夢の中で、小学生の時に遊んでいた子がでてきた。

 

夢の中のその子はゲームをしていたが、途中でデータが消えていたことに気付いたのか、不機嫌なのをうかがえた。

 

おそらく私の何かの行いでそのデータは消えてしまったのだろうと思ったが、素直に言い出せず、謝ることさえせず、そのデータを復活させるのにどれだけの時間がかかるだろう、めんどくさそうだな、と想像した卑怯な自分に気づいたところで目が覚めた。

 

目覚めの悪い夢で起きたので、いやな気持ちになるかと思ったが違った。

 

その子とは家が近く、ゲームをたくさん持っていたので一方的に好意を寄せてつるんでいた。

 

ある日、その子が持っていたゲームを私は一つ盗んでしまった。そのゲームが欲しかったのか今では思い出せないが、その子が羨ましかったのか、とにかく卑しい気持ちで持ち出したのを覚えている。

 

その子の母親から電話が来て、ゲームの行方を聞かれたが、知らないふりをした。だがすぐに、まずいと思ったのだろう、ゲームをひっそりと返しに行った。誰も見ていない窓の隙間からそっと返した。それを覚えている。

 

とにかくその子に対して、とても後ろめたい気持ちばかりが募っていたのは事実だ。

 

なんて卑怯で嫌なやつなのだろうと、今更ながら昔の自分の本性を受け入れた。

 

その瞬間になんとも言えない、開放感に似た感覚が押し寄せた。

 

とても頭がすっきりし、心が軽やかになったのを感じた。

 

何かが解決したわけではない。受け入れたつもりかもしれない。絶望的に嫌なガキだった。けれどもそれがそうだったと理解できた。

 

自分はほんとうは良いやつだと思いたかった自分に、嘘つきの卑怯者だったと悟らせることができた。

 

謝罪したところで事実は消えない。受け入れるしかない。

 

吹っ切れたとはまさにこういうことを言うのだ。