キャノンのニューキャノネットQL19 GIIIです。

 

 

無限遠のピントの再調整が終わったのでテスト撮影を行いました。

フィルムはKodak UltraMax ASA400

電池はタイプ625で挿入時の電圧は1.45Vでした。

 

実は後で判明したのですが、レンジファインダーの二重画像の合致がズレていて

距離5m程の位置で二重画像が合致するようになっていました。

さらに露出計も約+1オーバーの状態でした。

気付いた時点で帰宅して軍艦を外して再調整を行い、最後の5枚が正しい状態で撮影されています。

その事を認識した上で画像を見てみてください。

 

 

いつもの窓からの画像です。

ここまで明らかにピントが無限遠だと判っていれば二重画像の一致を無視してピントを∞に合わせてしまうので問題はありません。

拡大して見ないと判りにくいのですが、真ん中の雲との境目に東京湾をまたいだ千葉県側の工業地帯迄視認できます。

流石は安定のキャノンクオリィティといった感じでしょうか。

 

 

画像とは違って実は非常に暗い室内での撮影です。

F値もほぼ回付状態です。

ピントも露出計の指針も正確ではないのにここまで写るというのは凄いと思います。

 

 

光と影が交錯する状況での撮影です。

流石に露出はちょっとアンダーな気がしますが

ピントは何とかなっていますね。

 

 

これは距離1.0m位で撮影したのですから二重画像の一致する位置がズレていればピントにかなり影響すると思われるのですがピントがズレている気がしません。

被写界深度でカバーされているのだろうと思うのですが…。

露出に付いても違和感をかんじません。ちょっと影の部分が暗いかな。

 

 

 

黄色い実(レモン?)にピントを合わせたのですがコレはちょっとズレているみたいです。

露出の方は明るい部分に引っ張られる事無く暗い部分もしっかり写っています。

 

 

無限遠での撮影です。

露出はやや空の明るさに引っ張られているような…。

 

 

コレも無限遠での撮影ですがかなりシャープに写っています。

露出も問題ないですね。

 

 

針葉樹の葉の描写までかなり良く表現されています。

コレ、ピントが合っていないはずなんですが…。

それでもここまで写るとは。

 

 

これ全体的に日陰の中の撮影(奥に陽射しが見える)だったんですがとても綺麗に写っています。

露出計もズレているんですけどねぇ…。

 

 

 

 

 

 

この辺はもうあまりにも安定しているのでコメント不要でしょう。

 

 

これはスゴイです!

こんなに明暗の差があるにもかかわらず、明・暗共にしっかりと写っています。

キャノネットの懐の深さを感じさせられました。

 

 

 

 

 

ここまで撮影して二重画像の一致がズレている事に気付き帰宅して軍艦を外して二重画像の再調整をしていたらフイルム室を開けてしまって受光させてしまいました。

軍艦を外したのだからとついでに露出計に付いている可変抵抗の設定を変えて露出計を補正しました。

 

 

コレも端が受光していますがここからピントも露出も正しい状態になります。

最初の画像と同じですが時間が経過しているため太陽の位置が変わったのと雲の状態などによって発色が若干違います。

 

 

おぉ~!

ヤッパリピントが合うと描写力やシャープさがアップしますね。

映りが良くなりました。

 

 

発色も良くなった感じがします。

 

 

ガラス越しに撮影したのでこんな感じなってしまいました。

 

 

無限遠での撮影では以前とあまり変わりありませんね。

無限遠のピントの再調整をしてみましたがその効果がてき面に現れるという事はありませんでした。

『まぁこんな感じか』といったところですね。

 

ピントと露出の双方が狂っていてもここまでここまで写るというのには驚きました。

明暗が交錯するような場面でもしっかり映るのにも驚かされました。

レンズが優秀なのか、露出計が優秀なのか、キャノネットの基本設計が優秀なのか、

はたまたキヤノンそのものが優秀なのかわかりませんがこの映りの良さにはただただ感心するばかりです。

とても優秀で秀才なカメラだと思います。

巷間ではニューキャノネットはQL17の方が圧倒的に人気ですが、F値1.7での開放で撮影するというシチュエーションは滅多にないと思います。

ですから高価なQL17でなくてQL19でも充分じゃないかと私は思いますが。

 

ただあくまで私の個人的な感想なのですが、ここまで非の打ち所がないほど優秀で使い易いと逆に何か物足りないような感じがしてしまうのですが…。