キャノンのデミEE17です。

 

 

先日の組立完了後に早速テスト撮影に行ってきました。

そして本日現像作業が終了してデータが送られてきました。

 

テスト撮影に使用したフィルムは Kodak UltraMax ASA400

電池はタイプ625 挿入時の電圧は1.56Vでした。

 

 

いつもの最初の窓からの無限遠での撮影です。

これを見る限り無限遠のピントがズレているとは思えません。

ハーフサイズでこのレベルならむしろ優秀です。

という事は無限遠のピントの再調整は間違っていなかったということになります。

 

 

暗い室内での撮影です。

1/60秒で絞りはほぼ開放状態でした。

被写界深度が浅くなっていますがキチンと写っています。

 

 

受かりと影の部分が混ざった明暗の有る場所での撮影です。

まぁまぁというかちょっと明るいでしょうか。

 

 

日陰にある花を撮影したのですが、ピントが合っていません。

私のミスです。

それはさておき少々色が薄い感じがします。

 

 

無限遠での撮影です。

これは完全に露出がオーバーですね。

 

現像が終わって送られてきたデータはこれだけでした。

実はテスト撮影を終えてフィルムを巻き戻そうとした時に巻き戻しレバーが異常に

重くて固かったんです。

タオルをレバーにかけてなんとか巻き戻せる状態でした。

この状態ではテスト撮影時にフィルムがチャンと巻き上げられていないんじゃないかと思っていたのですがその通りだったわけです。

 

 

原因は巻き戻しレバーの下に入っている金色の真鍮製シムワッシャーでした。

通常は一枚だけ入っていて隙間の調整を行っているはずなのですが、今回はナゼか二枚入っていたというかパーツボックスには二枚入っていたので組上げ時にそれら二枚を挿入したんです。それが原因で適当な隙間が無くなってしまい強力な摩擦抵抗が発生してしまい途中からフィルムを送り出すことができななくなったようです。

ワッシャーを一枚に戻すことによって問題は解決しました。

 

 

更に問題がありました。

フィルムを巻き上げる時は底蓋にある矢印のボタン押してフィルムを巻き上げる

シャフトをフリーにします。

 

 

通常のボタンはこの状態ですが

 

 

ボタンを押し込むとこの様になり巻上げシャフトがフリーとなってフィルムを巻き戻せるようになります。

そして巻き戻しが終わってフィルムを取り出したら巻き上げレバーを巻き上げ方向に動かすとスプリングの反力によってボタンが元の位置に押し戻されます。

しかしこの個体はこのボタンが押し戻されてきません。

 

 

底蓋を外すとこの様な構造になっています。

 

 

原因はこのボタンの軸部と軸の入っている穴部が腐食して固着していました。

CRC 3-36で腐食を除去したらスムーズに動くようになりました。

 

 

この様に動作確認用の期限切れフィルムを使ってテストしたところ

キチンと巻き戻せるようになりました。

このような不具合はフィルムを使って実際に撮影してみないことにはほぼ間違いなく見落とすでしょう。

 

 

もう一つ問題がありました!

フィルムが巻き上げられていなかったとはいえ『36枚も撮影したつもりになっていた』のでその間は露出計の状態・指針値をほぼ毎回セコニックのL-188と比較していました。

するとピッタリと1絞り程ズレている事が判明しました。

1.0アンダーです。セコニックがF16を指している時にデミEE17はF11を指します。

 

 

ですからこのような感じに写ったのでしょう。

特にこの場面は空の部分が多く写っているため余計に光が多すぎてしまったため露出オーバーになったのでしょう。

 

 

更にコレを撮影した時の電圧は1.56Vでしたが撮影終了後の電圧は(撮影終了後にすぐ電池を取り外した)1.44Vにまで下がっていました。

どうやらタイプ625の電池は(長期保管の影響もあって)新品であっても使用直後に電圧が下がり始めて1.45Vで一時安定してその後また急激に電圧が下がるようです。

 

 

そこでテスト撮影を終えて帰宅直後に再び軍艦を外し露出計の可変抵抗の設定を変更してセコニックL-188とミノルタのスポットメーターと同じ指針になるようにしました。

 

フィルムが届いたら再びテスト撮影を行います。

梅雨入りしたため天気の関係で一週間以上かかってしまうかもしれません。