長い1日だった。

朝起きてシャワーを浴びると軽く朝ごはんを食べて髪の毛を乾かす。

歯を磨いてメイクタイム。ファンデーションは薄めにして目元はほんのりとした桜色。目尻に少しブラウンを入れてボヤけないように。。唇も昨日パックをしたおかげでふんわりしてるから八重桜色に仕上げてもおばはんの痛々しい雰囲気にはならなかった。

髪の毛は緩く巻いて韓国巻きに。。縦巻きだけどランダムに巻くことでゆるりとした動きが髪の毛全体にでる。いい感じ。そしてハーフアップにすると起きてきた娘が後ろをチェックしてくれた。(笑)

ピアスをつけてとりま半分完成。💦

ワンピースに着替えてもう一度鏡の前でチェックすると娘が小さなブツを渡してきた。何かと思いきや見ると懐紙。意外にメイク崩れを直す時に役に立つらしい。バックが小さい時用にサイズを小さくして名刺入れぐらいのアルミのケースに入っていたのでポーチに入れても邪魔にならない。


擦ったらダメだよ。肌傷むから。

こんなもの持ってるの?

脂取り紙だと拭えないから。

確かに。

この前のお茶のお稽古で年配の方に教えてもらった。


少し得意げな娘の顔がかわいい。

コートを手にすると娘も玄関まで来てくれて昨日から用意していたヒールに足を入れる。


珍しい。これ10センチ?

うん。今日は走らなくてもいいしそうなってもこれなら走れる。(笑)

確かに。


選んだのはヌバック素材の肌に近い色のヒール。黒やブラウンも履いたけど足元が浮くのでこういう時は足と靴は一体化させるほうがいいかな?と。。華やかだけど派手さは不要の今回はこの子に頑張ってもらうことにした。(笑)

玄関でチェックしているとインターフォンが鳴ったので下に降りることに。。エレベーターで見送るのは我が家のお決まりだけど変わらず見送ってくれた娘の姿が見えなくなるとちょっと体が緊張してるのが分かる。

外に出ると諒さんが待ってておはよう。と微笑んでくれる。

今日はいつもより少し顔を見上げる角度が緩いなぁ。と思いながら車に乗る。動き出した車の中でももらったファイルを眺める私にそんなに頑張らなくてもいいよ。と言われて余計に緊張してしまう。


会場に入ると緊張が抜けたのは諒さんのお隣だから?(笑)なかなか知り合える世界の人ではないので事前に言われた名刺を持ってきておいてよかった。照れ

繋がるかどうかは別にしてせっかくのチャンスなんだからこちらの意思表示する機会があればすべきだし。

私の名刺は銀座にあるお店で作ってもらってて最初に作ったのはもう30年くらい前。長くお付き合いさせてもらっているけど毎回注文するのは楽しい時間。(笑)活版印刷は細かなこだわりを伝えてお店の方と一緒に作るので注文する時からのワクワク感が詰め込まれるのが好き。

今回は2枚だけ海外の方にお渡ししたけど多分今後も繋がりそうな方。

珍しそうに眺めていたけれど活版印刷ってわかったのかな?と後で諒さんに聞いたらそれはないと思う。ただ比較的画数が多い麻美の名前だったからじゃないかな?と。

緊張はしていたけど諒さんの隣で無事役目を終えてホッとした時にはもう宴も終盤でお腹に入れたのはシャンパンとローストビーフと果物だけだった💦やっぱり久しぶりだから余裕がなかった。。

途中でトイレに行って娘にもらった懐紙を使って化粧直しをするとお腹減ったなぁと思っていたけど戻ればそんな気持ちもどこへやら(笑)

全て終わって車に乗り込むと開口一番にお腹減ったー。と言ってお腹がなるという💦


ありがとう。完璧だった。流石だ。

いや。結構しくじってた。

そう?俺のフォローなかったよ。

それは当然でしょ。💦

ほとんど食べれなかったもんな。すまん。

大丈夫だけどコンビニでおにぎり買いたい。

これよかったらどうぞ。


そう言われて渡された紙袋の中にはおにぎりが。。

胃が満たされる。ご飯と明太子に。。(笑)

クスクス笑う諒さんにいる?と袋の中を見せると梅干しを取ろうとしたのでそればダメあたしの!と言ってしゃけをあげた。グラサン

おにぎりを食べながら諒さんがもう一件寄って欲しいところあるんだけど。というとペリエ確保してますよ。と。。この人の気の回し方は単なる運転手のレベルではなく諒さんの周りってみんなスペシャリストなんだなぁと。。食材と飲み物を手に入れた車は静かに田舎の方に走り出してどこの花見なのか全く知らされてない私は少し不安になる。


不安か?

いや。大丈夫。(笑)

綺麗だぞ。きっと。

うん。


お花見の場所に着くと諒さんは多分日付超えるけど連絡します。と言って車を降りた。どこ?と思いながら後ろをついて歩く私は10センチヒールを履いた探検隊(笑)

別に時計の跡がある部族は出てこないと思うけどニヤニヤニヤニヤ←その世代ではない(笑)知らない場所に暗くなっていくのはやっぱり怖い。諒さんに抱かれた肩の温度が妙な安心感に変わる。そんな諒さんがポケットから取り出したのは真紅の布。そっと目隠しをされて怖がる私の手を引いて歩かされる恐怖心が伝わったのか諒さんはご機嫌な声で耳元で囁いた。


着いたよ。