谷のハーレーダビッドソンの前を
通りかかりました。
お店に入ったのは、10年ぶりでしょうか。
お店の前を通ることは、何度もあったのですが、
バイクを降りてからというもの、
なんとなく気がひけて、中を覗く気にはなれなかったんです。
店内は、相変わらず
ハーレー乗りや、オレンジとブラックのユニフォームを着た
スタッフとメカニック達で活気があり、
エンジンオイルと新車の香りが混じった
懐かしい空気のままでした。
ここだけは、10年前から
時間が止まっているようでした。
僕だけは、時間が10年分流れて
30歳になっていました。
店員さんに話し掛けて
全車種のカタログを見せてもらいました。
見慣れないラインナップもありましたが
ほとんどの車種が、10年前と
デザインに変更はありません。
「変わらない」
これがハーレーのいいところです。
何台か、エンジンをかけてもらいました。
「ドッドッドッド」
目を覚ましたアイアンホースの鼓動。
揺れるラバーマウントのVツインエンジン。
規制のためか、昔のハーレーよりは、
幾分フィーリングが大人しくなった感じはしましたが
それは、間違いなくハーレーであり、
10年前の思いが
蘇ってくるのを感じました。
スタッフさんの話を聞いていると
衝撃的な事実が判明。
この8月23日をもって、14年間続いた
渋谷店を閉店するというのです。
「いつかは、渋谷でハーレーを買う!」
10年前に思い描いた夢を実現させるのは
もうラストチャンスになります。
それから、その日は
カタログをもらって帰り、
本気で購入検討を始めました。
そして、次の週の平日に、
会社を早く切り上げ、
再び、渋谷を訪れました。
20時閉店のお店ですが、
スタッフさんの厚意で、22時まで
店を開けてもらい、
長時間にわたり、購入の相談に
乗ってもらいました。
購入したい車種は決まっていました。
XL1200N、通称 ”NightSter"

EASYRIDERのようなチョッパースタイルでは
ないですが、旧車を彷彿とさせる
1200ccのエンジンを積んだ
レトロ・ロッドなモデルです。
しかし、ハーレーを購入するにあたり
大きな問題がありました。
そう、
大型免許を持っていなかったんです。
でも、そんなことを気にしていては
何も進まない。
そう思ったCharは
次の週末に、再び渋谷店を訪れ
実車を見て、免許ナシの状態にも
関わらず契約をしてきました。
そこからは必死です(笑)
即効、自動車教習場に入学し、
夏休みをフル利用して、
2週間で大型免許を取得しました。(キセキ)
久しぶりの教習場楽しかったなー。
バイク乗りの友達もできたし。
そして、めでたく8/18に納車を迎え
Charは、ハーレー乗りになることができました。
話には聞いていましたが、ハーレーの
「納車セレモニー」は良かったです!
少し恥ずかしいのですが、
納車時の写真撮影後、特性アルバムに入れて
プレゼントしてもらえます。
また、オーナーズキットというセットをもらえるのですが、
その中に、ブリキ製の缶が入っていました。
その中には、白い布製のベルトのようなものが
入っていました。
「このベルトは、あなたのハーレーダビッドソンを
ずっと支えつづけてきたものです。
記念に贈呈いたします。」
付属の説明を読むと、このような趣旨のことが
書いていました。
こういうことです。
ハーレーは、一台一台が、大きな箱に入って、
アメリカから、船に乗って海を渡り
日本にやってきます。
その箱を、船にベルトで固定するわけですが、
その自分のハーレーを支えてくれた
タイダウンベルトが記念品として
一人一人のオーナーにプレゼントされるわけです。
何か、男心をくすぐる、ニクい演出だと思いませんか?
かくして、Charのハーレーは
渋谷店として、最後の納車車両になったわけです。
とーってもバタバタでしたが、
何とか10年越しの夢をかなえることができました。
納車して、3週間ほどしか経っていませんが
もう愛車で1,000KM以上を走り、
毎週末のハーレーライフを楽しみに
今は仕事に励む生活です。
休日の朝早く、車庫で眠る
冷えた鉄馬にまたがる。
BUCOのレトロなジェットヘルに
オリバーピープルズのサンシェード。
カスタムペイントされた
トイズマッコイのA-2フライトジャケットを羽織り、
ボッテガベネタのライダーグローブに指を通す。
イグニッションをONにして、エンジンボタンを押し込むと
馬の嘶きのような音をあげながら
エンジンに火が入り、鉄の心臓がドコドコと鼓動を始める。
馬の横腹をけり、ムチをいれるように
ブーツの底でギアをLowに蹴りこみ、
アクセルを開け、硬いクラッチを繋ぎ始めると
重い鉄馬の体が、ブルブルと震えながら前に進み始める。
湾岸に乗り、アクセルを開けると
アイアンホースは体を震わせ、力強く加速する。
日々の疲れや、しがらみも
コイツに乗れば、何処かに吹き飛んでいく。
世界中のハーレー乗りの合言葉。
"LIVE TO RIDE,
RIDE TO LIVE"
さあ相棒、今日はどこまで走ろうか?
もう暫らく頑張れば、シルバーウィークの到来。
みなさん、予定は立てられましたでしょうか?
さて、前回のブログでも少し触れましたが、
自分が30歳になって、
環境の変化のキーワードとして、
「引越し」と「ハーレー」の2つを挙げました。
今日はこの「ハーレー」について
少しお話を。
"Harley Davidson"
1903年に誕生した、米国ミルウォーキーの
バイクメーカーです。
バイクに興味の無い人でも
「ハーレー」という言葉は一度くらい
耳にしたことがあるのではないでしょうか?
そして、「ハーレー」と聞くと
「デカイバイク」をイメージされるかもしれません。
確かに「デカイ」です。
車体も、もちろんデカいのですが、
エンジンの排気量もデカイんです。
「エンジンの排気量」といってもピンとこないかも
しれませんが、分かりやすく表現するのならば
「エンジンの大きさ」と考えてもらっていいと思います。
ハーレーの排気量は、883ccから1500cc超まで。
一般的な軽自動車(ワゴンRとかライフとか)は
700cc弱程度なんで、軽自動車の2倍程度の
大きさのエンジンをバイクのフレームに
積んでいるわけです。
この大きなエンジンを積んだハーレーに乗るには
(400ccを超える大排気量バイクに乗るには)
「大型自動二輪」という免許が必要になります。
本場アメリカでは、ハーレーは
「アイアンホース」とも呼ばれ、
エンジンに火をいれた瞬間に目覚める
その鉄の馬のような、独特のエンジンサウンド、
鼓動感は、多くのバイク乗りを魅了してやみません。
日本でも、ハーレー乗りがハーレーを
「鉄馬」と呼ぶのは、
この「アイアンホース」に由来しています。
10年以上前に遡りますが、
Charがバイクに乗り始めたのは、大学2年生で
まだ19歳のとき。
400ccまでのバイクに乗車可能な
いわゆる「中免」といわれる
「普通自動二輪免許」を取得しました。
きっかけは、真夜中に見た
1本のアメリカ映画。
"EASY RIDER"

1969年に公開された、ハーレー乗りにとっては
バイブルとされる映画です。
デニス・ホッパーとジャック・ニコルソンが共演するなど
俳優陣も実に豪華。
1969年といえば、Charが生まれる
ちょうど10年前。
今から40年前に製作された映画です。
アポロ11号が月に着陸し、
日本では、東大で安田講堂事件が起きた年です。
物語のストーリーですが、
キャプテン・アメリカこと「ワイアット」と
「ビリー」の二人が
チョッパースタイルにカスタムされた
2台のハーレーで、LAからニューオリンズまで
旅をするというもの。
星条旗柄のヘルメットにサングラス、ライダースジャケットを
身にまとった、最高にクールなキャプテン・アメリカのポスターを
一度くらいは目にしたことが、ある人は多いんじゃないでしょうか?
二人は、いわゆる「アウト・ロー」な自由人です。
僕らは、アメリカ人というと
「自由を愛する人種」というイメージを持ちがちです。
しかし、この映画では、自由人である二人が行く先々で、
奇異の目で見られ、疎まれ、
最後には悲劇的な結末を迎える様子がリアルに
描かれています。
「アメリカ人は自由を証明するためなら殺人も平気だ。
個人の自由についてはいくらでもしゃべるが、
自由な奴を見るのは怖いんだ・・・」
劇中に出てくる、この印象的なセリフが
当時のアメリカを表現してたのかもしれません。
ステッペンウルフの"Born to Be Wild"を
バックミュージックに
2台のカスタムされたハーレーが
広大な荒野を駆けていく。
この映画の冒頭にある有名なシーンに
すっかり、やられてしまった、若かりしCharは
その一週間後には、教習所に通い始めていました。
しかし、悲しいかな
学生の身分では、高価なハーレーなんて、
とてもとても買えるものではありません。
ましてや、大型自動二輪の免許も
取得できるスキルはありませんでした。
(ほとんどの場合は、普通自動二輪免許取得後、
数年間バイクに慣れてから、大型自動二輪にチャレンジ
するケースが多い。
教習所でも、普通自動二輪を持っていないと
大型自動二輪の教習を受け付けてもらえないケースが
ほとんど。)
そんなわけで、免許を取得後、どうしても
キャプテンアメリカになりたかった、若かりしCharは
ハーレーを模してつくられた
「アメリカン」といわれるカテゴリーの
国産バイクを、上野の中古バイクショップで買いました。
中古のカワサキの「バルカン」という400ccのバイクで、
当時、40万円くらいをローンを組んで買いました

↑
これがその「バルカン」というバイクです。
そこからは、CharのEASY RIDERな生活がスタート。
毎月、バイト代は、バイクのカスタム代に(笑)
タンクやフェンダーをペイントしたり、
マフラーやウインカー、シートをチョッパースタイルに交換したり。
所詮はいくらカスタムしたところで、ハーレーではないんですが、
それでも、すごく毎日が楽しかったんです。
もちろん、Char自身も気分はEASY RIDER。
髪を伸ばし、ヒゲをのばし、
知人に頼み込んで譲ってもらった、VANSONの
ホースハイドのシングルライダースを着込み、
キャンディレッドに塗装したジェットヘルに
レイバンのサングラスをして、、
キャプテンアメリカのように、地図も持たず
タンデムシートに、シュラフと着替えをを縛り付けて
何日も、あてのない旅にでたりしました。
学生の特権ですね。
今考えると、Charの一人キャンプ好きは、
このときから始まったのかもしれません(笑)
オトナ達からは、奇異な目で見られたりもしましたが、
人にどう思われようが、その頃のCharは
全く、お構いなし。
だって、自分はキャプテン・アメリカですから(笑)
かなり恥ずかしい学生ですが、
それでも、そのときは、それが
自分の中では、最高にクールだったんです。
そんな中でも、旅先のインターなどでは
EASY RIDER世代の、ハーレー乗りのおじさん達に、
良く声をかけてもらい、
「いつかは、ハーレー」という気持ちが
どんどん強くなっていきました。
渋谷に行くと、東急ハンズ前にある
ハーレーダビッドソンに立ち寄り、
買えないとわかっているのに
いかつい、ハーレー乗りのお兄様方にまじって、
ピカピカに磨かれた、たくさんのハーレーを
観察しては、妄想にふけっていました(笑)
「いつかは、渋谷でハーレーを買う!」
バイク乗りの友人達には、良くこんな話をしてました。
20世紀は最後の年。、
そんなCharも、大学4年生に。
世の中は2000年就職氷河期といわれる真っ只中。
まわりは就職活動をとっくにスタートさせている中、
Charは、相変わらず愛車と
EASY RIDERな生活を続けてました。
就職活動って、髪切らないといけないでしょ?
Charの中では、
自由のシンボルだった長髪を断髪??
なんか、受け入れられなれなかったんだよね。
(かなりお子様です)
とは言え、人生の大きな流れには逆らえず、
大学4年生の4月の終わりには髪を切り、
就職活動を開始しました。
セミナーを聞きにいったのが2社。
面接をうけたのが4社。
少なすぎ(笑)
不況だったんで、会社の就職セミナーなんて
ほとんどなかったしね。
幸い、ある会社が僕を拾ってくれて、
Charは5月の終わりに就職活動を終えて、
また、髪を伸ばし、バイク生活を再開しました。
そして、社会人になり、
いろいろと考えるところがあり
Charはバイクを降りることに。
会社の寮の近くにあったバイク屋に
買取を依頼しました。
買取金額は、わずか14万円。
バイク屋から歩いて帰りながら
熱い思い出がこみ上げました。
愛情を注いだ愛車と別れる際、
青春を、自由を、
売り渡してしまったような気持ち
になってしまったんですよね。
そのあと、車を買って、
Charはキャプテン・アメリカから
普通のサラリーマンになりました。
その後も、たまに、
どうしてもバイクに乗りたくなることがあり、
何度か友達にバイクを借りてツーリングに
出かけたりしました。
でも、何かが違う。
もうキャプテン・アメリカには
戻ることができませんでした。
そして、月日は流れて
今年の7月の終わり。
渋谷に行く用事があり、たまたま、
あの渋谷のハーレーダビッドソンの前を
通りかかりました。
お店に入ったのは、10年ぶりでしょうか。
お店の前を通ることは、何度もあったのですが、
バイクを降りてからというもの、
なんとなく気がひけて、中を覗く気にはなれなかったんです。
店内は、相変わらず
ハーレー乗りや、オレンジとブラックのユニフォームを着た
スタッフとメカニック達で活気があり、
エンジンオイルと新車の香りが混じった
懐かしい空気のままでした。
ここだけは、10年前から
時間が止まっているようでした。
僕だけは、時間が10年分流れて
30歳になっていました。
店員さんに話し掛けて
全車種のカタログを見せてもらいました。
見慣れないラインナップもありましたが
ほとんどの車種が、10年前と
デザインに変更はありません。
「変わらない」
これがハーレーのいいところです。
何台か、エンジンをかけてもらいました。
「ドッドッドッド」
目を覚ましたアイアンホースの鼓動。
揺れるラバーマウントのVツインエンジン。
規制のためか、昔のハーレーよりは、
幾分フィーリングが大人しくなった感じはしましたが
それは、間違いなくハーレーであり、
10年前の思いが
蘇ってくるのを感じました。
スタッフさんの話を聞いていると
衝撃的な事実が判明。
この8月23日をもって、14年間続いた
渋谷店を閉店するというのです。
「いつかは、渋谷でハーレーを買う!」
10年前に思い描いた夢を実現させるのは
もうラストチャンスになります。
それから、その日は
カタログをもらって帰り、
本気で購入検討を始めました。
そして、次の週の平日に、
会社を早く切り上げ、
再び、渋谷を訪れました。
20時閉店のお店ですが、
スタッフさんの厚意で、22時まで
店を開けてもらい、
長時間にわたり、購入の相談に
乗ってもらいました。
購入したい車種は決まっていました。
XL1200N、通称 ”NightSter"

EASYRIDERのようなチョッパースタイルでは
ないですが、旧車を彷彿とさせる
1200ccのエンジンを積んだ
レトロ・ロッドなモデルです。
しかし、ハーレーを購入するにあたり
大きな問題がありました。
そう、
大型免許を持っていなかったんです。
でも、そんなことを気にしていては
何も進まない。
そう思ったCharは
次の週末に、再び渋谷店を訪れ
実車を見て、免許ナシの状態にも
関わらず契約をしてきました。
そこからは必死です(笑)
即効、自動車教習場に入学し、
夏休みをフル利用して、
2週間で大型免許を取得しました。(キセキ)
久しぶりの教習場楽しかったなー。
バイク乗りの友達もできたし。
そして、めでたく8/18に納車を迎え
Charは、ハーレー乗りになることができました。
話には聞いていましたが、ハーレーの
「納車セレモニー」は良かったです!
少し恥ずかしいのですが、
納車時の写真撮影後、特性アルバムに入れて
プレゼントしてもらえます。
また、オーナーズキットというセットをもらえるのですが、
その中に、ブリキ製の缶が入っていました。
その中には、白い布製のベルトのようなものが
入っていました。
「このベルトは、あなたのハーレーダビッドソンを
ずっと支えつづけてきたものです。
記念に贈呈いたします。」
付属の説明を読むと、このような趣旨のことが
書いていました。
こういうことです。
ハーレーは、一台一台が、大きな箱に入って、
アメリカから、船に乗って海を渡り
日本にやってきます。
その箱を、船にベルトで固定するわけですが、
その自分のハーレーを支えてくれた
タイダウンベルトが記念品として
一人一人のオーナーにプレゼントされるわけです。
何か、男心をくすぐる、ニクい演出だと思いませんか?
かくして、Charのハーレーは
渋谷店として、最後の納車車両になったわけです。
とーってもバタバタでしたが、
何とか10年越しの夢をかなえることができました。
納車して、3週間ほどしか経っていませんが
もう愛車で1,000KM以上を走り、
毎週末のハーレーライフを楽しみに
今は仕事に励む生活です。
休日の朝早く、車庫で眠る
冷えた鉄馬にまたがる。
BUCOのレトロなジェットヘルに
オリバーピープルズのサンシェード。
カスタムペイントされた
トイズマッコイのA-2フライトジャケットを羽織り、
ボッテガベネタのライダーグローブに指を通す。
イグニッションをONにして、エンジンボタンを押し込むと
馬の嘶きのような音をあげながら
エンジンに火が入り、鉄の心臓がドコドコと鼓動を始める。
馬の横腹をけり、ムチをいれるように
ブーツの底でギアをLowに蹴りこみ、
アクセルを開け、硬いクラッチを繋ぎ始めると
重い鉄馬の体が、ブルブルと震えながら前に進み始める。
湾岸に乗り、アクセルを開けると
アイアンホースは体を震わせ、力強く加速する。
日々の疲れや、しがらみも
コイツに乗れば、何処かに吹き飛んでいく。
世界中のハーレー乗りの合言葉。
"LIVE TO RIDE,
RIDE TO LIVE"
さあ相棒、今日はどこまで走ろうか?