9月18日
10時頃起床。シャワーを浴びる。佐藤君はたしかまだ寝ていた。
水を飲んだり煙草を吸ったりしているうちに、新しい宿泊客が来る。
ピジュもゆかりさんもいなかったので、招き入れてピジュを探す。
薄いサングラスをかけた若者。
昼まで部屋に入れないため、共有スペースにバックパックを置いて本を読み始めた。
誰とも話さず、薄いサングラス越しに村上春樹の「1Q84」を読む姿に少しニヤついてしまう。
そっとしておこうと思っていると、
佐藤君が起きてきて、さっきの若者に話しかけていた。佐藤君えらい。
笑うと結構かわいい顔をする。サングラスも外した。
この日は、ウィークエンドマーケットに行くことに。
そこでお土産をあらかじめ買ってしまおうという算段。
バスでの行き方を、佐藤君が誰かから聞いてきていた。
出かけて、佐藤君のビーサンずれを軽減するためのバンドエイドを探す。
コンビニ見つけるのに手こずったが、一番入り口に近い棚にあった。
バスに乗るために歩く。カオサン前のインド人経営と思われる半屋台みたいな店で食事。
メニューを見ていたら無性にインドカレーが食べたくなったので、勇んで注文したが、時間的にやっていないらしい。
仕方がないので、おすすめだという鶏肉のカシューナッツ炒めご飯にする。70バーツ。佐藤君は水を持っていたが、俺はもうほとんどなかったので水も購入20バーツ。
佐藤君はガパオだった。80バーツ。目玉焼きをのせると20バーツ。卵高い。
ナンプラー、砂糖、粉末唐辛子、酢などの調味料セットを入れる、4つ穴の空いた容器(クルワンプルーン)は、日本で見ないプラスチックのやつだった。
味はまあまあかなと思っていたが、この後もっと安くてもっとうまいものをたくさん食べたので、この店は負の記憶として残っている。
民主記念塔がある通り(たしかサイアムストリート)のバス停でバスを待つ。
44番と59番とあと何種類かがチャットチャクに向かうのバスで、それを待つ。
バスはちょくちょく到着するが、番号を見てちがーう。などをやっていると59番が来た。
バスはエアコンバスだった。まだ少年のような車掌が料金を回収に来る。
いくらかと尋ねるとチケットを指差す。21バーツ。長い筆箱みたいな木製の筒に、
お金と切符が入っている。筒の端に刃がついていて、それでちょこんと切符を切って渡す。7バーツだと聞いていたが、それはエアコンなしのバスなんだろう。
席も空いていて涼しく快適。と思っていたらやんちゃな丸坊主の運転手が飛ばす飛ばす。
激しいギアチェンジで、車を抜きまくる。バスを抜く際は、運転席を見てニヤリ。
信号に待ち時間が表示されるのだがどれも結構長く、75秒とか。
その間運転手はスマホに集中。
信号が青になり、車掌が「青だよ」みたいなことを言うとまたエンジン全開。
その繰り返し。途中エンストすると、素早く車掌が降りてエンジンをかける。
40分くらいでマーケットの前に到着。
チャットチャックのウィークエンドマーケットは8000店舗あるらしい。
同じようなものを売っている店が多い。
どこにでもありそうだから、また後で買おうと思うと見つからないし、
最初の店を探し当てることは至難の技だということを、前回の経験から佐藤君にアドバイス。
まず、煙草を吸いたいねということになり、喫煙がてら、中央の食事処に行く、
シンハービールが50バーツ。灰皿は?と聞くと下に落とせと言われる。タイスタイル。
すぐ隣で大きな扇風機が回っていた。
隣に座ろうとした中国人の若い女性2人が、煙草が嫌だということで席の移動を願い出ていた。
扇風機の角度と風力から煙はもれなくその席に直撃する。
マイペンライ。
途中トイレに行った。2バーツ。戻って、会計をする際に、
一本60バーツと言いはじめた。
50って言ったから50しか払わないと伝えると。テヘみたいな顔をしていたので、
2人分100バーツを支払い出る。こういうの久しぶり。タイが楽すぎて忘れていた。
佐藤君と1時間半後に時計台の前で会う約束をする。
時計台が良くわからなかったので、一緒に時計台まで行って場所を確認。
1人になって、とりあえず、服とか鞄を売っているエリアに向かう。
広すぎてあまり吟味している時間はない。
最初の店でTシャツを購入。シンハーとプーマのパチもん。
各々120バーツ。2枚買うから安くしてと言うと220になった。
給食袋みたいなサックがあった。
もう少し種類や値段を見て廻ろうかなと思ったが、さっきの自分自身のアドバイスを思い出し、購入。150バーツ。
その後は、結構うろうろして何も買わず。
食品エリアに来てしまったので、誰にあげるか分からないけど土産にお茶を購入。
レモングラスや木くずみたいなものが入っている。
結構量は入ってはいるがこれが一番高かった。300バーツ。
またしばらくうろうろ。パッッケージは違うが、さっき買ったお茶と同じ素材構成と思われるお茶が200バーツで売られていた。2つ購入。
なんとなく土産のストックができてきた。
前日カオサンの路上でおばちゃんから100バーツに値切って買ったスパイスはここで140バーツだった。
やはりあれは良い買い物だったと満悦。
うろうろしてるうちにまた服・鞄エリアに来た。時計台の通りでもあったので、こう来ればいいんだなと再確認し、ベンチに座って、隣の中国人カップルを眺めながら休憩。
時計台から近い露天に、派手な短パンが150バーツで売っていたので購入。
佐藤君が「中央線的」と呼ぶ柄だ。
集合15分くらい前になったので、早めに時計台に行こうと思い移動するも、さっきまでいた通りにたどり着けない。
結局15分汗だくになって、店の間をジグザグ歩いて、やっと時計台が見えた。時計台のくせに周りからは全然見えない。
時計台に佐藤君はまだいなかった。目の前の店にChangビールのTシャツがあった。生地がやけに薄そうだったのでやめた。
少しでも離れるとまた時計台が見つけられなくなる気がするので、周りをぐるぐるしていたら、疲弊した様子の佐藤君が見えた。
喫煙とお互いの戦利品を確かめるべく、マーケットを出て大通りを渡った先のショッピングモールの1階へ。
そこはバーベキューができるみたいで、一番安いセットが499バーツだった。
大瓶のビールだけ買って2人で飲む。
疲れた様子の佐藤君。象柄の、透けそうな生地の短パンを買っていた。「パンツが透けるよ」と伝えると、マーケット内で配っていたカラムーチョを裏にあてて、透け具合を試していた。赤いパッケージがしっかり透けていた。
佐藤君にワットポーのマグネットがあったことを伝えると、「欲しいなあ」と言うので、
一息ついた後に、再度マーケットへ。店を見つけられるか若干不安だったが、割とあっさり見つかった。
ここで佐藤君はマグネットとポストカードを買っていた。
ポストカード買いすぎじゃない?
近くに食品エリアがあり、ドライドリアン6パック入りと、ドライココナッツ10パック入りを土産として買う。合わせて500バーツくらいだったか。
日も暮れてきたので、帰ることになり、とりあえずバスで到着したのと反対側の、ショッピングモール側の道路に渡る。
佐藤君がトイレに行きたくなったので、1階が家具屋の大きなビルに入る。
商品が埃まみれでだだっ広い変な家具屋だった。おじさんにトイレを聞き済ませる。
外に出て、タクシーを捕まえようと交渉するけど、
カオサンまで300だと言う。250までは下げられたけど、それ以下にはなりそうになかったので別のタクシーを探す。
何台か聞いたが、タクシーは300、トゥクトゥクは200が相場で、下げる気はなさそうだった。
最初のタクシーの運転手が、この時間は渋滞するからだと言っていた。
時間がかかると乗せられる客が減るから多めにとりたいんだろう。
結局調子のいい兄ちゃんのトゥクトゥクを150にしてもらいLongluckの近くまで。
たしかに結構時間がかかった。
夕飯はゆかりマップのパッタイを食べに行くことに。少し雨が降っていた。
セブンイレブンの先と書いてあったが、セブンイレブンだらけだ。少し歩いて到着。エアコンのきいた部屋に通される。
俺はガパオ、佐藤君はパッタイ。ビールを2本。いくらだったか忘れた。
コンビニに寄って、酒とつまみ(bento)を買ってLongluckに戻り、シンさんたちと話す。
佐藤くんはビールよりも安い(35バーツ?)"Siam Sato"というワインを買っていた。というのは飲んだ後に気づいた。佐藤君も俺も安いビールだと思っていた。
佐藤君が一口飲んで「ムグッ」と言うので、飲ましてもらったら、甘くフルーティーな味がした。調べてみると米で作ったタイのワインらしい。
なんか気持ち悪くなりそうだから俺は遠慮して、
コウイチロウさんと話す。前回面白かった南インドにある、
ミナクシー寺院の地下に入れたエピソードを佐藤君にも聞かせたくて再度説明してもらう。話の山場はその通行証代わりとなったプロマイド。何度聞いても(見ても)爆笑。写真撮っておけばよかった。
その寺にまつわる俺が知っていた伝説(地下に開けてはいけない扉が4つあって、以前開けた僧侶はその日に死んだ)を披露すると、
コウイチロウさんは、持ち前の落ち着いたトーンで、その後、牛肉が食べられなくなった。その呪いのせいかもしれないなどと言いはじめる。
そして気づけば佐藤君が煮え煮え。
シンさんの練習しているブルーハーツにハモり始める。ハモるというか「アーアー」と言いたがる。そしていろいろな人に話しかける。楽しそうでなによりだ。
シンさんと話していると、カップルで宿泊している女性に「さっきパッタイの店にいましたよね」と言われる。彼女もシンさんのブログを読んでいるらしい。
そしてカップルではなく、友達だそうだ。みんなで彼氏だと思ってたねーとひとしきり話し、その友達は何してるのか聞くと、疲れて先に寝ているという。
佐藤君が「彼氏を起こしに行こう」と言うのでシンさんと俺で止める。あと彼氏ではない。
その後も「じゃー、彼氏起こしとく?」と2回くらいその女性に聞いていた。
その後は俺も記憶が怪しいが、佐藤君と同じタイミングで寝たのは覚えている。寝る間際に下のベッドから「熊野大学状態だなあ」と言っているのが聞こえた。バンコクにも路地はある。





